大麻取締法違反事件(栽培)において、弁護活動により不起訴処分を獲得した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【事案の概要】
Aさんは愛知県蒲郡市にある実家で、大麻草を栽培したとして、愛知県蒲郡警察署において逮捕・勾留されていました。
Aさんの妻は相談時、「確かに夫は6年前、当時住んでいた夫の実家の庭で大麻を栽培して逮捕されました。しかし今は、大麻とは縁を切って暮らしています。今は家族で夫の実家近くのマンションで暮らしており、夫の実家の庭に大麻が生えているとは、私も夫も全く知りませんでした。」とお話しされました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
【大麻とはどのようなものですか?】
大麻とは、植物の大麻草から作られるもので、様々な名称で呼ばれています。
精神的依存性があり、日本では、法律(大麻取締法)により規制されています。
名称の例として、葉っぱ、マリファナ、グラス、チョコ、ハシッシュ、ハシッシュオイル、野菜、ヘンプなどがあります。
「大麻取締法」では、無免許・無許可での栽培、輸出入、所持、譲渡、譲受等について罰則を設けており、
その他にも「麻薬特例法」による規制もあります。
大麻による悪影響として
①知覚機能への悪影響
②大麻精神病
③短期記憶、学習機能への悪影響
④運動機能への悪影響
⑤身体的な悪影響
などがあります。
【法定刑など】
①輸出・輸入・栽培
・営利目的がない場合
法定刑は7年以下の懲役です。通常の公判手続に付されます。
・営利目的がある場合
法定刑は10年以下の懲役で、情状により300万円以下の罰金が併科されます。
通常の公判手続に付されます。
②譲渡・譲受・所持
・営利目的がない場合
法定刑は5年以下の懲役です。
通常の公判手続に付されます。
・営利目的がある場合
法定刑は7年以下の懲役で、情状により200万円以下の罰金が併科されます。
通常の公判手続に付されます。
【弁護活動について】
Aさんに、警察署での接見時に詳細を伺ったところ、
実家の庭で栽培していた大麻は、前回の裁判後に全て刈り取りました。
その後結婚して忙しくなり、実家にはほとんど帰っていませんでした。
実家の庭は荒れてしまい、雑草が生い茂っていて、大麻がまた生えていたことにも気づきませんでした。
とAさんは話されました。
弁護士はAさんのこの主張や、この状況が管理された栽培とは到底考えられない、今回発見された大麻草は5本程度、Aさんには大麻草が生えているという認識すらない
ことを検察官に文章で提出したところ、Aさんは不起訴処分となりました。
【まとめ】
大麻取締法違反事件は、故意犯です。
そのため、犯行時それが大麻という違法薬物であることの認識があったかどうかが大きなポイントになります。
大麻などの薬物の存在に気づいていなかった、違法薬物であることを認識していなかった場合には、そのような事情を客観的な証拠に基づいて主張・立証していくことになります。
このような主張が認められた場合、Aさんのように大麻所持などの犯罪が成立しないとして、不起訴処分などを勝ち取ることができる可能性が高くなるのです。
このような主張・申立ては、法律の専門家である刑事事件・薬物事件に強い弁護士に、ぜひお任せください。
このコラムをご覧の方で、薬物事件・大麻取締法違反事件で捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
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