痴漢のうち不同意わいせつ(旧 強制わいせつ)罪にあたる場合の法定刑は、6月以上10年以下の懲役です(刑法第176条)。
痴漢のうち迷惑防止条例違反にあたる場合の法定刑は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金です(愛知県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)。
迷惑防止条例違反にあたる痴漢の法定刑は各地方自治体によって異なります。
痴漢の概説
痴漢は、行為態様により、不同意わいせつ(旧 強制わいせつ)罪又は迷惑防止条例違反として処罰されます。不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)の場合は法定刑に罰金刑が定められていないため、起訴されれば正式裁判で拘禁刑(改正法施工前は懲役刑)となります。
どの痴漢行為が刑法の不同意わいせつ(旧 強制わいせつ)罪にあたり、どの痴漢行為が迷惑防止条例違反なのかについては、法律上明確な区別がなされているわけではありませんが、接触行為の強度や相手方に与える恥辱感の大きさが区別のポイントになります。
具体的には、無理矢理キスしたり下着の中に手を入れて直接隠部を触ったりする痴漢行為の場合は刑法の不同意わいせつ(旧 強制わいせつ)罪、服の上から触る痴漢行為の場合は迷惑防止条例違反になるのが一般的です。
ただし、服の上から触る痴漢行為でも、無理矢理抱きついたり胸や尻を無理矢理揉んだりする痴漢行為は不同意わいせつ(旧 強制わいせつ)罪になることがあります。
痴漢冤罪
満員電車などの混雑した場所や明かりの少ない夜道などの暗い場所では、誤認逮捕による痴漢冤罪(無実の罪)が発生しやすくなります。
被害者が、偶然の身体接触を痴漢行為と勘違いすることや、犯人でない人を痴漢犯人と見間違えてしまうことが多くなるからです。
このような場における痴漢事件では、犯行または犯人を特定するための証拠が少なく被害者の供述のみが重要な証拠とされることが多い一方で、誤認逮捕された容疑者が早く釈放されたくて嘘の自白をしてしまうことが主な原因となっています。
痴漢事件の最適な弁護プラン
1 即、弁護士を呼ぶ
痴漢行為を行っていないにもかかわらず痴漢事件の容疑をかけられて逮捕又は捜査されてしまった場合は、すぐに弁護士を呼んで下さい。
痴漢冤罪を防ぐために、あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕後すぐに逮捕された本人のもとへ接見に向かい、嘘の自白をしないよう取調べについての対応をアドバイス致します。
また、独自の捜査によって、目撃者や客観的な証拠を探し出すことで、被害者の供述が信用できないことを主張していきます。
2 起訴前でも起訴後でも示談
実際に痴漢行為をしてしまった場合でも、起訴前に示談をすることによって、不起訴処分により前科がつかなくなる場合があります。
また、示談をすることで釈放の可能性も高まりますので、示談によって早期の職場復帰・社会復帰を図ることもできます。
起訴前でも起訴後でも、被害弁償と示談の有無及び被害者の処罰感情が処分に大きく影響することになるので、弁護士を介して納得のいく示談をすることが重要です。
3 逮捕後の早い段階で弁護士と面会
痴漢事件で逮捕されても、適切な取調べ対応と弁護活動によって早く留置場から出ることができます。
痴漢事件で逮捕された方が早く留置場から出るためには、逮捕の後に勾留されないことが大切です。
勾留を阻止するためには、逮捕後の早い段階で、弁護士と面会して取り調べ対応を協議し、身元引受人の協力を得ることが大切です。
その上で、弁護士から検察官や裁判官に対して、本人の反省と二度と痴漢をしない旨を主張し、釈放してもらうよう働きかけます。