旅行中に知人男性を切りつけたとして殺人未遂罪で逮捕された少年の弁護活動において、被害者との示談を成立させて保護観察処分となった、弁護活動とお客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が紹介します。
◇事件概要◇
少年は、元交際相手と、その友人である被害者の男性と名古屋に旅行に来た際、被害者の男性と口論となり、護身用として持ち歩いていた折り畳みナイフで男性を切りつけてしまいました。
犯行後、少年は自ら救急車を呼び、その後駆け付けた警察官に殺人未遂罪で現行犯逮捕されました。
少年の逮捕を知った親御様からのご依頼で弁護活動を開始した弁護士は、被害者男性と交渉の後、双方が納得するかたちで示談を成立させることができ、そのことが評価されて少年院送致を免れ、保護観察処分となりました。
◇結果◇
示談成立
保護観察処分
◇事件経過と弁護士活動◇
逮捕当初から少年が犯行を認めていたため、弁護士は細目に少年に対する接見を行い、取調への対応をアドバイスするとともに、留置場生活で不安を感じている少年の精神的なサポートを行いました。
またこういった少年との接見と並行して、被害者男性に対する示談交渉を行ったのですが、ナイフで切り付けられた男性の被害者感情はすさまじく、交渉開始当時は示談が成立するとは考えられなかったというのが正直なところです。
しかしあきらめずに交渉を続け、様々な条件を提案するなどすることで、徐々に被害者男性の感情が軟化し、最終的に双方が納得するかたちで示談を成立させることができました。
とはいうものの、少年の起こした殺人未遂事件は、刃物で切り付けるという非常に悪質性の高いもので、例え被害者との示談が成立しているとはいえ、少年院送致される可能性が十分に考えられました。
そこで弁護士は、少年の観護措置期間中も面会を繰り返し、少年審判に向けての対策を行うと共に、少年の更生に向けた取り組みを行ったのです。
そういった活動が評価されて、少年審判で、少年の保護観察処分が決定し、少年は家族のもとに帰ることができました。
成人であれば、初犯であっても実刑判決となる可能性が非常に高いであろう今回の事件で、保護観察処分を得れたことは、被害者との示談が成立したことよりも、少年が更生に向けて積極的な姿勢であったことが評価されたのではないでしょうか。