暴行罪で略式起訴

2020-07-01

暴行罪で略式起訴

暴行罪と略式起訴について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【ケース】

自営業をしているAさんは,愛知県豊田市内のコンビニで買い物をした際,店員であるVさんが商品を乱雑に扱ったことに腹を立てました。
そこで,Vさんに対して暴言を吐いたうえで,胸倉を掴んで殴ろうとしました。
ただ,その様子を目撃した買い物客がAさんを羽交い絞めにしたため,Vさんは殴られることはありませんでした。
そこへ通報により豊田警察署の警察官が駆けつけ,Aさんは暴行罪の疑いで取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

【暴行罪について】

刑法(一部抜粋)
第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

他人に対して「暴行」を加えたものの,その他人が「傷害」を負わなかった場合,暴行罪が成立する可能性があります。
「傷害」に至れば傷害罪が成立することになるので,暴行罪はそれよりも軽い罪だと言えます。
暴行罪における「暴行」とは、不法な有形力・物理力の行使一切を指すと考えられています。
この定義に従うと,「暴行」が一般的に意味する行為よりも多くの行為が暴行罪に当たる可能性があります。
今回のケースにおいて,AさんはVさんの胸倉を掴んだものの,殴ろうとしたところで他の買い物客にそれを阻止されています。
このようなケースでも,胸倉を掴んだ行為が「暴行」と評価され,Aさんに暴行罪が成立する可能性はあります。

【略式起訴による罰金刑の可能性】

刑事事件において最終的にどの程度の刑が科されるかについては,犯罪に当たる行為の具体的な内容のみならず,犯行に至った動機,本人のこれまでの経歴(前科など),犯罪後の
対応など様々な事情が考慮されます。
そのため,「何罪を犯したから刑はこれくらい」と一概には言えません。
ただ,ある程度量刑の傾向は存在しており,暴行罪の初犯であれば数十万円の罰金刑となるのが一般的だと言えます。

暴行罪に限りませんが,100万円以下の罰金刑を科すのが相当な事案の場合,被疑者の同意のもと略式起訴という手続を経て刑罰が科されることがあります。
略式起訴とは,検察官が事件を起訴して裁判にかけようとする際,本来の裁判よりも簡略化した裁判を行うよう求めるものです。
通常の起訴を経た裁判の場合,おなじみの法廷にて傍聴人などもいる中で裁判が行われます。
一方,略式起訴を経た裁判というのは,裁判官がいわば書面上で事件に関する判断を行うことになります。
そのため,法廷という公の場に出ることなく裁判を受けられる点において,通常の裁判に伴うような肉体的・精神的負担を感じないというメリットがあります。

ただし,略式起訴を経た裁判のデメリットとして,通常の裁判ほど手厚い保障が受けられないという実情があるのは見過ごせません。
事件を簡易かつ迅速に処理するために手続が簡素になっていることによる弊害です。
こうした事情から,略式起訴に当たっては被疑者の同意が要求されると共に,裁判官にも略式起訴が相当かどうか判断することが可能となっています。
更に,仮に略式起訴を経た裁判を終え,略式命令(判決のようなもの)を受けても,2週間以内であれば通常の裁判を要求することが可能となっています。

以上のとおり,略式起訴にはメリットとデメリットの両方が存在します。
そのため,略式起訴に同意すべきかどうか弁護士に相談されてもよいかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が,略式起訴に関するご相談にも真摯にお答えいたします。。
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