羽島市で身代金目的等誘拐罪に問われたら
~ケース~
お金に困っていたAさんは、身代金を得る目的で羽島市にある甲会社社長のVさんを誘拐した。
Vさんが行方不明になったことを知った甲社の副社長Bさんは、岐阜県警察岐阜羽島警察署に連絡し、Vさんの捜索が開始された。
Aさんは誘拐したVさんから話を聞くと、甲社にあまり財産がないということを知った。
高額な身代金を期待することが出来なくなり失望したAさんは、Vさんを甲社の近くにて解放した。
その後、Aさんは岐阜県警察岐阜羽島警察署の警察官に逮捕された。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの家族は、刑事事件に強い法律事務所に初回接見を依頼した。
(事実を基にしたフィクションです)
~身の代金目的誘拐罪とは~
身代金目的誘拐罪と身代金目的拐取罪については、刑法第225条の2において、「近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は3年以上の懲役に処する。」と規定されています。
身金目的誘拐罪における誘拐とは、欺罔・誘惑を手段として、人を生活環境から不法に離脱させて、自己・第三者の事実的・実力的支配化におくことをいいます。
一方、暴行・脅迫を手段とした場合、身代金目的拐取罪となります。
身代金目的略取罪、身代金目的誘拐罪は、昭和39年の刑法一部改正で追加されました。
身代金目的略取罪、身代金目的誘拐罪が追加されるまでは、身代金目的の誘拐等は、営利目的誘拐罪、営利目的略取罪で処罰されていました。
さらに、身代金の要求は、恐喝罪で処罰されていました。
ただし、身代金目的略取罪、身代金目的誘拐罪は結果として被害者が殺害されてしまうことが多く、その危険性、残酷性が極めて高いことから、営利目的誘拐罪、営利目的略取罪より重い刑罰を科す必要が考慮され、身代金目的略取罪、身代金目的誘拐罪が新設されました。
身代金目的誘拐罪となった場合、無期若しくは3年以上の懲役刑となります。
~「安否を憂慮する者」とは~
身代金目的略取罪、身代金目的誘拐罪が成立するためには、「略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐」することが必要ですが、どの範囲の人が「安否を憂慮する者」に当たるのかが問題になります。
身代金目的誘拐罪、身代金目的拐取罪における「安否を憂慮する者」とは、子を誘拐された親といった近親者が代表例ですが、上記のケースのように会社社長を誘拐した場合の、会社の社員らもこれにあたる可能性があります。
上記のケースと似た事案として、銀行の社長が誘拐され、会社の幹部に身代金の要求があった事例で、本罪の成立を認めた裁判例があります(最高裁決定昭和62年3月24日)。
この判決の中では、近しい親族関係その他これに準ずる関係があり、親身になって心配する立場にある者であれば、「安否を憂慮する者」にあたるとされています。
~刑の減軽のために~
懲役刑に処されれば会社や学校に行けなくなり、退社や退学をさせられる可能性が高いです。
ですので、懲役の期間を少しでも短くするため、刑の減軽処分の獲得が重要となります。
誘拐者自身が誘拐された者を安全な場所に解放した場合には刑が必要的に減軽されます。
本罪におけるAさんにも刑が減軽されると思われます。
加えて、犯行が悪質でなかったこと、Aさんが犯行に至った経緯などを調べ、的確に裁判官に訴えかけることが出来れば、情状酌量による刑の減軽の獲得する可能性を高まることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事事件を専門に取り扱う弁護士が多数罪責しております。
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(岐阜県警察岐阜羽島警察署への初回接見費用 39,400円)