名古屋の強盗強姦事件で逮捕 法律相談の弁護士

名古屋の強盗強姦事件で逮捕 法律相談の弁護士

名古屋市中区在住30代男性無職Aさんは、愛知県警中警察署により強盗強姦の容疑で逮捕されました。
同署によると、Aさんは、市内の20代会社員女性が住むアパート2階の一室にベランダの窓ガラスを割って侵入しました。
そして、帰宅した女性を女性の着衣で縛って乱暴した上、財布から現金1万円を奪ったようです。

今回の事件は、平成27年2月21日の産経ニュースの記事を基に作成しました。
ただし、地名、警察署名は変えてあります。

~強盗強姦罪とは~

強盗強姦罪とは、強盗が女子を強姦した場合に成立します(刑法241条)。
強盗強姦罪の法定刑は、無期又は7年以上の懲役です。

ちなみに、ここでいう「強盗」とは、強盗犯のことですが、実際に物を奪取した人に限りません。
強盗行為を開始した全ての犯人を指しています。
したがって、物を奪うことに失敗した場合でも、強姦をしていれば強盗強姦罪が成立することになります。

~判例の紹介~

紹介する判例は、平成17年9月22日、神戸地方裁判所で開かれた強盗強姦、建造物侵入、窃盗被告事件です。

【事実の概要(強盗強姦事実のみ抜粋)】
被告人は、Aと共謀の上、出会い系サイトで知り合ったBを呼び出し、同女を強いて姦淫した上、同女から現金を強取しようと企てた。
午前4時ころ、路上に駐車中の車内において助手席に座っていたB(当時16歳)に対し、Aが同女の背後からその顔面を両手で押さえるなどして、同女を後部座席に引きずり込んだ。
そして、こもごも「早よ,脱げ。」「やられるのと,しばかれるのとどっちがええんや。」「こいつしばいてまおか。」「殺すぞ。」などと語気鋭く申し向けるなどの暴行・脅迫を加えた。
以上をもって、Bの反抗を抑圧した上、上記Aにおいて、強いて同女を姦淫した。
その際、被告人は、同女から取り上げたバッグ内の財布から現金約9000円を抜き取って強取した。

【判決】
懲役6年

【量刑の理由】
被告人に有利な事情
・共犯者が主導的な役割を果たしたことも否定できず、被告人自身には強姦そのものを自ら実行する意図はなかったこと
・共犯者が各被害者に示談金として60万円を支払っており、一定限度では被害回復がされていること
・被告人は若年で、罰金前科以外に前科を有しておらず、被告人なりに反省の情を示していること

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