事件別:暴力:殺人・傷害致死・死体遺棄

殺人罪

殺人罪の法定刑は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役です(刑法第199条)。
殺人罪については未遂や予備も罰せられます(刑法第201条、203条)。
被害者の嘱託や承諾があった嘱託殺人又は同意殺人、自殺の教唆や幇助も罰せられます(刑法第202条)。
 

傷害致死罪

傷害致死罪の法定刑は、3年以上の有期懲役です(刑法第205条)。
 

死体損壊、死体遺棄罪

死体損壊罪及び死体遺棄罪の法定刑は、3年以下の懲役です(刑法第190条)。
 

殺人罪・傷害致死罪の概説

殺人罪・傷害致死罪の概説殺人罪・傷害致死罪は、自己の行為によって人を死亡させてしまった場合に問われる罪です。

殺人罪が成立するには殺人の故意(殺意)が必要となり、殺意が認められなければ殺人罪は成立しません。
殺意が認められない場合には、殺人罪よりも法定刑の軽い傷害致死罪や(重)過失致死罪が成立します。

殺害行為又は傷害行為と死亡結果との間に因果関係が認められない場合には、殺人罪や傷害致死罪よりも法定刑の軽い殺人未遂罪又は傷害罪の限度で罪に問われることになります。

殺害行為又は傷害行為が相手方の攻撃から自分や家族等の生命・身体を守るために行われた場合には、正当防衛又は緊急避難行為として罪に問われない可能性もあります。
 

殺人事件・傷害致死事件の最適弁護プラン

1 弁護士を通じて不起訴処分又は無罪判決になるよう主張する

身に覚えがないにも関わらず殺人罪や傷害致死罪の容疑を掛けられてしまった場合(人違いの場合)、弁護士を通じて、警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して、不起訴処分又は無罪判決になるよう主張する必要があります。

この場合、アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出したり、殺人罪を立証する十分な証拠がないことを指摘したりすることが重要になります。
 

2 殺意があったか

殺人事件又は傷害致死事件を起こしてしまった場合、本人に殺意があったかどうかが殺人罪の成否の重要なポイントになります。

殺意の有無については、客観的状況(死亡に至った傷の部位、傷の程度、凶器の種類、凶器の用法、動機の有無、犯行後の行動等)を総合的に考慮して、殺意の存在と矛盾する部分があれば、精査のうえ殺意が認められないことを徹底して主張していく必要があります
 

3 因果関係

殺人事件や傷害致死事件においては、本当に殺害行為や傷害行為が原因で相手方が死亡したのかどうか疑わしい場合(因果関係の問題)があります

この場合、弁護士を通じて、警察や検察などの捜査機関又は裁判所に対して、医師の診断書や専門家の鑑定書などの客観的な証拠に基づいて因果関係が認められないことを主張しましょう。
そうすることで、殺人罪や傷害致死罪よりも法定刑の軽い殺人未遂罪又は傷害罪の限度での処罰を求めていくことが出来ます。
 

4 正当防衛

殺人事件や傷害致死事件について、殺害行為や傷害行為が自己または家族等への攻撃に対する反撃行為や避難行為としてなされた場合、殺害行為又は傷害行為が正当防衛や緊急避難行為として正当化される可能性があります。

この場合、不起訴処分又は無罪となるよう、犯行時の客観的状況と目撃者の証言などをもとに、自己または家族等の生命や身体に対する重大な危険が差し迫っていたことを主張していく必要があります。
 

5 情状酌量による減刑を目指す

殺人事件や傷害致死事件を起こしたことに争いがない場合でも、犯行に至った経緯や動機及び犯行後の状況に酌むべき事情があれば、情状酌量による減刑を目指すことが出来ます。

犯行前後の経緯や状況を綿密に検討し、介護疲れや心中崩れ等の酌量に値する事情を洗い出して主張することで、減刑又は執行猶予付きの判決を目指します

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