ひき逃げの法定刑は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金です(道路交通法第117条2項)。
あて逃げの法定刑は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金です(道路交通法第117条の5)。
ひき逃げ・当て逃げの概説
「ひき逃げ」とは、自動車やバイクなどの運転中に人身事故・死亡事故を起こした場合に、負傷者の救護義務や危険防止措置義務を怠って、事故現場から離れる犯罪行為です。
「当て逃げ」とは、物損事故を起こした場合に、危険防止措置義務を怠って、事故現場から離れる犯罪行為です。
ひき逃げ・当て逃げ事件では、事故現場から逃走したまま放置すると、逃亡のおそれがあるとして警察により逮捕・勾留されてしまう可能性が高まります。
また、ひき逃げは人身事故・死亡事故を前提としているため、ひき逃げの多くのケースでは自動車運転死傷行為処罰法における過失運転致死傷罪(従来の自動車運転過失致死傷罪)又は危険運転致死傷罪でも処罰を受けることになります。
死亡事故や怪我の程度が重い人身事故におけるひき逃げの場合には、執行猶予の付かない実刑判決の可能性が極めて高くなります。
なお、交通事故について自分の無過失が明らかな場合でも、負傷者を救助しないことや危険防止措置を取らないことは許されず、ひき逃げ・当て逃げで処罰されます。
ひき逃げ・当て逃げの最適弁護プラン
1 弁護士を通じて不起訴処分又は無罪判決を
身に覚えがないにも関わらず、ひき逃げ・当て逃げの容疑を掛けられてしまった場合、弁護士を通じて、アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出したり、ひき逃げ・当て逃げを立証する十分な証拠がないことを指摘したりすることで不起訴処分又は無罪判決を目指します。
2 不起訴処分又は無罪判決を目指す弁護活動
実際に事故を起こしたのに車を停止しなかった(事故現場を離れてしまった)場合でも、交通事故を起こしたことに気付いていなかったのであれば、ひき逃げ・当て逃げは成立しません。
客観的な証拠に基づく運転状況や被害者の行動、現場の状況等から、事故発生を認識するのが困難であったことを主張・立証することで、不起訴処分又は無罪判決を目指す弁護活動を行います。
3 警察への任意出頭および被害者又は遺族への被害弁償及び示談交渉
ひき逃げや当て逃げの成立に争いのない場合、警察への任意出頭および被害者又は遺族への被害弁償及び示談交渉を行うことが急務になります。
当て逃げや人身事故でのひき逃げについては、警察への任意出頭および示談の成立により、起訴猶予による不起訴処分又は略式請求による罰金処分(正式裁判は行われない)を目指すことも可能です。
起訴猶予による不起訴処分となれば前科はつきません。
また、ひき逃げや当て逃げでは、警察への任意出頭や被害弁償・示談をすることで、逮捕・勾留による身柄拘束を回避して早期に職場復帰や社会復帰が出来る可能性を高めることができます。
4 大幅な減刑及び執行猶予付き判決を目指す
ひき逃げや当て逃げで裁判になった場合でも、被害者や遺族との間で被害弁償又は示談をしたり、運転の態様や不注意(過失)の程度などから被告人に有利な事情を主張・立証することで、大幅な減刑及び執行猶予付き判決を目指すことが出来ます。
5 身柄拘束を解くための弁護活動
ひき逃げや当て逃げで逮捕・勾留されてしまった場合には、事案に応じて、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張し、釈放や保釈による身柄拘束を解くための弁護活動を行います。