迷惑電話と偽計業務妨害罪

迷惑電話と偽計業務妨害罪について、あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要】

Aさんは、上司とのトラブルから勤めていた名古屋市緑区にあるV社を退職しました。
トラブルとなった上司に腹を立てていたAさんは、上司とV社を困らせてやろうと考え、V社へ非通知で電話をかけ、無言で電話を切ったり、音楽を流したりして嫌がらせ行為を複数回にわたり行いました。
V社が愛知県緑警察署に相談したため、愛知県緑警察署はAさんに対し厳重注意をしましたが、その後も同様の行為を繰り返したため、Aさんは愛知県緑警察署の警察官に偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。
(*11月9日中日新聞掲載の記事を参考にしたフィクションです)

【迷惑電話は偽計業務妨害罪にあたる】

偽計業務妨害罪(刑法第233条)は、偽計を用いて業務を妨害することで成立する犯罪で、罰則規定として「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」が定められています。

刑法
(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

「偽計」とは、人の勘違いや知らないことを利用したり、人を騙したりすることをいいますが、日常的な意味を超えた広い範囲で解釈されており、機械の誤作動を利用して他人の業務を妨害する行為なども「偽計」に含まれます。
「偽計」の具体例としては、警察署への虚偽の通報や飲食店へ嘘の注文を行って配達させることなどが挙げられ、本件の事案のような複数回にわたる迷惑電話も「偽計」に該当すると考えられています。

また、偽計業務妨害罪は、現実に業務が妨害されなくても、その危険が生じれば成立します。
今回の事案でも、現実にV社の業務が妨害されていなくても、幾度にもわたる迷惑電話によって、一般の顧客への対応に支障を来したり、他の電話を受けられなくなったりなどのおそれがあるため、偽計業務妨害罪が成立することになります。

【刑事処分軽減のための具体的な弁護活動】

偽計業務妨害罪において、少しでも刑事処分を軽くしたいと考えた場合、被害者の方への謝罪、被害弁償を含めた示談交渉などが重要になります。
宥恕条項付き(被疑者を許し、刑事処罰を求めないことを内容とするもの)の示談が締結できたり、示談締結とともに、被害者の方によって被害届の取り下げをしていただければ、不起訴処分や、起訴された場合でも罰金刑や執行猶予付き判決となる可能性が高まります。
刑事事件の示談締結においては、被害者の方に配慮した適切な示談交渉を行うことが重要になりますので、お困りの場合はすぐに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応を
してきた刑事事件専門の法律事務所です。
今回紹介した偽計業務妨害罪の事案も数多く対応してまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

 

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