恩赦について弁護士に相談

2019-10-22

恩赦について弁護士に相談

~恩赦について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説~

去る10月22日,即位正殿の儀が執り行われました。
台風19号による被害の為,祝賀パレードは11月10日に延期となりました。
今回の即位正殿の儀に伴い「恩赦はあるのか」というニュースを耳にした方も多いと思います。
恩赦という言葉を聞いたことがある方でも具体的にどういった制度なのかご存知でない方も多いでしょう。
今回は恩赦制度について説明していきたいと思います。

~恩赦とは~

まず言葉の字面から意味を考えますと,恩+赦という2文字の組み合わせとなります。
この「恩」は「御恩と奉公」の恩と同じ意味であり「社会的地位が上の者から与えられる物」というような意味になります。
「赦」は訓読みをすると赦(ゆる)すとなり,許すと原則的に同じ意味ですが特に罪などの過ちの場合に使用されます。
つまり恩赦とは上の者から与えられる赦しという事になります。
法務省は恩赦の定義として行政権によって「国の刑罰権を消滅,裁判の内容を変更,裁判の効力を変更若しくは消滅させること」の4つとしています。
恩赦の具体的な手続きなどは恩赦法で決まっており,恩赦は端的に以下の5つに分類されます。

1.特定の罪に問われている人全員が無罪となる「大赦」
2.特定の人が無罪になる「特赦」
3.死刑を無期懲役にするといった「減刑」
4.執行猶予中を除く刑の執行の免除
5.有罪により失った資格を回復させる「復権」

~恩赦の実施~

恩赦は国の慶事にの際に実施されることが多いです。
戦後では,第二次世界大戦終局,日本国憲法公布,サンフランシスコ講和条約発効,皇太子(現:上皇殿下)立太子礼,国連加盟,皇太子(現:上皇殿下)成婚,明治百年,沖縄返還,昭和天皇の崩御,上皇様天皇ご即位の際に恩赦が行われました。

戦時中の治安維持法等で有罪になった方が戦後の恩赦における大赦によって救済されました。
また,昭和天皇崩御の際に実施された恩赦では,減刑に期待し上訴を行わなかった結果,減刑がされずに死刑判決が確定したという事件もあります。

恩赦には不特定多数のを一律に対象とする「政令恩赦」と個別に判断された者に対する「個別恩赦」に分けられます。
また,国家の慶事などに一定期間に限って実施される「特別基準恩赦」と日常的に行われる「常時恩赦」があります。

恩赦は必要ないという意見もありますが,社会や時代の変化によって犯罪とされていた行為が処罰の必要がないと考えられるようになった場合や,冤罪の疑いがある場合などの救済として恩赦制度は必要でしょう。
先述の治安維持法などは事後的な救済が必要な事例でしょう。
近年では,外国人が登録の際に指紋押捺を拒否した場合に刑事罰が科せられていましたが後に刑事罰の規定は削除され,その後行われた恩赦で,指紋押捺拒否による罪は恩赦の対象となり救済されました。

~令和の恩赦~

今回の恩赦は罰金の納付から3年が経過した人を対象に免許の取得制限された人などが免許を取得できるように救済する復権が大半です。
「免許」と聞くと自動車運転免許を思い浮かべる方が多いと思いわれますが,医師免許などの国家資格が対象となっています。
運転免許の取消しや欠格期間は「刑事罰」ではなく「行政罰」ですのでそもそも恩赦の対象外となります。
そのため,飲酒運転,交通時等で免許が取り消され欠格期間となっている人が運転免許を取得できるということはありませんので注意が必要です。
今回の恩赦は対象者が約55万人といわれています。
対象者に対して個別に通知などはされないので個人で恩赦の対象となっているかを確認する必要があります。
また,受刑者らから出願を受けて行われる「個別恩赦」のうち,重い病気などで回復の見込みが低く,刑の執行が難しい受刑者や刑の執行が長期間停止されている高齢の受刑者らを対象に「特別基準恩赦」も実施されます。

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