【裁判紹介】傷害事件の裁判例等を紹介

傷害事件の裁判例等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

愛知県東浦町の障害者施設の入所者2人に暴行して重傷を負わせたとして傷害罪に問われた元職員の男の被告人に対し、名古屋地裁は、懲役2年4月(求刑・懲役3年)の実刑判決を言い渡した。
判決によると、被告人は2019年7月、50歳代の入所男性の腹部を蹴り、2か月の重傷を負わせ、20年4月には入所者の80歳代男性の下腹部を蹴って1か月の重傷を負わせた。
(読売新聞「障害者施設の入所者2人に暴行、元職員に懲役2年4月の実刑判決」(2021/09/30)を引用・参照)。

【傷害罪について】

(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(暴行)
第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

日常生活を送る中で些細なことで喧嘩などに発展することは稀なことではなく、これに伴い生じる暴行・傷害事件はわが国の刑法犯の中でも大きな割合を占めています。
犯罪白書等の各種統計を見ると、検挙されている刑法犯のうちその四分の一もの割合を暴行・傷害事件が占めており、刑事事件となりやすい事件類型となっています(但し、上記割合は男性によるものに限る)。
特に注意すべきなのが暴行にとどまらず、相手に怪我等を負わせてしまっている傷害事件です。
傷害はその程度には相当な幅があり、そのことは上記の傷害罪の規定の「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という極めて大きな法定刑に反映されています。
したがって、同じ傷害事件でも傷害の態様等によってどのような刑事処分が下されるかは大きく異なることから、安易な素人判断は禁物であり専門家たる弁護士との相談が不可欠といえます。

【傷害事件における刑事弁護士による弁護活動】

本事案では、被告人が複数の被害者に重傷を負わせていることもあり「懲役2年4月」の執行猶予なしの実刑判決が下されています。
また、他のケースをみると、地下鉄内で知人に硫酸をかけるなどして重傷を負わせた傷害事件においても、同様に執行猶予なしの実刑判決(「懲役3年6月」)が言い渡されています。
本事例も含め、実刑判決に至るケースはやはり被害者に重傷を負わせているケース(後遺症が残るなどの場合も含む)が目立ちます。
したがって、傷害による負わせた怪我の程度が軽微な場合などは、起訴を回避し不起訴処分を得られる可能性があるといえます。
特に被害者との間で示談がなされている場合にはその可能性は高まります。
また、仮に本稿で紹介した事案のように傷害結果が軽微とは言い難い場合も、被害者との示談が有利な情状となることから、弁護士を介し示談を成立させることは傷害事件において重要な弁護活動と位置付けられることになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、傷害事件を含む刑事事件を中心に取り扱う法律事務所です。
傷害事件で逮捕・起訴された方やそのご家族等は、365日/24時間いつでも対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせ下さい。

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