準強制わいせつ罪と情状

2021-03-09

準強制わいせつ罪と情状について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市千種区に住むAさんは、知人女性のVさんに大量の酒を飲ませて泥酔させ、Vさんに対してわいせつな行為をしたとして千種警察署に準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Aさんは弁護士との接見で、被害者と示談すれば情状酌量で不起訴となる可能性があることを知りました。
(フィクションです)

~準強制わいせつ罪~

準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。

刑法178条1項
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。責任能力における心神喪失(刑法39条1項)とは若干意味が異なります(責任能力における心神喪失とは、精神病や薬物中毒などによる精神障害のために、自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり、その能力に従って行動する能力のないことをいいます)。

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。また、わいせつな行為をされること自体認識していても、加害者の言動によりこれを拒むことを期待することが著しく困難な状態なども含まれます。

「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。

~情状酌量の「情状」とは~

「情状」とは、検察官が被疑者を起訴するか不起訴とするか、あるいは裁判官が裁判で被告人の刑の量刑(実刑か執行猶予か、その場合の刑の長さ・重さ)を判断する際に考慮される事情のことを言います。

情状には、犯罪そのものに関する情状(犯情)と犯情以外の一般情状があります。

犯情には、犯行態様(武器使用の有無、回数、単独か共犯か、故意か過失かなど)、犯行の計画性(計画的か偶発的か)、犯行の動機(私利私欲のためか、被害者にも落ち度があるかなど)、犯行の結果(死亡か怪我か、怪我・被害額の程度、後遺症の有無など)があります。一般情状には、被告人の年齢、性格、被告人の反省の有無、被害弁償、示談の有無、被害者の処罰(被害)感情の程度、更生可能性の有無(被告人に更生意欲があるか、適切な身元引受人がいるか、更生に向けた環境が整備されているかなど)、再犯可能性の有無(前科・前歴をどの程度有しているか、常習性が認められるか、犯行の原因は消滅しているか・縁は切れているかなど)があります。

起訴OR不起訴、量刑の判断は上記の諸事情を総合的に勘案して決められますが、不起訴獲得のために最も大切なのが「被害弁償、示談の有無」です。
そのため、検察官が起訴か不起訴かの判断をする前に、被害者と示談を成立させ、その結果を検察官に提示することがでれば、不起訴を獲得できる可能性は飛躍的に高まるでしょう。
被害者との示談は刑事事件専門の弁護士にお任せください。

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