Archive for the ‘薬物事件・薬物犯罪’ Category

小牧市の覚醒剤使用事件 任意性を指摘して不起訴を獲得

2023-12-17

小牧市の覚醒剤使用事件で任意性を指摘して不起訴を獲得した事例を参考に、不起訴処分について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

参考事例

薬物事件に強い弁護士は、覚醒剤の使用事件で愛知県小牧警察署に逮捕されたAさん(覚醒剤使用の前科1犯)の刑事弁護人に選任されました。
接見で、Aさんが採尿された時の経過に疑問を感じた弁護士は、事件を担当する検察官に任意性を指摘しました。
その結果Aさんは不起訴処分となり、釈放されました。(フィクションです。)

覚醒剤の使用

覚醒剤の使用を裏付ける証拠は尿の鑑定結果です。
その尿は、任意採尿又は強制採尿によって警察に押収されます。
しかし任意採尿の経過に不備がある場合は、尿そのものが違法収集証拠となる場合があり、そのときは鑑定書の証拠能力が否定され、無罪となる可能性があります。
任意採尿に至るまでの経過が指摘され、無罪判決が言い渡された刑事裁判は何件もあるので、起訴までに、任意性を指摘することができれば、無罪を避けるために検察官は不起訴処分を決定するでしょう。

不起訴処分

主な不起訴処分の種類は

①罪とならず(そもそも犯罪行為がなかった場合)
②嫌疑なし(犯罪を認定できなかったり、または犯人ではなかった場合)
③嫌疑不十分(犯人のようではあるが、決定的な証拠がない場合)
④起訴猶予(犯罪が存在し、犯人である事には間違いないが、様々な理由であえて起訴しない場合)

の4種類です。
今回のような覚醒剤使用事件の場合は、尿から覚醒剤反応が出ているので、犯罪の事実は存在するのですが、Aさんが犯人である事を認定する決定的な証拠がないので、嫌疑不十分による不起訴決定となる可能性が大です。
起訴猶予で不起訴処分となった場合には、後に何らかの事情が変わって起訴される可能性がありますが、嫌疑不十分で不起訴が決定した場合、その決定が覆る可能性は非常に低いでしょう。

覚醒剤使用の罰則規定は「10年以下の懲役」ですが、どういった刑事罰が科せられるかは刑事裁判で裁判官が決定します。
Aさんの様に不起訴が決定した場合は、刑事裁判すら行われないので、罰則規定が適用されることはなく、前科にもなりません。
小牧市の薬物事件でお悩みの方、覚醒剤の使用事件で不起訴を望んでおられる方、任意採尿の経過に疑問のある方は、刑事事件に強い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士による 無料法律相談  初回接見サービス をご利用ください。

飲酒運転で逮捕 同乗者にも刑事罰が科せられるので注意

2023-12-14

飲酒運転の車に同乗していた場合の刑事罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

参考事件

Aさんは、会社の忘年会に参加し、その後、同僚と二人でカラオケに行きました。
カラオケでも酒を呑んだAさんは、帰宅する最終電車を逃してしまいました。
タクシーで帰宅しようか悩んでいたところ、同僚から「車で家まで送るよ」と言われたAさんは、同僚の好意を断ることができず、同僚の運転する車に同乗して自宅まで送ってもらうことにしました。
しかし自宅までの道中で警察の飲酒検問に引っ掛かり、運転していた同僚は愛知県緑警察に逮捕され、Aさんも飲酒運転の車に同乗していたとして警察署に連行されてしまいました。
(フィクションです。)

飲酒運転

お酒を呑んで車を運転すれば、その運転手は、飲酒運転として刑事罰を科せられることは説明するまでもありません。
飲酒運転で取締りを受けるのは、呼気中アルコール濃度が1リットル当たり0.15ミリグラム以上だった場合(酒気帯び運転)ですが、この基準値を下回る場合でも「酔っている」と判断されると「酒酔い運転」として取締りを受けることになります。
酒酔い運転は、酒気帯び運転よりも罰則規定が厳しく、その罰則規定は

酒酔い運転・・・3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
酒気帯び運転・・・2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

