ストーカー規制法違反事件で不起訴処分を獲得したことにつき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案】
Aさん(20代男性)は、Aさんの元交際者の現交際者のVさんが使っているSNSにおいて、Vさんに対しストーカー行為にあたる書き込みをしたとして、ストーカー規制法違反の容疑で、愛知県足助警察署で取調べを受けていました。
Aさんは、「警察にお世話になって目が覚めました。家族にも迷惑をかけていますし、早く被害者様に謝りたいです。」と相談時にお話されました。
((実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)
【ストーカー規制法とは】
ストーカー行為等の規制等に関する法律(以下「ストーカー規制法」といいます)は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、ストーカーの相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とした法律です(ストーカー規制法第1条)
ストーカー規制法は、①つきまとい等、と、②ストーカー行為を禁止し、罰則を設けています。
①つきまとい等
つきまとい等とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情から、特定の者やその家族等に対して行われる以下の8つの行為をいいます。
1つきまとい、待ち伏せ、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校等の付近での見張りや、押し掛ける行為
2行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又は行動を知り得る状態に置く行為
3面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求する行為
4著しく粗野又は乱暴な言動をする行為
5無言電話、拒まれたにもかかわらず、連続して、電話、FAX、電子メールを送信する行為
6汚物、動物の死体等を送付する行為、又はその知り得る状態に置く行為
7名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置く行為
8性的羞恥心を害する事項を告げ、又は性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置く行為
②ストーカー行為
ストーカー行為とは、同一の者に対して「つきまとい等」を反復して行うことをいいます
※事案のAさんは、2、3、4に該当すると判断されていました
【弁護活動】
ストーカー規制法違反事件では、被害者様に対して被害弁償を行うことや示談交渉をすることが重要なポイントとなります。
しかし、今回の事案においては、被害者様より、示談は一切お受けできないと頂いたため、示談交渉は断念せざるを得ませんでした。
そこで今回は「贖罪寄付(しょくざいきふ)」を行いました。
贖罪寄附とは、道路交通法違反、覚せい剤取締法違反など「被害者のいない事件」や「被害者に対する弁償ができない事件」などの場合に、被疑者が事件への反省の気持ちを表すために、公的な団体等に対して行う寄附のことです。
贖罪寄附は、情状の資料として評価されています。
また、Aさんを家族が主となり監督できる環境が整っていること、Aさんが深く反省していること、カウンセリングを受けること、被害者と接触しないための具体的な措置を講じていることにより、再犯可能性がないことを検察庁に主張しました。
その結果、Aさんは不起訴処分となりました。
愛知県内においてストーカー規制法違反で検挙された方、示談や贖罪寄付について聞きたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では初回無料法律相談も行っておりますので、お困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。