勤務先に侵入、窃盗行為を行った事件につき、示談を成立させ不起訴処分となった解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事件の概要】
Aさん(40代男性)は、夜中に勤務先である愛知県東海市にある衣料品店に合い鍵を使って侵入し、店舗内にある衣料品を盗み、これをインターネットオークションで売りました。
Aさんは愛知県東海警察署に建造物侵入罪と窃盗罪で逮捕、勾留されました。
Aさんの奥様は、「我が家には多額の借金があり、夫は追い詰められていました。警察にお世話になるのは今回が初めてで、これからどうなるのかとても不安です。」と大変心配されていました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)
【建造物侵入と窃盗について】
建造物侵入罪とは、刑法第130条に規定があり
正当な理由なしに住居以外の他人の建造物や艦船に入り込む犯罪のことをいいます。
今回のように、窃盗目的で店舗に侵入したり、盗撮目的で施設や店舗に入りトイレにカメラを仕掛けたりしても、建造物侵入罪は成立します。
法定刑は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」です。
窃盗罪とは、刑法第235条に規定があり
他人の財物を窃取する(盗む)犯罪のことをいいます。
法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
【弁護活動について】
被害店舗様が示談交渉に応じてくださりましたので、示談交渉を行いました。
その結果、示談が成立し、被害店舗様より「Aさんから謝罪と賠償を受けたためAさんを許す」「検察官にはAさんに対して刑事処分をしないで欲しい」「被害届を取り下げる」などの意向を書面で頂くことができました。
それらを検察官に提出したところ、Aさんは釈放され、不起訴処分となりました。
【窃盗事件における示談について】
窃盗事件における示談とは、被害額の弁償や慰謝料を払うことで、窃盗事件を起こしたことに対して被害者に許してもらう契約のことをさします。
示談を成立させることは窃盗事件の被疑者側にとって、とても大きな意味を持ち、
①窃盗事件で逮捕・勾留中の場合、釈放される可能性が大きくなる
②不起訴となる有利な事情として作用する可能性が高い
③裁判になった場合でも、執行猶予付判決となったり、刑が軽くなる可能性が高くなる
④窃盗事件の当事者間で、今後の民事的紛争が回避できる可能性が高くなる
などのメリットがあります。
しかし、当事者間で直接示談交渉を行うことは、被害者が示談に応じてくれない、感情的になり交渉がとん挫してしまう、などのデメリットがあります。
被害者様との示談交渉は、刑事事件を多数取り扱ってきた弁護士に依頼するのがよいでしょう。
【建造物侵入事件、窃盗事件の法律相談】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、建造物侵入や窃盗などの刑事事件に関する法律相談を無料で承っております。
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