です。

飲酒運転に同乗しても刑事罰の対象になる

道路交通法では、第65条第4項に、「何人も、車両の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運送して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が運転する車両に同乗してはならない」と明記して、飲酒運転の車に同乗する事を禁止しており、違反した場合は、飲酒運転した運転手と同等の刑事罰が科せられる事が規定されています。

この法律が成立するには、「運転者が飲酒していることを知りながら要求又は依頼する」ことが要件とされています。
今回の事件で、Aさんは逮捕された同僚と一緒に飲酒しているので「運転者が飲酒していることを知りながら」という点については明らかです。
Aさんが逮捕された同僚に、家に送り届ける事を要求、依頼したか否かについては、Aさんと逮捕された同僚に対する取調べによって明らかにされるでしょうから、警察の取調べには注意しなければいけません。
ちなみに要求、依頼の方法については、明示的なものであれば当然の事、黙示的なものでも、お互いの意思疎通ができていれば「暗黙の要求、依頼があった」と判断されて、同乗者にも運転者と同等の刑事罰を科せられる可能性があります。

飲酒運転の車に同乗した時に頼れる弁護士

名古屋市の飲酒運転の車に同乗して警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
無料法律相談は、フリーダイヤル0120-631-881で年中無休で受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。

違法薬物(危険ドラッグ)所持で起訴 保釈を求める

2023-12-11

【熱田区の薬物事件】違法薬物(危険ドラッグ)所持で起訴 保釈を求める

【熱田区の薬物事件】違法薬物(危険ドラッグ)所持で起訴された事件を参考に、保釈を求める弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

参考事件

熱田区に住むAさんは、危険ドラッグを所持していた容疑で、愛知県熱田警察署薬機法違反で逮捕されました。
その後、20日間の勾留期間を経て起訴されたAさんの家族は、Aさんを保釈を希望しているようです。
(フィクションです。)

違法薬物(危険ドラッグ)

危険ドラッグについて、薬機法(正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に、中枢神経系の興奮、抑制、幻覚の作用を有する蓋然性が高く、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物を「指定薬物」と定義し(法2条15項)、指定薬物を、医療等の用途に供する場合を除いて、製造、輸入、販売、授与、所持、購入若しくは譲り受けること、又は医療等の用途以外の用途に使用することを禁止しています(法76条の4)。
これに違反した場合の罰則は3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科です(法84条26項)。

薬物犯罪と保釈

危険ドラッグをはじめとする薬物犯罪では、その悪質性や多数の関係者が関与している可能性があることから、逮捕されるおそれが非常に高く、しかも一度逮捕されると起訴されるまではなかなか釈放されづらい、というのが特徴です。したがって、一日でも早く釈放されたい、という場合は起訴後の釈放を目指すことが現実的といえます。
起訴後の釈放とは、つまり、「保釈」のことを意味しています。
ここで、保釈とは被告人に対する勾留の執行(効力)を停止して、その身柄拘束を解くことをいいます。起訴後の身柄拘束期間は起訴前に比べ長期間となることが想定されていることから、起訴後に限って「保釈(請求)」という制度が認められています。

保釈は、あくまで勾留の停止にすぎません(勾留の効力が消滅したわけではない)。また、メリットだけではありませんので、ご家族が薬物事件で逮捕、勾留、起訴され、保釈をご検討中の方は弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、危険ドラッグをはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が提供する 無料法律相談 初回接見サービス をご利用ください。

任意採尿を拒否 覚醒剤使用容疑で緊急逮捕

2023-11-20

任意採尿を拒否したことから、強制採尿された後に、覚醒剤使用容疑で緊急逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

参考事件

トラック運転手をしているAさんは、運転中の眠気を覚ますために、数年前から覚醒剤を使用しています。
先日、トラックを運転中に激し眠気におそわれ、街路樹に衝突する物損事故を起こしてしまい、目撃者の通報で駆け付けた愛知県名東警察署の警察官に「様子がおかしい」と指摘され、覚醒剤の使用を疑われて任意採尿を求められました。
しかしAさんが任意採尿を拒否して帰宅したのです。
そうしたところしばらくして、警察官が自宅を訪ねて来て、強制採尿の令状を示されて病院に連れていかれ、そこで強制採尿されました。
そして採尿後、警察署に連れていかれたAさんは、尿の簡易鑑定に立ち会わされて、鑑定の結果、覚醒剤成分の陽性反応がでたことから覚醒剤使用の容疑で緊急逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

