先日、中学校2年生、14歳の少女が母親の腹を包丁で刺すという痛ましい事件が報道されました。本日は、この殺人(未遂)事件を参考に、少年事件の逮捕後の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
参考事件(9月6日配信の時事通信社記事を引用)
この事件は、愛知県大治町の集合住宅の一室で起こりました。
この部屋に住む被害者の女性(少女の母親)から「腹を刺された。」との119番通報で現場に駆け付けた愛知県津島警察署の警察官が、現場にいた、この女性の長女(中学校2年生、14歳)を殺人未遂罪で現行犯逮捕したようです。
腹を刺された女性(少女の母親)は、搬送先の病院で亡くなったことから、その後、殺人罪に切り替えて捜査を進めているようです。
殺人(未遂)罪
殺人とは故意的に人の命を奪う行為で、数ある刑事事件の中で最も重大かつ凶悪とされており、その法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」と厳しいものです。
ただこの法定刑は、基本的には成人犯人に適用されるもので、今回の事件のように加害者が14歳の少女の場合は、逆送されない限りは対象となりません。
逮捕後の手続き
殺人(未遂)罪で警察に逮捕されると、まずは逮捕から48時間以内に検察庁に送致され、その後、検察官によって裁判所に勾留が請求されるでしょう。
そして裁判官は間違いなく勾留を決定するでしょうから、10日から20日間、警察署の留置場か、少年鑑別所に勾留されることになります。
この勾留期間中に、警察や検察による犯罪捜査が行われ、逮捕された少女は取調べを受けることになります。
この勾留期間中に、少女の精神鑑定が必要だと認められた場合は、勾留の執行が停止され、鑑定留置されることもあります。(鑑定留置期間は数カ月間に及ぶ場合もあり、鑑定留置終了後に残りの勾留期間が再開される。)
こうして勾留期間を終えると、事件は検察庁から、家庭裁判所に送致されます。
ここで家庭裁判所の裁判官が、観護措置を決定するとともに、少女は少年鑑別所での生活が開始します。
観護措置の期間はほとんどの少年は4週間ですが、今回のような殺人(未遂)事件を起こした少女の場合は、最長で8週間まで観護措置の期間が延長される可能性が高いでしょう。
そして観護措置の期間が終了すると同時に、少年審判が開かれて、そこで少女の処分が決定します。
成人犯人の場合は、最終的な刑事処分は刑事裁判で言い渡されることになり、この刑事裁判は公開の法定で行われますが、少年審判は非公開で行われ、参加者も限定されています。
少年事件に強い弁護士
少年事件は、少年法に基づいて少年の更生を目的に手続きが進むために、成人事件と異なり特殊な手続きがふまれます。
そのため少年事件の弁護活動、付添人活動については、そういった経験と知識が豊富な弁護士に任せることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、多くの少年事件を取り扱ってきた実績がございますので、少年事件でお困りの親御様、お子様が警察に逮捕されてしまったという親御様は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。