私選弁護人と国選弁護人

私選弁護人と国選弁護人

私選弁護人国選弁護人について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します

~国選弁護人制度とは~

日本国憲法は第37条3項によって以下のように定めています。

日本国憲法第37条
3.刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

上記の条文から被告人国選制度は,憲法上の制度となりますから,刑事被告人が国選弁護人を依頼する権利は憲法上の権利であるといえるでしょう。

~刑事事件の流れ~

刑事事件の基本的な流れとしては,警察が第一次的捜査機関として捜査を担当します。
捜査の端緒としては被害届の提出,職務質問,警察官による現行犯人の視認などが挙げられます。
その後は,被疑者が逮捕されたか,逮捕されなかったかによって手続の流れが異なっていきます。

◇逮捕された場合◇

警察が被疑者を逮捕した場合,逮捕から48時間以内に身柄を検察官に送致しなければなりません(刑事訴訟法203条)。
検察官は送致された被疑者を受け取った時は弁解の機会を与え,留置の必要がないと思料するときは直ちに釈放し,留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取った時から24時間以内に裁判所に被疑者の勾留を請求しなければなりません(刑事訴訟法205条)。
勾留が裁判所に認められると検察官は請求の日から10日以内に起訴するか被疑者を釈放しなければなりません(刑事訴訟法208条1項)。
なお,裁判官はやむを得ない事由があると認めるときは,検察官の請求により,最長で10日間勾留期間を延長することができます(同条2項)。
刑事訴訟法37条の2は勾留に際して,被疑者国選弁護人選任制度を定めています。

第37条の2
被疑者に対して勾留状が発せられている場合において,被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは,裁判官は,その請求により,被疑者のため弁護人を付さなければならない。

この規定により,勾留された場合には国選弁護人の選任が可能となります

◇逮捕,勾留されなかった場合◇

逮捕もしくは勾留されなかった場合には在宅事件となります。
勾留された場合には刑事訴訟法上10日ないし20日の間に検察官は起訴するかどうかを決める必要がありますが,在宅事件の場合にはそのような制限はありません。
在宅事件では起訴された場合にも,在宅起訴という形で身柄拘束がされない場合も多くなっています。
在宅事件の場合は,起訴され刑事被告人となった時点で被告人国選制度の対象となりますので国選弁護人が選任されることになります。

~私選弁護人と国選弁護人のメリット・デメリット~

国選弁護人の最大のメリットとしては費用面での負担が少ないことが挙げられます。
デメリットとして,国選弁護人はいわゆる「法テラス」に登録している弁護士からランダムに選ばれるため,被疑者や被告人・ご家族が好きな弁護士を選ぶことが出来ません。
当然,弁護士は忠実に弁護活動を行いますが,場合によっては刑事弁護の経験の少ない弁護士が選任されてしまうこともあります。
また,弁護活動のスピードが命の刑事事件において,選任されるのが勾留後(基本的には勾留満期で起訴されてしまうでしょう)もしくは起訴後であるため,思い通りの弁護活動ができない可能性があります。
勾留から起訴までの期間は10日ないし20日しかなく,不起訴処分を獲得するためには短い期間で弁護活動をする必要があります

しかし,被害者の方と示談交渉をしようとしても被害者の方の都合が合わず,勾留期間内に示談交渉をすることができない可能性もあります
そのような場合には,起訴されてしまい,有罪判決を受け前科がついてしまう可能性が非常に高くなります。

一方で私選の弁護人であれば,勾留される前のみならず逮捕される前でも弁護活動が可能となります。
そのため,逮捕・勾留といった身柄拘束を回避する弁護活動が可能です。
また,ご自身で信頼できる弁護士を選任できるという点が国選弁護人と異なります。
逮捕勾留を回避することができれば,在宅事件で勾留された場合に比べ検察官が起訴するかどうかの判断までの期間が長いため,比較的余裕を持って示談交渉などに臨む事が可能です。
デメリットとしては,私選の弁護士の場合,国選弁護人と異なり報酬などを依頼者が負担しなければならない金銭面が挙げられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件の弁護経験の豊富な弁護士が所属しており,身柄拘束の回避,身柄解放,示談締結など多数の実績があります。
刑事事件を起こしてしまった場合には0120-631-881までご相談ください。
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