強制採尿

警察官に覚醒剤の使用を疑われてしまうと、任意採尿を求められますが、これを拒否すると、警察官は裁判官に対して強制採尿の許可状(令状)を請求し、裁判官の発した許可状(令状)をもとに強制採尿されます。
採尿後は、Aさんのようにその尿を簡易鑑定されて覚醒剤成分の有無を調べられますが、警察官が行う鑑定は、簡易鑑定と呼ばれています。
簡易鑑定を行うかどうかは、警察官の判断により、すぐに簡易鑑定が行われず、科学捜査研究所による本鑑定だけの場合もあります。

覚醒剤使用で緊急逮捕

今回Aさんは、強制採尿された尿を警察署で簡易鑑定されて緊急逮捕されています。
逮捕には、裁判官の発した逮捕状による通常逮捕、犯罪を犯したその場でされる現行犯逮捕、そして緊急を要する場合にされる緊急逮捕の3種類があります。
緊急逮捕とは、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときに許されている逮捕ですが、Aさんはこの緊急逮捕に該当するか検討してみましょう。

①死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪
 ・・・覚醒剤使用の法定刑は「10年以下の懲役」なので該当する

②罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある
 ・・・尿の簡易鑑定で陽性反応が出ているため、充分な理由が認められる

③急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができない
 ・・・任意採尿を拒み帰宅しているため、逃走のおそれがあると認められる

薬物事件に強い弁護士

薬物事件でお困りの方や、ご家族、ご友人が薬物事件を起こして警察に緊急逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、無料法律相談初回接見サービスのご予約を

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春日井市のマンションで大麻を栽培 大麻取締法違反で逮捕

2023-10-18

マンションで大麻を栽培した男が逮捕された春日井市の薬物事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

春日井市のマンションで大麻を栽培した男が逮捕

春日井市のマンションの一室で大麻栽培していた容疑で、春日井市在住の無職の男Aが愛知県春日井警察署逮捕されました。
逮捕されたAは、栽培した大麻を友人に譲渡していたようです。
(この事件は実話を基にしたフィクションです)

大麻取締法

大麻取締法では、大麻の所持、譲渡、譲受、輸出入、栽培が禁止されており、Aの行為は、栽培と譲渡の違反になります。

大麻取締法第3条第1項
大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。

ここでいう大麻取扱者とは、大麻栽培者及び大麻研究者のことです。
大麻栽培者とは、都道府県知事の免許を受けて、繊維若しくは種子を採取する目的で大麻草を栽培する者のことです。
また大麻研究者とは、都道府県知事の免許を受けて、大麻を研究する目的で大麻草を栽培し、大麻を使用する者のことです。(大麻取締法第2条)

栽培の禁止

大麻取締法第24条に大麻の栽培を禁止する旨と、その罰則が明記されています。

大麻取締法第24条第1項
「大麻を、みだりに栽培し…た者は、7年以下の懲役に処する。」旨が明記されています。
ここでいう「みだりに」とは、社会通念上正当な理由が認められないという意味です。
上記のとおり、法律上、大麻の栽培が認められているのは大麻取扱者だけですので、それ以外の者が大麻を栽培すれば、この「みだりに」と言えるでしょう。

大麻取締法第24条第2項
「営利の目的で、大麻を栽培した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する」旨が明記されています。
営利の目的とは、犯人が自ら財産上の利益を得たり、第三者に得させることを、動機・目的とすることを意味します。
簡単に言うと、営利目的に大麻を栽培することとは、販売して利益を得ることを目的に大麻を栽培することです。
大麻を営利目的で栽培していたことは、栽培した大麻を実際に販売していたかどうか、またそれによって利益を得ていたかどうかによって立証されます。

譲渡の禁止

大麻取締法第24条の2に、大麻の譲渡を禁止する旨と、その罰則が明記されています。

大麻取締法第24条の2第1項
「大麻を、みだしに…譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。」旨が明記されています。

