任意採尿を拒否 覚醒剤使用容疑で緊急逮捕

任意採尿を拒否したことから、強制採尿された後に、覚醒剤使用容疑で緊急逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

参考事件

トラック運転手をしているAさんは、運転中の眠気を覚ますために、数年前から覚醒剤を使用しています。
先日、トラックを運転中に激し眠気におそわれ、街路樹に衝突する物損事故を起こしてしまい、目撃者の通報で駆け付けた愛知県名東警察署の警察官に「様子がおかしい」と指摘され、覚醒剤の使用を疑われて任意採尿を求められました。
しかしAさんが任意採尿を拒否して帰宅したのです。
そうしたところしばらくして、警察官が自宅を訪ねて来て、強制採尿の令状を示されて病院に連れていかれ、そこで強制採尿されました。
そして採尿後、警察署に連れていかれたAさんは、尿の簡易鑑定に立ち会わされて、鑑定の結果、覚醒剤成分の陽性反応がでたことから覚醒剤使用の容疑で緊急逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

強制採尿

警察官に覚醒剤の使用を疑われてしまうと、任意採尿を求められますが、これを拒否すると、警察官は裁判官に対して強制採尿の許可状(令状)を請求し、裁判官の発した許可状(令状)をもとに強制採尿されます。
採尿後は、Aさんのようにその尿を簡易鑑定されて覚醒剤成分の有無を調べられますが、警察官が行う鑑定は、簡易鑑定と呼ばれています。
簡易鑑定を行うかどうかは、警察官の判断により、すぐに簡易鑑定が行われず、科学捜査研究所による本鑑定だけの場合もあります。

覚醒剤使用で緊急逮捕

今回Aさんは、強制採尿された尿を警察署で簡易鑑定されて緊急逮捕されています。
逮捕には、裁判官の発した逮捕状による通常逮捕、犯罪を犯したその場でされる現行犯逮捕、そして緊急を要する場合にされる緊急逮捕の3種類があります。
緊急逮捕とは、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときに許されている逮捕ですが、Aさんはこの緊急逮捕に該当するか検討してみましょう。

①死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪
 ・・・覚醒剤使用の法定刑は「10年以下の懲役」なので該当する

②罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある
 ・・・尿の簡易鑑定で陽性反応が出ているため、充分な理由が認められる

③急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができない
 ・・・任意採尿を拒み帰宅しているため、逃走のおそれがあると認められる

薬物事件に強い弁護士

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