未成年者誘拐罪で逮捕

2020-11-14

未成年者誘拐罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県小牧市に住む38歳の男性は、同市内に住む10歳の女の子を、同市内の路上で車に乗せて誘拐したところ、愛知県小牧警察署に未成年者誘拐罪で逮捕されてしまいました。2人はオンラインゲームのチャット機能を用いて知り合ったとのことです。

(フィクションです)

~未成年者誘拐罪~

未成年者略取誘拐罪は刑法224条に規定されています。関連する規定をご紹介します

刑法224条
 未成年者を略取し,又は誘拐した者は,3月以上7年以下の懲役に処する。

刑法229条
 第224条の罪(略)は,告訴がなければ公訴を提起することができない。

「略取」とは,略取された者の意思に反する方法,すなわち暴行,脅迫を手段とする場合や,誘惑に当たらない場合でしかも相手方の真意に反する方法を手段として,未成年者を自分や第三者の支配下に置くこと,「誘拐」とは,欺罔(騙すこと)や誘惑を手段として,他人を自分や第三者の支配下に置くことをいいます。「誘拐」と「略取」とをあわせて「拐取」ということもあります。
この暴行や脅迫,欺罔や誘惑は,必ずしも誘拐される未成年者に向けられる必要はありません。また,未成年者略取・誘拐罪の主体に制限はないため,未成年者の親族であっても未成年者誘拐罪の犯人となり得ます。ですから,例えば,未成年者の祖父が,その母親に対して,「ちょっと一緒に出掛けてくるから」などと言って,そのまま自宅に連れ去って家に帰さなかった,という場合にも未成年者誘拐罪が成立する可能性があるのです(もっとも,このような連れ去り行為が,例えば母親から虐待されている未成年者を保護するためであった場合など,子の利益に合致するという例外的な場合であれば,当該連れ去り行為は違法性を欠くとして,未成年者誘拐罪が成立しないこともあります。)

~監禁罪も成立する可能性~

男性が、女の子を車に乗せて脱出不可能にした行為は、監禁罪に当たる可能性もあります。

監禁罪は刑法220条に規定されています。

刑法220条
 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

「監禁」とは、人が一定の区域内から脱出することが不可能又は著しく困難にすることをいいます。そして、監禁といえるためには、被監禁者の自由の拘束が完全なものであることを要しないとされています。したがって、一応、脱出の方法がないわけではないけれども、生命・身体の危険を冒すか、又は常軌を脱した非常手段を講じなければ脱出できないような場合であれば監禁といえます。また、監禁罪の監禁は「不法」であることが必要です。したがって、正当な監禁は違法ではなく処罰されません。不法かどうかは、社会通念に従って判断されます。

監禁中に交通事故に遭い、被害者に怪我を負わせたり、被害者を死亡させた場合は監禁致死傷罪が成立する可能性があります。

過去の判例では、自動車の後部トランクに人を監禁していた状態で、路上停車していたところ、たまたま後続の自動車が前方不注視で時速約60kmのまま追突したことが原因で、トランクに監禁されていた被害者が死亡した事案で、監禁致死罪の成立が認められています(最高裁決定平成18年3月27日)。

監禁致死傷罪は刑法221条に規定されています。

刑法221条
 前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

つまり、監禁致死傷罪は、①監禁罪を犯すこと、②人を死傷させること、③①と②との間に因果関係が認められること、によって成立する犯罪です。
「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とは、致死罪の場合は「傷害致死罪」の例にならい「3年以上の有期懲役」、致傷罪の場合は、傷害罪(15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)と監禁罪とを比較した場合、上限は傷害罪が重く、下限は監禁罪の方が重いですから、「3月以上15年以下の懲役」に処せられる、ということです。

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