大麻取締法第24条の2第2項
「営利の目的で、大麻を譲り渡した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する」旨が明記されています。
単に、一度だけ友人に大麻を有償で譲り渡しただけで、営利目的の大麻譲渡とは認められないでしょう。
営利目的の大麻譲渡は、複数回に渡って、大麻を有償で譲渡するといった反復継続性が必要となり、それによって利益を得ていなければなりません。

大麻取締法違反の量刑

営利目的でなければ、大麻の栽培も、譲渡も、初犯であれば執行猶予付の判決が十分に望めます。
逆に、営利目的が認められてしまうと、初犯であっても実刑判決の可能性が十分に考えられます。
営利目的の大麻栽培や、譲渡事件は、これまでの密売実績や、密売の規模、栽培の規模等によって、その量刑は左右されます。
Aさんの場合、営利目的の大麻栽培と、譲渡事件で起訴されて有罪が確定すれば、この二罪は併合罪となるので、有罪が確定した場合「15年以下の懲役、又は情状により15年以下の懲役及び500万円以下の罰金」が言い渡されます。
最高で15年の懲役と500万円の罰金と考えれば、決して軽い罪ではないので注意しなければなりません。

春日井市の薬物事件に強い弁護士

春日井市の薬物事件でお困りの方、営利目的の大麻の栽培譲渡事件に強い弁護士をお探しの方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

【解決事例】大麻取締法違反事件(栽培)で不起訴処分を獲得

2023-04-17

大麻取締法違反事件(栽培)において、弁護活動により不起訴処分を獲得した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【事案の概要】

Aさんは愛知県蒲郡市にある実家で、大麻草を栽培したとして、愛知県蒲郡警察署において逮捕・勾留されていました。
Aさんの妻は相談時、「確かに夫は6年前、当時住んでいた夫の実家の庭で大麻を栽培して逮捕されました。しかし今は、大麻とは縁を切って暮らしています。今は家族で夫の実家近くのマンションで暮らしており、夫の実家の庭に大麻が生えているとは、私も夫も全く知りませんでした。」とお話しされました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

【大麻とはどのようなものですか?】

大麻とは、植物の大麻草から作られるもので、様々な名称で呼ばれています。
精神的依存性があり、日本では、法律(大麻取締法)により規制されています。

名称の例として、葉っぱ、マリファナ、グラス、チョコ、ハシッシュ、ハシッシュオイル、野菜、ヘンプなどがあります。

「大麻取締法」では、無免許・無許可での栽培、輸出入、所持、譲渡、譲受等について罰則を設けており、
その他にも「麻薬特例法」による規制もあります。

大麻による悪影響として
①知覚機能への悪影響
②大麻精神病
③短期記憶、学習機能への悪影響
④運動機能への悪影響
⑤身体的な悪影響
などがあります。

【法定刑など】

①輸出・輸入・栽培

・営利目的がない場合
法定刑は7年以下の懲役です。通常の公判手続に付されます。
・営利目的がある場合
法定刑は10年以下の懲役で、情状により300万円以下の罰金が併科されます。
通常の公判手続に付されます。

②譲渡・譲受・所持

・営利目的がない場合
法定刑は5年以下の懲役です。
通常の公判手続に付されます。
・営利目的がある場合
法定刑は7年以下の懲役で、情状により200万円以下の罰金が併科されます。
通常の公判手続に付されます。

【弁護活動について】

Aさんに、警察署での接見時に詳細を伺ったところ、
実家の庭で栽培していた大麻は、前回の裁判後に全て刈り取りました。
その後結婚して忙しくなり、実家にはほとんど帰っていませんでした。
実家の庭は荒れてしまい、雑草が生い茂っていて、大麻がまた生えていたことにも気づきませんでした。
とAさんは話されました。

弁護士はAさんのこの主張や、この状況が管理された栽培とは到底考えられない、今回発見された大麻草は5本程度、Aさんには大麻草が生えているという認識すらない
ことを検察官に文章で提出したところ、Aさんは不起訴処分となりました。

