刑法の脅迫とは

2020-09-15

刑法の脅迫について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

愛知県知多市に住むAさんは,交際していた女性Vさんのスマートフォンに,LINEで「俺と復縁しなければ,お前の家焼き払うぞ」などとメールを送りました。Aさんは愛知県知多警察署に脅迫罪で逮捕されました。Aさんの母親は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

~脅迫の意義~

脅迫は広義の脅迫、狭義の脅迫、最狭義の脅迫に区分されます。
広義の脅迫は恐怖心を起こさせる目的で、害悪を告知することの一切をいい、害悪の内容・性質・程度のいかんを問わないとされています。広義の脅迫で足りるとされている罪として
・公務執行妨害罪(刑法95条1項)
・職務強要罪(刑法95条2項)
・逃走援助罪(刑法98条)
・恐喝罪(刑法249条)
などがあります。
狭義の脅迫は、告知される害悪の種類が特定され、あるいは恐怖心を起こした相手方が一定の作為、不作為を強要されることが要件となっているものです。前者の罪として脅迫罪(刑法222条)、後者の罪として強要罪(刑法223条)があります。
最狭義の脅迫は、相手方の反抗を抑圧、または著しく困難にする程度の恐怖心を引き起こすことを要するものをいいます。前者の罪として強制わいせつ罪(刑法176条)、後者の罪として強盗罪(刑法236条)、強制性交等罪(刑法177条)などがあります。

~脅迫罪~

上記のとおり、脅迫罪の脅迫は狭義の脅迫に当たります。

脅迫罪は刑法222条に規定されています。

1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫したものは、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

害悪の告知は,一般に人を畏怖させる程度のものでなければなりません。
ただし,本罪は危険犯と言われ,人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知があれば足り,現実に相手方が畏怖したことは必要ではないと解されています。

また,害悪を告知する方法には制限がありません。その程度に達しているかどうかは、その内容を四囲の状況に照らして判断すべきとされています。しかし、これが真意にでたこと(本当に家を焼き払う気があったか、など)、相手が現実に畏怖したことなどを必要とするものではありません。
害悪告知の手段には制限はありません。直接言葉で伝えることはもとより、文書の掲示、郵送、最近では、事例のようにメール送信の他,SNS・ブログなどネット上への投稿で脅迫罪に問われた例もあります。

~脅迫罪において示談を目指す理由~

脅迫行為を認める場合は,被害者に真摯に謝罪し,慰謝の措置を取ることが必要不可欠です。これが脅迫罪において示談を目指す一番の理由です。その他,脅迫罪において示談を目指す理由としては以下の点が挙げられます。

=早期釈放が可能となる=
一般的に,示談意向=罪を認める=罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれはないと判断されやすくなり,早期釈放に繋がりやすくなります。

=不起訴獲得が可能となる=
被疑者に有利な情状として考慮され,不起訴獲得の可能性が高くなります。被害者から「被疑者を処罰しないで欲しい」などという宥恕条項を獲得できれば,その可能性はさらに上がります。

=執行猶予獲得が可能となる=
起訴され、仮に裁判になった場合でも、示談が成立していれば執行猶予獲得の可能性は高くなるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、脅迫罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。お気軽にご相談ください。