愛知県東浦町のわいせつ事件 不同意わいせつ致傷罪で保育士が逮捕

愛知県東浦町の路上で女性の身体を触り怪我をさせたとして、保育士の男が不同意わいせつ致傷罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

事件内容(11月28日配信の中京テレビ記事を引用

11月7日、愛知県東浦町の路上で、面識のないの女性の体を触るなどわいせつ行為をし、女性にけがをさせたとして、保育士の男が不同意わいせつ致傷罪で警察に逮捕されました。
警察は現場周辺の防犯カメラ映像を解析して逮捕された男の関与を裏付けたようで、逮捕された男は「ストレスでむしゃくしゃしてやった」と容疑を認めているようです。
また周辺では、この事件の他にもわいせつ事件やひったくり事件が起きており、警察は、これらの事件にも逮捕された男が関わっているのではないかと疑っているようです。

不同意わいせつ罪

強制性交等罪や、強制わいせつ罪が、今年7月の刑法改正で不同意性交等罪や、不同意わいせつ罪となりました。
これまで強制性交等罪や強制わいせつ罪が成立するには、性交やわいせつ行為に及ぶ際に、暴行や脅迫によって相手の抵抗を抑圧する必要がありましたが、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪の成立には必ずしもそういった要件は必要ありません。
不同意わいせつ罪は、簡単にいうと、相手の同意なくわいせつな行為に及ぶと成立する犯罪です。
ここでいう「相手の同意がない」とは、相手がわいせつ行為に対して同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態を意味します。
これまでの強制わいせつ罪は、暴行や脅迫をもちいてわいせつ行為に及ぶと成立していたので、その判断基準は明白でしたが、不同意わいせつ罪は、被害者の同意があったか否が判断基準となるため、被疑者と被害者の二人きりで発生した不同意わいせつ事件の場合は、被害者の供述以外に客観的な証拠が乏しくなる可能性があるでしょう。

同意がないとは

不同意わいせつでいうところの「同意がない」とは、相手(被害者)がわいせつ行為に対して同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態を意味します。
条文には、この同意がない状況を8つの項目に分けて明記しています。

①暴行・脅迫を用いた性交等

②心身の障害を用いた性交等
 
③アルコール・薬物の影響を用いた性交等

④睡眠その他の意識不明瞭を用いた性交等

⑤同意しない意思の形成・表明・全うするいとまがない状態

⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させた性交等

⑦虐待に起因する心理的反応を用いた性交等

⑧経済的・社会的関係上の地位を用いた性交等

不同意わいせつ致傷罪

ここまでで解説した不同意わいせつ行為で、相手に傷害を負わせると不同意わいせつ致傷罪となります。
不同意わいせつ致傷罪は、これまでの強制わいせつ致傷罪と同じく、起訴されると裁判員裁判で刑事裁判が行われ、ここで有罪が確定すると「無期又は3年以上の懲役」が科せられます。
被害者が軽傷であれば執行猶予の獲得もできるでしょうが、傷害の程度や、事件の内容によっては初犯であっても実刑判決が言い渡される可能性があるので注意が必要です。

わいせつ事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、これまで数多くのわいせつ事件の弁護活動を行ってきた実績がある法律事務所です。
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