【解決事例】国家公務員の窃盗(万引き)事件 身分剥奪を回避した事例

国家公務員の窃盗事件で、身分剥奪を回避した事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事件の概要】

国家公務員のAさん(20代男性)は、名古屋市瑞穂区にある100円均一ショップで、500円相当の商品を万引きしたところ警備員に捕まり、その後愛知県瑞穂警察署において在宅で取調べを受け、名古屋地方検察庁に事件を送致されていました。
Aさんは「私は万引きで捕まるのは2回目です。私は国家公務員ですので、もう今回の事件で仕事を辞めさせられるのでしょうか」と相談時にお話されました。
(実際に起こった事件をもとに、一部変更を加えています。)

【公務員の身分と事件について】

公務員の方は、事件で逮捕・検挙されたら公務員を辞めさせられてしまうのではと、不安に思われると思います。
しかし、法律上は逮捕・検挙されただけで直ちに公務員を辞めさせられることにはなっていないのです。

①国家公務員の場合
国家公務員の場合、国家公務員法76条・38条2号に規定があります。
そのなかには、起訴されて有罪判決を受け、禁錮以上の刑に処せられた場合、執行猶予付きの判決であってもその職を失うことになる、とあります。。
懲戒処分等の必要はなく、当然に失職することになっています。
また、起訴された場合は国家公務員法79条2項2号に規定があり、そのなかには、その意に反して休職させられることがあるとあります。

②地方公務員の場合
地方公務員の場合も、地方公務員法28条4項・16条2号に規定があります。
そのなかには、起訴されて有罪判決を受け、禁錮以上の刑に処せられた場合、執行猶予付きの判決であってもその職を失うこととなっています。
ただし、「条例に特別の定がある場合を除く外、」と定めがあり、条例に特例がある場合は、地方公務員の職を失わないことがあります(各都道府県の職員の分限に関する条例など)。
また、起訴された場合は、地方公務員法28条2項2号に規定があり、そのなかには、その意に反して休職させられることがあるとあります。

以上のように、国家公務員でも地方公務員でも、法律上は逮捕・検挙されただけで失職することはありません。

【事実上辞めなければならない可能性】

しかし逮捕、勾留されてしまうと、出勤することができなくなってしまいます。
逮捕されてもすぐに家族に連絡ができるとは限らないため、無断欠勤が続けば、公務員に必要な適格性を欠くと判断されて免職処分を受ける可能性もゼロではありません。
そもそも、逮捕されたことが勤務先に知られること自体が、その後の勤務を続けづらくする可能性があります。
さんは
逮捕されることが無くても、刑事事件を起こした疑いをもたれて、取調べを受けるなど捜査されていることが勤務先や学校などの周囲に知られてしまえば、周囲から疑いの目を向けられ、これまでのように仕事を続けることができなくなるかもしれません。

【弁護活動】

被害店舗様に示談の申し入れをしたところ、快く受けてくださりました。
その後、示談交渉を行った結果、「Aさんは被害店舗様に深く謝罪したうえで、示談金として6万円をお支払いし、被害店舗様はAさんを許す」という内容の示談を締結することができました。
その結果、Aさんは公訴を提起しない処分(不起訴処分)となりました。

不起訴処分は、起訴をされることなく(裁判に進むことなく)事件が終了する処分のことですので、Aさんは職を失うことは無く、休職となることもありませんでした。
また、事件については職場に知られることもなく、Aさんは事件後も以前と同じく仕事を続けていけることになりました。

窃盗(万引き)事件の法律相談
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、窃盗(万引き)事件に関する法律相談を無料で承っております。
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