商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行った場合の法定刑は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金又は懲役と罰金の併科です(商標法第78条の2)。
商標権又は専用使用権を侵害した場合の法定刑は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金または懲役と罰金の併科です(商標法第78条)。
商標法違反罪の概説
ブランドやメーカーのロゴ・マークを勝手に使ったり、コピー商品や偽ブランド品を製造、販売、所持する行為は商標法違反による刑事処罰に問われることになります。
コピー商品や偽ブランド品の所持については自己使用目的であれば処罰の対象にはなりませんが、所持していたコピー商品や偽ブランド品を他人に販売したり、あげたりした場合は処罰の対象となるので注意が必要です。
最近は、インターネットオークションなどを利用することで、個人であっても簡単にコピー商品や偽ブランド品を販売することが可能になったため、業者だけでなく個人であっても商標法違反で摘発される事例が増加しています。
また、コピー商品や偽ブランド品であることを隠して販売していた場合には、別途詐欺罪に問われる可能性も出てきます。
商標法違反で刑罰を受ける場合、得た利益額又は与えた損害額が多額であったり、犯行が組織的で悪質性が高かったり、犯行を主導していた場合には刑務所に行かなければならない実刑判決の可能性が生じます。
商標法違反事件の最適弁護プラン
1 不起訴処分又は無罪判決になるよう主張
身に覚えがないにも関わらず、商標法違反の容疑を掛けられてしまった場合、弁護士を通じて、警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して、不起訴処分又は無罪判決になるよう主張する必要があります。
この場合、アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出したり、商標法違反を立証する十分な証拠がないことを指摘したりすることが重要になります。
例えば、コピー商品や偽ブランド品の所持目的が自分で使うためであったことや、コピー商品や偽ブランド品であることに気付かなかったことなどを客観的な証拠から主張していくことなどが考えられます。
2 被害弁償及び示談交渉を行うことが急務
商標法違反に争いのない場合、弁護士を通じて、被害者への被害弁償及び示談交渉を行うことが急務になります。
商標法違反事件については、被害金額が大きくなく同種前科がなければ、示談の成立により起訴猶予による不起訴処分を目指すことも可能です。
起訴猶予による不起訴処分となれば前科はつきません。
また、商標法違反事件では、被害者との間で、被害弁償及び示談を成立させることで、逮捕・勾留による身柄拘束を回避して早期に職場復帰や社会復帰が出来る可能性を高めることができます。
3 執行猶予付きの判決を獲得するための弁護活動
商標法違反を認めて裁判になった場合でも、被害弁償及び示談を成立させることで、執行猶予付き判決の可能性を大きく高めることが出来ます。
また、商標法違反事件については、犯行動機や犯行手口、利益又は被害額、共犯者間における立場、同種前科の有無などを慎重に検討して、裁判所に対し適切な主張と立証を行って、裁判において執行猶予付きの判決を獲得するための弁護活動を行っていくことになります。
4 身柄拘束を解くための弁護活動
商標法違反で逮捕・勾留されてしまった場合には、事案に応じて、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張し、釈放や保釈による身柄拘束を解くための弁護活動を行います。