【まとめ】

大麻取締法違反事件は、故意犯です。
そのため、犯行時それが大麻という違法薬物であることの認識があったかどうかが大きなポイントになります。
大麻などの薬物の存在に気づいていなかった、違法薬物であることを認識していなかった場合には、そのような事情を客観的な証拠に基づいて主張・立証していくことになります。
このような主張が認められた場合、Aさんのように大麻所持などの犯罪が成立しないとして、不起訴処分などを勝ち取ることができる可能性が高くなるのです。

このような主張・申立ては、法律の専門家である刑事事件・薬物事件に強い弁護士に、ぜひお任せください。

このコラムをご覧の方で、薬物事件・大麻取締法違反事件で捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、薬物事件・大麻取締法違反事件に関するご相談を

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

にてご予約を受け付けております。

 

【解決事例】覚醒剤取締法違反事件で保釈許可を獲得した事例

2023-03-12

覚醒剤取締法違反事件で、保釈許可を獲得した事例につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要】

Aさんは愛知県弥富市にある自宅で覚せい剤を使用したとして、愛知県蟹江警察署で逮捕、勾留され既に起訴をされていました。
Aさんのお子さんは「父の母、つまり祖母は末期のがんでもう明日を迎えられるのかわかりません。父には祖母の看病をしてもらい、祖母を家族皆で看取りたいと思っているので、保釈の請求をして欲しいです。」と相談時にお話しされました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

【保釈とはどのようなことですか?】

保釈とは、一定額の保証金の納付を条件として、勾留の執行を停止し、拘禁状態から開放する制度のことです。
保釈は、勾留された被疑者が起訴されて、被告人勾留に切り替わった後に請求することができる制度ですので、逮捕後で勾留前、起訴前の勾留中には、保釈制度はありません。
しかし、保釈とは申請したからといって必ず認められるものではなく、裁判所の裁量によって保釈の可否が判断されます。
保釈の種類としては
①権利保釈
②裁量保釈・職権保釈
③不当に長い拘禁と勾留の取消し保釈
等がありますが、詳細は刑事事件に強い弁護士にぜひお尋ねください。

保釈を認めてもらうために大切なことは
①証拠隠滅する危険がないこと
②逃亡の危険がないこと
③被害者や事件関係者及びその親族等に接触する危険がないこと
④被告人を監督する身元引受人の存在
を適切に裁判所に提示することがとても大切です。

なお、保釈保証金は最低でも150万円~200万円程度といわれていますが、事件の性質や情状、被告人の経済状態などを考慮して決定されますので、上限はありません。
保釈保証金は、被告人の逃亡を防止し、裁判への出頭を確保するためのものという性質から、保釈が取り消されて没収されることがなければ、裁判終了後に返還されます。

【弁護活動について】

裁判所に対し、保釈をしても証拠隠滅や逃亡の危険はない、被害者様との接触は家族がAさんの行動を見張り、絶対にさせない、Aさんの妻がAさんをしっかり監督する、などを主張したところ、Aさんに保釈が認められ、Aさんは自宅に帰り、家族の看病をすることができました。
また、裁判所に対し、Aさんには前科前歴がないこと、反省しており、薬物依存の傾向もないこと、強い更生の意欲があること、Aさんの妻がこれからもしっかりとAさんを監督してくことなどを主張したところ、Aさんは執行猶予付き判決となりました。

保釈決定や執行猶予付き判決を得るための、裁判所への主張・申立ては、法律の専門家である弁護士に任せましょう。

覚醒剤取締法違反事件、薬物事件で家族が勾留されているが、保釈をして欲しいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部までご相談ください。
事件について詳細に確認をとったうえで、今後の見通しについてご説明致します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、覚醒剤取締法違反事件、薬物事件に関するご相談を

