愛知県津島市で強制わいせつ

2021-01-02

強制わいせつについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県津島市に住むAさんは,自宅で友人の女性Vさんと飲んでいました。お酒が回ってきたAさんはおふざけのつもりでVさんの太ももを触りはじめました。Vさんが嫌がるそぶりを見せないことから行為はエスカレートし,お尻や胸を揉むなどした上,無理矢理キスしようとしたところで突如Vさんが激怒し,そのまま通報されてしまいました。Aさんは愛知県津島警察署に逮捕されてしまいました。Aさんは不起訴処分を得たいと考えています。
(フィクションです)

~強制わいせつ~

AさんはVさんの太ももを触り,ついでお尻や胸を揉み無理矢理キスしようとしました。
この行為は強制わいせつ罪(刑法第176条)に問われる可能性があります。

刑法第176条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする。

「わいせつな行為」とは,被害者の意思に反して他人から触れられたり見られたくない身体の一部に触れたりするなどして被害者の性的羞恥心を害し,かつ一般通常人でも性的羞恥心を害されるであろう行為のことをいいます。

具体的には,陰部や乳房,お尻や太ももなどに触れたりもてあそぶ行為,裸にして写真を撮る行為,無理矢理キスしようとする行為などが挙げられます。

強制わいせつ罪が成立するためには,わいせつな行為を行う手段としての暴行・脅迫が必要です。
この暴行・脅迫は被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければなりません。
ここで注意したいのは,実際に反抗されたとしても,客観的に反抗することが著しく困難であったと認められる限り強制わいせつ罪の成立は妨げられないということです。

強制わいせつ罪を含む性犯罪ではわいせつな行為と手段としての暴行・脅迫が必ずしも別個に存在しません。
例えば,陰部をもてあそぶというわいせつな行為に当たる行為が手段としての暴行としての性格をもつとして,強制わいせつ罪が成立するということもあります。

今回のケースでも,AさんがVさんに行った太ももを触る行為に始まる一連の行為は,強制わいせつ罪にいうわいせつな行為に当たるおそれがあります。
さらに,Vさんの置かれた状況などを考慮した結果,手段として反抗を著しく困難ならしめる程度の暴行・脅迫の存在が認められれば,Aさんが強制わいせつ罪に問われることが考えられます。

~不起訴~

不起訴とは,検察官が下す終局処分(その事件について起訴・不起訴を終局的に決める処分)の一種で,その意味は文字通り,起訴されないということです。以下,具体的にみていきましょう。
不起訴は,検察官が下す終局処分の一種です。したがって、不起訴を決めるは警察官でもなければ,裁判官でもなく,検察官です。検察官の元には,警察や検察の捜査で収集した証拠が全て届けられます。その証拠の中には,被疑者(犯人)にとって不利な証拠もあれば,有利な証拠も含まれています。したがって,検察官は,それらの証拠を総合的に判断して,事件を起訴するか,不起訴にするか判断できる立場にあるのです。

上記のとおり,起訴するか,不起訴にするかの判断は検察官に委ねられていますから,その判断の時期も検察官の判断(裁量)に委ねられます。
検察官は,捜査の過程で収集した証拠に基づいて終局処分を決めますし,証拠の収集には一定程度時間を要しますから,終局処分の判断までにも一定の時間を要します。ただし,身柄事件の場合は時間的制約がありますから,在宅事件に比べて証拠収集のスピードがあがり,その分,終局処分を下す時期も早くなります。

上記のとおり、検察官の元には捜査で収集した様々な証拠が集まります。検察官はそれらの証拠に基づき、起訴・不起訴の刑事処分を判断します。
ここで、検察官が

「証拠関係から裁判(起訴)しても勝てるけど、被疑者を許してやるか~」

と判断した場合は起訴猶予による不起訴となる可能性が高くなります。検察官ときくと感情がない冷徹なイメージかもしれませんがやはり人間です。情はもっています。
そこで、検察官の元に「被疑者を許してやるか~」と思わせるような証拠が集まれば起訴猶予による不起訴処分を獲得できる可能性があがります。
「被疑者を許してやるか~」と思わせるような証拠としてインパクトが大きいのがやはり示談書です。したがって、強制わいせつ罪で起訴猶予による不起訴を獲得するためには、検察官が起訴・不起訴の判断をする前に示談を締結し、示談書を検察官に提示する必要があります。

なお、検察官が

「証拠関係から裁判(起訴)しても勝てない」

と判断した場合は嫌疑不十分による不起訴となる可能性が高くなります。

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