岐阜市のストーカー規制法違反事件

岐阜市の嫌がらせ行為

~ケース~

岐阜市在住の大学2年生のAさんは所属ゼミの発表の際,Vから自分の間違いを指摘され恥をかいたことからVさんに恨みをもつようになった。
AさんはVさんへの恨みから無言電話やVさんのSNSアカウントへの誹謗・中傷の書き込みやメッセージ,メールなどを送っていた。
また,AさんはVさんを困らせてやろうと思い,Vさんの自宅の前に鳥や猫の死骸,汚物などを置いたりしていた。
怖くなったVさんは岐阜県警察岐阜南警察署に相談し,SNSへの書き込みアカウント等から一連の嫌がらせ行為はAさんによるものと判明し,Aさんは岐阜県警察岐阜南警察署ストーカー規制法違反の容疑で逮捕された。
(フィクションです)

~嫌がらせ行為~

Aさんの行っている行為は世間一般にいわれる「ストーカー行為」であると考えられます。
ストーカー行為はストーカー行為等の規制等に関する法律(通称:ストーカー規制法)によって定められており以下の行為がストーカー行為となります

1.住居,勤務先,学校その他通常所在場所でのつきまとい,待ち伏せ,進路立ちふさがり,見張り,押しかけ,付近をみだりにうろつく
2.監視している旨の告知等
3.面会・交際・その他義務のないことを行うことの要求
4.著しく粗野な言動,著しく乱暴な言動
5.無言電話,拒絶後の連続した架電,またはファックス・電子メール・インスタントメッセージ・SNS等の送信やブログ等への返信等
6.汚物・動物の死体ほかの送付等
7.名誉を害する事項の告知等
8.性的羞恥心を害する事項の告知等,性的羞恥心を害する文書,図画,電磁気的記録の媒体ほかの送付等,性的羞恥心を害する電磁気的記録ほかの送信

ただし,1 – 4と、5のうち拒絶後の連続した電子メール・インスタントメッセージ・SNS等の送信やブログ等への返信等については,「身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る」(2条2項、2016年改正同3項)。なお,5のうち無言電話,拒否後の連続した架電またはファックスの送信については,この限定はありません。

AさんはVさんに対して無言電話やSNSアカウントへの誹謗・中傷の書き込み,メッセージやメールを送信し,そしてVさんの自宅前に動物の死骸や汚物を置いたのですから上記5および6に該当するものといえそうです。
しかしストーカー規制法は「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で,当該特定の者又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し」行われた上記行為をつきまとい等(ストーカー行為)としています(2条1項)。
今回のケースで,AさんはVさんに対して恨みの感情から嫌がらせ行為をしています。
恋愛感情に起因するものではないのでストーカー規制法が規定する目的とはならず,ストーカー規制法違反とはなりません。

しかし,近年このような恋愛感情に起因せずストーカー規制法違反とならない事案について,各都道府県が迷惑行為防止条例によって規制することで対処しています。

そのため,Aさんの行為は都道府県の迷惑行為防止条例で処罰される可能性があります。
罰則については愛知県の場合はストーカー規制法と同様の1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。

~実刑回避~

ストーカーなどの嫌がらせ行為は事案ごとにその内容が異なり,終局処分も事案ごとに異なっています。
また,被害者の方と示談が成立しているかどうかも終局処分に大きな影響を与えます。

今回のような事案では被害者の方と示談が成立すれば,場合によっては起訴猶予処分となる可能性もあります。
また,示談が成立していれば略式手続きでの罰金刑や執行猶予付きの判決となる可能性は非常に高くなります。
ただ,ストーカーや嫌がらせの場合,加害者の方が被害者の方と示談交渉をするのは非常に困難です。
そのような場合でも弁護士が間に入ることによって示談交渉ができる可能性が高くなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
ストーカー行為や嫌がらせ行為をしてしまい、ストーカー規制法違反や迷惑防止条例違反に問われてお悩み・お困りの方は0120-631-881までご相談ください。
初回接見・無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
岐阜県警察岐阜南警察署までの初回接見費用:40,000円)

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