刑事手続を大きく分けると、逮捕によって身体拘束を受けて手続きが進む拘束事件と、逮捕されずに不拘束で手続きは進む在宅事件に分類されます。
在宅で捜査を受けている方から「自分の事件はどうなっているのですか?」「いつ呼び出しがあるのですか?」「処分はどうなったのですか?」等という相談がよく寄せられます。
そこで本日は、在宅事件の流れと、その終局の仕方について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

在宅捜査の流れ
1.警察の取調べ
まず事件を捜査している警察が、その捜査の過程で被疑者(犯人)を呼び出すと、その被疑者(犯人)を警察署に呼び出して取調べを行います。
この取調べは、複数回に及ぶことが多く、交通事故のような過失事件の場合を除いては、警察署において被疑者写真を撮影されたり、被疑者指紋を採取されます。
2.送致(送検)
警察が被疑者(犯人)の取調べを終え、所定の捜査が完結すれば、検察庁に書類が送致されます。
3.検察官の取調べ
送致を受けた検察官は、送致された書類を確認後、被疑者(犯人)を呼び出し、再度取調べを行います。
この取調べは、1度で終わる場合もあれば、複数回呼び出されることもあり、内容も、警察で取調べを受けた内容を確認されるだけの簡単な内容の場合もあれば、事細かく、一から取調べを受けることもあります。
4.処分の決定
検察官の取調べが終了すれば、検察官は処分を決定します。
不起訴にするのか、それとも略式起訴による罰金刑にするのか、在宅で起訴(公判請求)するのかを検察官が決めるのです。公判請求された場合は、その後の刑事裁判で刑事罰が決定します。
以上が、在宅事件の刑事手続きの流れです。
弁護士に質問
Q1 前に警察署に呼び出されて1カ月以上経ちました。今、自分の事件はどうなっているのですか?
A まだ警察の捜査が続いているか、すでに検察庁に送致されたかの何れかですが、その状況は捜査を担当した警察官に聞くしかありません。
ただ電話して聞いてもなかなか回答してくれないので、警察署まで行って、直接聞く必要があります。
弁護士を選任しておけば、弁護士が確認することができます。
また非常に珍しいケースですが、検察庁に送致されずに警察段階で捜査が終結することもあります。
Q2 警察の最後の取り調べの際に「検察庁に送致する。」と聞いたのですが、それから1カ月以上経っても検察庁から連絡がありません。検察庁からの呼び出しはいつぐらいですか?
A 通常であれば検察庁から、手紙か電話で出頭要請がありますが、その時期は、定かではありません。検察庁は、在宅事件の際は、送致を受けておおよそ1カ月以内に出頭要請をかけているようですが、それも絶対ではなく、検察官の都合によっては、送致後1カ月以上経過して出頭を要請されることもあります。
他方、出頭要請がないまま刑事手続きが終結することもあり、その場合は、不起訴処分でしょう。
またほとんどの場合、検察官は被疑者(犯人)を呼び出した時点で、その後の処分の方針を固めている事が多いので、取調べの最後に処分の見通しが分かることがあります。
略式起訴による罰金刑となる場合は、同意書に署名を求められるでしょう。
在宅捜査に強い弁護士
在宅捜査の場合、公判請求されるまでは、私選の弁護人を選任するしかありません。
在宅捜査を受けている方で、弁護活動を希望の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
在宅捜査を受けている間に、どういった弁護活動を行うかによって、その後の処分が大きく変わる場合もありますので、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
愛知県内の警察署は こちら

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、名古屋市を拠点に、愛知県、三重県、岐阜県、静岡県などの東海全域で、刑事事件・少年事件を取り扱う法律事務所です。
交通事故、性犯罪、薬物事件、暴力事件、財産事件など、多岐にわたる案件を手掛けており、示談交渉や早期釈放に向けた活動を行っています。また、裁判員裁判対象事件にも対応し、執行猶予判決の獲得実績もあります。依頼者様とのコミュニケーションを大切にし、丁寧な説明と報告を心掛けています。
刑事事件に関する初回相談は全て無料。相談・接見は、土日祝日、夜間でも対応可能です。お電話をいただいてからすぐ接見に向かうことも可能です。ぜひご相談ください。