【裁判紹介】強制わいせつ事件の裁判を紹介

強制わいせつ事件の裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

小学校の担任教諭として受け持っていた女児(当時13歳未満)の体を触ったとして強制わいせつ罪に問われた被告人の男に対し、名古屋地裁は、「教師の立場を悪用し、悪質性は際立っている」として、懲役1年(求刑・懲役1年6月)の判決を言い渡した。
事件の目撃者はおらず、女児の証言の信用性が争点となった。弁護側は女児の証言に不自然な点があるなどと主張、無罪を訴えていた。
(読売新聞「教え子の9歳女児の下半身触った元担任教諭に懲役1年の実刑判決…名古屋地裁」(2022/5/10)を引用・参照)。

~13歳未満に対するわいせつ行為~

刑法176条前段は、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する」と規定しています。
これが、強制わいせつ罪の原則形であり、「わいせつ」行為は、「暴行又は脅迫」を手段として行われる必要があります。
もっとも、同条後段は、「13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする」としており、被害者が「13歳未満」である場合には、「わいせつ」行為それ自体のみで強制わいせつ罪が成立しうる点に注意が必要です。

~強制わいせつ事件における裁判例と弁護活動~

本事案では、被害者である女児の証言の信用性が争点とされましたがその信用性を認め、被告人に実刑判決が下されています。
他方で、13歳未満の年少の被害者の供述の信用性が認められず、無罪となった事例も存在します。
裁判例では、年少者の供述には周囲の影響を受けやすいといった特質があることや、被害者が被害にあったとされる後も被告人とじゃれ合っていたことなどの客観的事情との整合性等から、供述の信用性に疑義があるとされています。
したがって、弁護士としては、被害者が年少者である場合にはその供述の信用性を慎重に吟味する必要があり、特に他の非供述証拠が乏しい場合にはこの点に関する判断が判決の内容を大きく左右することになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、強制わいせつ事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
強制わいせつ事件で逮捕・起訴された方のご家族等は、24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

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