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捜索手続の適法性が注目された事例を解説

2023-01-23

今回は、過去の判例をもとに、捜索手続の適法性が争われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

現在、名古屋市南区のAさんの自宅において、Aさんが違法薬物であるMDMAを譲り受け、これを所持、使用した疑いで愛知県南警察署の捜索が行われています。
当日の午前8時頃に捜索差押許可状が呈示され、捜索手続が開始されましたが、同日午前11時頃、Aさんの自宅に宅配便が届きました。
荷物は小包のようです。
警察官らは「今回の捜索差押許可状の効力により小包を開封し中を調べる」として同小包を開封したところ、MDMA様の錠剤が発見されました。
後に前記錠剤はMDMAであることが判明したため、警察官らはMDMAを譲り受けた疑いでAさんを逮捕しました。
Aさんは捜索開始の後に届いた荷物が開封され、中身を調べられたことに不満を抱いており、法律上適正な捜索であったのか疑問に感じています。
(最高裁平成19年2月8日決定をもとにしたフィクションです)

【捜索差押許可状とは】

警察官などの捜査機関が被疑者または関係各所を強制的に捜索できることはよく知られていることでしょう。
この場合、関係者が拒絶したとしても、令状による捜索・差押は拒否することができません。
ただし、強制的な捜索・差押を行うためには、原則として、その処分を受ける者に対し、捜索差押許可状が呈示されなければなりません(刑事訴訟法第222条1項・第110条)。

通常、令状を呈示して捜索差押に着手した後、捜査に必要な捜索・差押を行い、捜索差押手続が終了しますが、ケースの場合、捜査官らは令状呈示後に配達された小包の捜索・差押えを行っています。
Aさんはこのような順序の手続であったことに不満、疑問を感じているようです。

【ケースのモデルになった事件についての見解】

※最高裁平成19年2月8日決定要旨
「警察官が,被告人に対する覚せい剤取締法違反被疑事件につき,捜索場所を被告人方居室等,差し押さえるべき物を覚せい剤等とする捜索差押許可状に基づき,被告人立会いの下に上記居室を捜索中,宅配便の配達員によって被告人あてに配達され,被告人が受領した荷物について,警察官において,これを開封したところ,中から覚せい剤が発見されたため,被告人を覚せい剤所持罪で現行犯逮捕し,逮捕の現場で上記覚せい剤を差し押さえたというのである。所論は,上記許可状の効力は令状呈示後に搬入された物品には及ばない旨主張するが,警察官は,このような荷物についても上記許可状に基づき捜索できるものと解するのが相当である」

前記最高裁決定には明確な理由付けがなされていませんが、前記判例によれば、ケースのような捜索・差押手続も適法とされる可能性が高いでしょう。

刑事手続の適法性が争われる、あるいは、争いうるケースは、捜索手続に関連する事件以外にも多々あります。
既存の判例のみでは説明しきれないケースもあるかもしれません。
新しい問題点が争われ、判断がなされた場合には、新規の判例となることもあります。

ただし、このようなケースに対処するためには、刑事事件に関する高度な法律的知識を要します。
捜索・差押手続の適法性に疑問を抱いた場合は、刑事事件に詳しい弁護士と相談し、今後の対策についてアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
捜索・差押手続の適法性に疑問を感じ、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

大麻の使用と出頭について

2022-12-21

大麻の使用と出頭について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要】

新城市に住むAさんは、知人のBさん(同市在住)に勧められたのをきっかけに大麻を使用していました。
ある日、Bさんは、新城市内にて自家用車で物損事故を起こしてしまい、その際に駆けつけた愛知県警察新城警察署の警察官によって、車内にある乾燥大麻が発見されました。その後、Bさんは警察官による簡易鑑定で陽性反応が出たため、大麻取締法違反(大麻所持)の疑いで現行犯逮捕されました。
急にBさんとの連絡が取れなくなったことを不安に思っていたAさんですが、数日後、報道でBさんが大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕されたことを知りました。
実はBさんとの関係を断ち、大麻の使用もやめたいと考えていたAさんは、これを機会に警察署に出頭しようと考えはじめ、弁護士に相談することにしました。
(※フィクションです)

【大麻使用は犯罪ではない?】

大麻取締法は、大麻の取り扱いの免許を所持している者や大麻の研究をしている者が、目的外で使用することを禁じている一方で、一般人については所持について罰則規定があるのみで、自己使用についてはありません。

