一宮市で、包丁を突き付けて財布を奪ったとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
事例
一宮市の路上で、Aさんは買い物袋を持って帰宅途中のVさんに背後から近づきました。
Aさんは突然包丁を取り出してVさんの前に立ちはだかり、「騒ぐな、金を出せ」と脅迫しました。
Vさんは恐怖のあまり立ちすくみ、現金が入っている財布を差し出しました。
Aさんは財布ごと奪うと、すぐに現場から走って逃げました。
通行人の通報により、一宮警察署の警察官が駆けつけ、防犯カメラ映像や目撃証言をもとにAさんを特定し、数日後に強盗罪で逮捕しました。
(事例はフィクションです。)
強盗罪とは
強盗罪については、刑法第236条第1項に以下のように規定されています。
「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期拘禁刑に処する。」
この条文が示すとおり、強盗罪が成立するためには「暴行または脅迫」を用いて、他人の財物を奪うことが必要です。
また、ここでの「暴行・脅迫」は、単に怖がらせる程度では足りず、「相手方の反抗を抑圧するに足りる程度」であることが必要です。
「反抗を抑圧するに足りる程度」の暴行・脅迫があったかは、被害者が実際に反抗できなかったかどうかではなく、行為自体が一般人にとって反抗できないものなのか、客観的に判断されます。
なお、判例(福岡高判昭63.1.28)によれば、強盗罪における暴行・脅迫は、暴行・脅迫によって被害者が完全に抵抗の意思を失う必要はなく、客観的に判断して相手方の犯行を抑圧するに足りると認められることを要すると判事しています。
今回の事例では、Aさんが包丁を突き付ける行為は、反抗を抑圧するに足りる暴行・脅迫に該当する可能性が高いといえます。
このように、暴行・脅迫という手段によって他人の占有する財物を取得した場合には、強盗罪が成立する可能性があり、少なくとも5年以上の有期拘禁刑という非常に重い刑罰が科されることになります。
加えて、強盗行為の中で被害者に怪我を負わせた場合には、強盗致傷罪(刑法第240条前段)が成立し、さらに重い処罰を受けるおそれもあります。
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