【裁判紹介】盗品等有償譲り受け事件についての裁判例を紹介

盗品等有償譲り受け事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

盗品と知りながら腕時計を買い取ったとして、盗品等有償譲り受けなどの罪に問われた被告人ら2人に、名古屋地裁は「懲役2年執行猶予4年、罰金30万円」、「懲役1年6カ月執行猶予3年、罰金20万円」を言い渡した。
(朝日新聞「店長に有罪判決 盗品と知って買い取り」(2019/7/25)を引用・参照)。

【盗品等関与罪とは】

刑法は、第39章において盗品等に関する罪(盗品等関与罪)に関する処罰規定を置いています。
ここでは、上記事案でも問題となっている盗品等有償譲り受け罪についてみてみましょう。
刑法256条2項は、「前項に規定する物(注:盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物)を……有償で譲り受け……た者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する」と規定しています。
ここで、注意すべきこととして上記256条2項に当たる罪の法定刑は「10年以下の懲役及び50万円以下の罰金」となっていることです。
これは、財産犯を犯した者による盗品等の換金を援助する行為が、そもそもの財産犯を誘発するという本犯助長的性格を考慮したことによるものです。
つまり、盗品等有償譲り受け罪は、その前提となる窃盗罪(235条)や詐欺罪(246条1項)等が誘発されることを防ぐために、これらの犯罪よりも法定刑が重くなっていることに留意が必要です。

【盗品等有償譲り受け事件の弁護活動】

本事案では、被告人らは執行猶予判決を受けています(なお、上述の法定刑から分かるように盗品等有償譲り受け罪は有罪判決の場合必ず罰金刑が併科されます)。
もっとも、量刑は犯情等によって大きく左右されるため、 被害額が多額に上るなどすると実刑判決もありうることに注意が必要です。
例えば、車上荒らしで盗まれたゴルフクラブ等を有償で譲り受けた罪などに問われた事件では、被害額が3億円余りにも及んだこともあり、実刑判決が下されています。
同じ罪名でもどのような刑事処分を受けるかは、事案により様々です。
したがって、様々な刑事事件の経験を有する刑事弁護士のアドバイスを受け、できるだけ早い段階から事件の見通しを付け、対処していくことが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、盗品等関与事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
盗品等有償譲り受け事件等で逮捕・起訴された方のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

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