大麻取締法
第三条 
1 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
2 この法律の規定により大麻を所持することができる者は、大麻をその所持する目的以外の目的に使用してはならない。
第二十四条の二 
1 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
2,3(略)
第二十四条の三 
次の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役に処する。
一 第三条第一項又は第二項の規定に違反して、大麻を使用した者

とすると、今回のケースのAさんには、犯罪が成立しないとも思われます。
しかし、大麻を使用する場合、大麻を一度所持することが通常で、「使用はしたが所持はしていない」ということは、たいていの場合あり得ません。
したがって、今回のケースのAさんでも、その後の捜査によって所持の事実が裏付けられれば、大麻所持の疑いで逮捕・取調べ等を受けることが十分に考えらえられます。

【自首と出頭の違いは?】

自首とは、犯人が自ら犯した罪が発覚する前に、自発的に捜査機関に名乗り出ることをいい、刑法第42条1項によって、任意的な刑の減軽がなされることが定められています。

刑法
第四十二条 
1 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

一方、出頭とは、明確な定義のある法律用語ではなく、一般的に自ら警察署などの公的な場所に出向くことをいいますが、自首と区別して、事件自体が発覚していて、犯人の特定ができている状態で警察に出向くことを指す場合もあります。
今回のケースでは、逮捕後の捜査で、Bさんのスマートフォンは押収され、Aさんとのやり取りを含めた、大麻の取引履歴などが解析により明らかになると考えられます。
そのため、新城警察署が既にAさんの事件について、警察署は既に把握しているものと考えられますから、今回のAさんの場合は、自首ではなく出頭にあたる可能性が高いと思われます。

【出頭のメリットとは?】

出頭は、自首とは異なり、法律による任意的な刑の減軽は定められていません。
しかし、出頭することによって、証拠隠滅や逃亡のおそれが低いとみなされ、逮捕や勾留がされない場合があります。
もっとも、自ら出頭した場合でも身柄拘束のリスクはあるため、出頭時に予め家族の監視監督を誓約した上申書や在宅捜査を求める弁護人の意見書を提出することで、身柄拘束のリスクを下げることができます。

自首もしくは出頭をすることを考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
新城市で大麻所持などの事件を起こし出頭を検討している方の対応も数多く行ってまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

 

【裁判紹介】覚醒剤取締法違反事件の裁判例

2022-11-27

覚醒剤取締法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

覚醒剤を使用したとして覚醒剤取締法違反の罪に問われた男性に対し、名古屋地裁は、「採尿前に警察官が、被告に提供した飲料に覚醒剤を混入させた疑いを排除できない」として、無罪を言い渡した。
判決では、警察官が逮捕後に勾留中の被告へ現金を渡していたとも認め「捜査が不正に行われた疑いを強く推認させる」とした。
他にも判決によると、被告人は、愛知県東海市の自宅近くで逮捕された後、取り調べ中に警察官からコップに入ったお茶や水を提供され、数十杯飲んだ。
警察官は薬物捜査に従事しており、この際に覚醒剤を飲料に入れた可能性があるとした。
被告人は、公判では一貫して起訴内容を否認していた。
(日本経済新聞「「警官が覚醒剤混入疑い」名古屋地裁が無罪判決」(2021/3/19)を引用・参照)。

【覚醒剤取締法違反事件における裁判例と弁護活動】

覚醒剤事犯を中心とした薬物事件では、(その検挙の困難さも一因となって)違法捜査が行われることも少なくないといわれています。
本事案などは、捜査の違法性の程度が大きく有罪を導くための証拠に証拠能力を認めず、無罪判決を下したものと考えられます。
他方で、覚醒剤事犯においては、捜査官による違法捜査などがない場合にも、被告人が多重人格であり心神耗弱状態(刑法39条2項)であったなど責任能力の低下を認定し、執行猶予付き判決が言い渡された裁判例なども存在します。
覚醒剤事犯を含めた薬物事件では、想定される刑罰が重いこともあり、刑事弁護士が様々な工夫を凝らした弁護活動を展開している分野でもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、覚醒剤取締法違反など薬物事件を含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
違法捜査に対する対応・薬物事件に特化した対応に長けた弁護士が、迅速な無料相談や初回接見を承ります。
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