ゲームをしながら車を運転 死亡事故を起こして実刑判決

ゲームをしながら車を運転し 死亡事故を起こして実刑判決がくだされた事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

参考記事(『運転中ゲームに気を取られ死亡事故 被告に実刑判決 名古屋』を引用)

事故は約2年前となる令和4年5月に起こりました。
被告人である元高校教師の男性は、乗用車を運転中にスマートフォンのゲーム『ドラゴンクエストウォーク』に気を取られ、名古屋市内の交差点において、自転車で帰宅途中の55歳男性をはねて死亡させてしまいました。
この事故で元高校教師の男性は、過失致死罪で起訴され、名古屋地裁は15日の判決で禁錮2年4月の実刑判決を言い渡しました。
判決を言い渡した裁判長は「ゲームをしながら運転するという危険な運転を行っている点で誰でも起こしうるような事故とは一線を画す悪質さが認められる」と実刑判決を言い渡した理由を述べています。

過失運転致死罪

過失運転致死罪は、過失運転致傷罪とともに、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の第5条に「過失運転致死傷罪」として規定されています。
この法律は、過失によって人身事故を起こした際に適用される法律で、起訴されて有罪が確定すると「7年以下の懲役若しくは禁錮又は500万円以下の罰金」が科せられます。
多くの刑事罰を定めている法律が故意犯を刑事罰の対象としているのに対して、この法律は過失行為を刑事罰の対象としています。
法律的に過失とは「結果の発生を予見し、かつその発生を防止する注意義務を負っていたにもかかわらず、注意義務を怠って結果を発生させてしまうこと」を意味しますが、これを簡単に言うと、いわゆる不注意を意味します。
車を運転しながらスマホゲームをするということは、交通事故を起こす危険性の高い行為で、自動車を運転する際の注意義務を怠ったと判断されるのは間違いないでしょう。

どういった刑事罰になるの

先述したように過失運転致死傷罪の法定刑は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は500万円以下の罰金」です。
有罪が確定するとこの法定刑内の刑事罰が科せられるのですが、実際にどういった刑事罰が下されるかは、過失の大きさや、結果重大性、これまでの違反歴や事故歴などが考慮されて決定するでしょう。
今回の事故で裁判官は、スマホゲームをしながら車を運転していた行為について「悪質性が高い」と判断し、更に、被害者が亡くなっている結果の重大性を踏まえて実刑判決をくだしたものと考えられます。
逆に、死亡事故を起こしても、過失が認めなければ不起訴の可能性もあり得ますし、起訴されたとしても、不注意の度合いが小さい場合などは執行猶予判決となることもあります。

まずは弁護士に相談を

今回の参考事件では、実際に事故を起こして裁判で判決が言い渡されるまで2年以上かかっています。
このように刑事手続きは、発生から手続きが終了するまで非常に長い期間を要するので、その間に一人で悩み、不安を抱え込むよりも、早期に弁護士に相談して、弁護士のサポートを受けながら刑事手続きの期間を過ごすことをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、こういった刑事事件を起こしてしまった方からのご相談を無料で承っておりますので、無料法律相談をご希望方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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