監禁罪と監禁致死傷罪

監禁罪監禁致死罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市港区に住む会社員Aさんはある会社の社長ですが、同会社に勤務していたVさんが同会社の売上金を横領したものと疑い、Vさん方へ行きました。そして、AさんはVさんを呼び出し、Vさんに車さんをのトランクに入るよう命じましたがこれを拒否されたため、Vさんの胸倉をつかむなどし、「もっと痛い目にあいたいか。」などと言って、Vさんを無理やりトランクに入れ込みました。そして、Aさんは誰もいない山中へ向け車を走らせましたが、Vさんがトランクの中から110番通報し、愛知県港警察署のパトカーにこれを発見されたことから監禁罪の現行犯で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ 監禁罪とは ~

監禁罪は刑法220条に規定されています。

刑法220条
 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

「監禁」とは、人が一定の区域内から脱出することが不可能又は著しく困難にすることをいいます。そして、監禁といえるためには、被監禁者の自由の拘束が完全なものであることを要しないとされています。したがって、一応、脱出の方法がないわけではないけれども、生命・身体の危険を冒すか、又は常軌を脱した非常手段を講じなければ脱出できないような場合であれば監禁といえます。また、監禁罪の監禁は「不法」であることが必要です。したがって、正当な監禁は違法ではなく処罰されません。不法かどうかは、社会通念に従って判断されます。

~ 監禁中に交通事故に遭ったら? ~

監禁中に交通事故に遭い、被害者に怪我を負わせたり、被害者を死亡させた場合は監禁致死傷罪が成立する可能性があります。

過去の判例では、自動車の後部トランクに人を監禁していた状態で、路上停車していたところ、たまたま後続の自動車が前方不注視で時速約60kmのまま追突したことが原因で、トランクに監禁されていた被害者が死亡した事案で、監禁致死罪の成立が認められています(最高裁決定平成18年3月27日)。

監禁致死傷罪は刑法221条に規定されています。

刑法221条
 前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

つまり、監禁致死傷罪は、①監禁罪を犯すこと、②人を死傷させること、③①と②との間に因果関係が認められること、によって成立する犯罪です。
「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とは、致死罪の場合は「傷害致死罪」の例にならい「3年以上の有期懲役」、致傷罪の場合は、傷害罪(15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)と監禁罪とを比較した場合、上限は傷害罪が重く、下限は監禁罪の方が重いですから、「3月以上15年以下の懲役」に処せられる、ということです。

~ 取調べ対応なら弁護士に相談 ~

取調べは、プライバシー保護の観点からも第三者の目の届きにくい「密室」で行われます。取調べでは、取調官による怒号、威圧、人格を否定するかのような暴言、罵倒を浴びせるなどの行為が行われやすく、問題となることもしばしばあります。最近でこそ、取調べの録音録画といって、取調べの状況を録音録画し「取調べの可視化」への傾向は進みつつありますが、対象となる事件が一部に限られるなどまだまだ完全とは言えません。

このような中、ご相談者の中には、長時間の取調べ、繰り返される取調べによって精神的にまいってしまい、自分の意図したこととは違うことを話してしまったり、供述調書に書かれてしまったり、サインをしてしまったりする方もおられます。ただ、一度、供述調書にサインをしてしまうと、そこに書かれた内容を後で覆すことは大変な労力を必要とします。ですから、取調べ等に不安のある方は、一度、刑事事件の刑事弁護に優れた弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか??取調べに対するアドバイスはもちろん、正式な契約後は、警察に申入れを行ったり、場合によっては、実際に警察署まで付き添って取調べへの立会を要求したりします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、監禁罪監禁致死罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

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