会社が管理している技術情報を持ち出したとして、不正競争防止法違反で逮捕された事件を参考に、不正競争防止法違反について解説します。
参考事件
豊田市に所在する自動車メーカーで技術職をしていたAさんは、技術情報を不正に持ち出した容疑で、愛知県豊田警察署に、不正競争防止法違反容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、自動車メーカーで勤務していたころに、会社のメールサーバーにアクセスし、自動車の製造に関する技術情報を社用アドレスから個人アドレスに送信した疑いがもたれていますが、Aさんは情報を持ち出した事実を認めていません。(フィクションです。)
不正競争防止法とは
不正競争防止法は、公正な市場競争を確保し、消費者の利益を守るための法律です。
具体的には、企業が他の企業の営業秘密を不正に取得、使用、または開示する行為を禁止しています。
また、不正に取得された情報を利用しての不当な取引や、他社の商品の模倣なども規制の対象となっています。
今回の参考事件は、不正競争防止法でいうところの「営業秘密の侵害」に該当します。
営業機密の侵害
営業機密の侵害が成立するにはその情報が、①秘密管理性②有用性③非公知性を備えている必要があります。
①秘密管理性
企業が秘密にしたい情報であることがわかる程度に管理されていること。
②有用性
技術上または営業上、有用な情報であること。
③非公知性
情報を管理している者以外が容易に入手できないこと。
「営業機密の侵害」の刑事責任は?
不正競争防止法では、営業機密の侵害に対して非常に厳しい刑事罰を規定しています。
その内容は、10年以下の懲役若しくは、2000万円以下の罰金で、懲役刑と罰金刑が併科される場合もあります。
また会社(法人)として、この違法行為を行った場合は、その会社(法人)に対しても刑事罰が科せられるおそれがあり、その内容は、5億円以下の罰金です。
愛知県の刑事事件に強い弁護士
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