名古屋市の加重収賄事件で逮捕 公務員の弁護士
名古屋市在住40代男性会社役員Aさんは、愛知県警守山警察署により加重収賄などの疑いで名古屋地方検察庁に書類送検されました。
同署によると、改造車両の車検を不正に通した見返りに現金を受け取っていたようです。
自動車検査員はみなし公務員にあたるため、加重収賄罪の罪に問われることとなりました。
今回の事件は、平成27年2月4日産経新聞の記事を基に作成しています。
ただし、地名、警察署名は変えてあります。
~贈収賄とは~
公務員が職務行為に対して不法に賄賂をもらったり、要求したり、約束すれば収賄罪が成立します。
反対に、このような賄賂を贈ったり、申し込んだり、約束した側は、贈賄罪が成立します。
賄賂は、現金でなくても不法な利益であれば成立しますし、正当な職務行為に対するものであっても成立してしまいます。
今回のケースのように、賄賂を受け取った公務員が、不正な行為をしたり、相当の行為をしなかった場合には加重収賄罪が成立します。
不正な行為をしたり、相当の行為をしなかったことについて、賄賂をもらうなどしても同様です。
賄賂を贈った側は、贈賄罪が成立します。
加重収賄罪の法定刑は、1年以上の懲役です(刑法第197条の3第1項、第2項)。
~加重収賄罪の判例紹介~
平成16年9月9日、松江地方裁判所で加重収賄罪について判決が出されました。
【事件の概要】
被告人Aは、高等学校教諭として勤務していた際に、公立高校入学者選抜学力検査の問題作成委員の委嘱を受け、以後同学力検査の英語問題作成等の職務に従事していました。
被告人Aは、英語塾を営んでいた被告人Bに対し、前記学力検査の英語問題案を渡し、その謝礼としてACアダプター付きパソコン1台(時価約7万円相当)を受け取ったそうです。
結果、被告人Aに懲役1年6月、被告人Bに懲役1年、各々執行猶予3年の判決が出されました。
執行猶予が付いた理由には、逮捕後は犯行を認め、反省の情を示していること、賄賂も特別高価なものではないこと、社会的制裁を受けていることなどが挙げられています。
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