援助交際した後に「18歳未満だったかも?」と思った場合の対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市守山区に住むAさんは、援助交際専用サイトで女子高校生Vさん(17歳)と知り合いました。Aさんは、Vさんが援助交際専用サイトのプロフィールで「20歳」と表記しており、実際に会った際もVさんが「20歳」、「前日は飲み会が遅くまで飲み会があって眠たい」などと話していたことから、「Vさんは18歳未満ではなく、児童買春には当たらない」と思い、Vさんに現金3万円を渡した上でVさんと名古屋市内のラブホテルで性交しました。しかし、その後、AさんはVさんの容姿やVさんと交わした会話の内容を思い出すうち、「やはりVさんが18歳未満だったのではないか」と徐々に不安になってきてしまいました。そこで、Aさんは逮捕されてしまうのか、逮捕されないためには今何をすべきかなどを尋ねるため、援助交際に詳しい弁護士に無料法律相談を申し込むこととしました。
(フィクションです。)
Vさんが18歳未満だった場合に成立し得る罪
本件で、Vさんが18歳未満だった場合に成立し得る罪は児童買春の罪です。
児童買春罪は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。
(児童買春)
第四条
児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
なお、法律2条1項では「児童」を「18歳に満たない者」、法律2条2項では、「児童買春」を児童などに対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすること、と定義されています。
行為時に、相手が18歳未満であることの認識(故意)が必要
児童買春の罪が成立するには、行為時に、相手が18歳未満であることの認識(故意)が必要です。
もっとも、認識の程度は「18歳未満だ!」と確定的に認識している場合のみならず、「もしかしたら18歳未満かもしれない」という程度の認識(未必の故意)でも足りる(18歳未満の認識あり!)とされています。
上記の認識はあくまで「行為時」に存在していることが必要です。したがって、行為時には確信をもって「18歳未満ではない」と思いながら性交したものの、後になって「やっぱり18歳未満だったかもしれない」と思ったとしても、基本的に児童買春の罪は成立しない、ということになります
Aさんは逮捕される!?
Aさんはいつ警察に逮捕されないか不安な日々を送られていることでしょう。
しかし、児童買春の罪の時効期間(性交時から5年)が経過しない間は逮捕される可能性は多かれ少なかれ残されていると言わざるを得ません。残念なことに、ときに警察は「逮捕すれば自白するだろう」との思いから見切り発車で逮捕する、ということも少なくありません(もっとも、行為から時が経てば経つほど、事件関係者の記憶は薄れ、徐々に他の証拠も少なくなっていきます。そうすると、捜査機関側は児童買春の罪の成立を証明することが難しくなりますから、行為から時が経てば経つほど逮捕される可能性は低くなるということはできます)。中にはなかなかあなたの主張に耳を傾けようとしない警察官、検察官もいます。それだけならまだしも、虚偽の自白を迫るかのような発言、取調べをしてくる警察官、検察官がいまだにいることにも注意が必要です。逮捕されると、緊張と不安から、なかなか思い描いていたような主張ができなくなるものです。
そこで、逮捕されるかどうかは分かりませんが、万が一の場合に備えて事前の対策を取っておくことが必要です。具体的には、まずあなたの主張を固めることです。
なぜ、あなたが相手を18歳未満だと思わなかったのか、その理由付けが大切です。そして、その理由が不自然でないか不合理でないかきちんと検証しましょう。たとえば、Aさんの「Vさんが(性交前に)「前日は飲み会が遅くまで飲み会があって眠たい」と言っていたことから18歳未満だとは思わなかった」というのは不合理な理由付けではありませんから、きちんと主張していくべきでしょう。また、その他、あなたが相手を18歳未満ではないと思った裏付けとなる証拠(援助交際専用サイトのプロフィールのスクリーンショットなど)はできる限り保存しておくべきです。
最後に弁護士に相談することです。弁護士に相談すれば、あなたの今置かれた現状に応じて具体的なアドバイスを得ることができます。時間と予算が許す限り、複数の弁護士へ相談した方が様々な意見が聞けてよいかと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、援助交際・児童買春の罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。