傷害事件の勾留阻止

2020-09-28

勾留阻止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市西区に在住するAさんは、同棲中のVさんから別れ話を切り出されたことで、カッとなり、Vの顔面を複数回殴りました。その後、Aさんのことが怖くなったVさんが警察に通報したことで事件が発覚し、Aさんは傷害罪の容疑で警視庁赤坂警察署に逮捕され、勾留されてしまいました。Aさんと接見した弁護士は勾留延長阻止に向けて弁護活動を始めましあ。
(フィクションです。)

~勾留阻止~

上記事例では、AはVの顔面を殴打しており、それによってVは全治3週間の傷害を負っていることから、Aには傷害罪(刑法204条)が成立するといえます。

上記の様ないわゆる暴力行為によって逮捕された場合、勾留されてしまうおそれがあります。
勾留とは、逮捕に引き続いて行われる身柄拘束のことをいい、勾留は、検察官の勾留請求に対して裁判官が勾留決定をすることによって開始されます。
勾留決定がなされると、10日間にわたり、留置所において身柄を拘束されることになり、勾留中は検察官から取調べを受けたり、現場検証がなされたりします。

勾留が10日目を迎えた場合、検察官には、大きく分けて、被疑者を釈放するか、勾留延長を請求するかという2つの選択肢があります。
まず、検察官がこれ以上勾留の必要性がないと判断した場合には、被疑者を釈放します。
この時点で、不起訴といった刑事処分を受ける場合もあります。

他方で、検察官がさらに身柄拘束を行って捜査を継続する必要があると思料した場合には、勾留延長を請求します。
勾留延長の期間は最大で10日間で、最終的には請求を受けた裁判官が決定します。
こ勾留延長によって、逮捕から起算すると最大で23日間もの間、身柄拘束がなされてしまうことになります。

以上のような勾留及び勾留延長に対して、弁護士としては、被疑者が少しでも早期に釈放されるよう働きかける活動を行うことになります。
勾留がなされる前の段階において、弁護士として行うことができる活動としては、まず選任後すぐに被疑者と面会を行い、事件の詳細を聞いて今後の見通しを被疑者に伝えるという初回接見という活動が挙げられます。
この活動によって、逮捕されてしまった被疑者の心理的負担を軽減し、黙秘権や調書訂正申立権、署名拒否権といった権利があることを伝えることが可能となります。

また、弁護士の主な活動として、被害者との示談交渉が挙げられます。
被害者であるVが、加害者であるAともう2度と会いたくないと主張している場合には、当事者間やその家族での円満な示談交渉は事実上不可能であるといえます。
一方、弁護士が介入する場合には、被害者としても心理的圧迫等を感じることなく、示談交渉を円滑に進められることも考えられます。
被害者との間で早い段階で示談が成立すれば、場合によっては勾留請求そのものが却下される可能性があり、身柄拘束の期間を非常に短縮することが可能になり得ます。

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