名古屋市の身の代金目的略取等事件で逮捕 減刑の弁護士
名古屋市中川区在住40代男性会社員Aさんらは、愛知県警中川警察署により身の代金目的略取等罪の容疑で逮捕されました。
同署によると、路上を歩いていた女子中学生に声をかけ、無理やり乗用車に押し込んで連れ去ったようです。
犯行から約2時間後、女子中学生の自宅に電話をかけ、母親に対して身代金2000万円を要求したそうです。
今回の事件は、平成25年11月7日の時事通信の記事を基に作成しています。
ただし、地名、警察署名は変えてあります。
~身の代金目的略取等罪とは~
身の代金目的略取等罪とは、身の代金を得ることを目的として、人を略取・誘拐した場合に成立する罪です。
身の代金目的略取等罪の法定刑は、無期または3年以上の懲役です(刑法225条の2)。
「略取」とは、暴行または脅迫を手段として、他人を従来の生活環境から離脱させて、自己または第三者の事実的な支配下に置くことをいいます。
なお、同罪は「近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的」がなければ、成立しません。
「近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者」には、配偶者や兄弟姉妹が含まれます。
過去の判例では、銀行の代表取締役が誘拐された事件で銀行幹部もこれに含まれるとされました。
~判例の紹介~
紹介する判例は、平成18年6月8日、仙台地方裁判所で開かれた身の代金拐取、拐取者身の代金要求被告事件です。
【事実の概要】
被告人Aは、Cと共謀の上、D病院から新生児を略取し、その安否を憂慮する理事長E及び病院長Fの憂慮に乗じて身の代金を交付させようと企てた。
被告人Aが、D病院の室内に設置された新生児用ベッドから、新生児であるG(当時生後11日)を抱きかかえて連れ出した。
さらに、被告人A及びCは、被告人Bと共謀の上、新生児の安否を憂慮する病院長Fらの憂慮に乗じて身の代金を交付させようと企てた。
被告人Aは、新聞販売店従業員を利用して、身の代金を要求する内容を記載した文書が同封された封書1通をD病院に届けさせた。
これを病院長Fらに閲読させた上、公衆電話からD病院に電話し、事務局長Iに対し、「取引に応じますか、子供はすごく元気です。」などと申し向けた。
そして、これを病院長Fに伝えさせた。
その後、被告人Aは、公衆電話等から病院長Fの携帯電話に電話し、病院長
Fに対し、身の代金の持参場所を指示するなどして、身の代金を要求した。
被告人両名は、公訴が提起される前に、略取した新生児を独立行政法人L旧脳外科病棟玄関東側通路に解放した。
【判決】
被告人Aを懲役8年
被告人Bを懲役3年
(求刑 被告人A懲役10年、被告人B懲役5年)
【量刑の理由】
被告人に有利な事情
・公訴提起前に新生児を安全な場所に解放したこと
・共謀を除いた客観的事実関係について認めていること
・新生児の両親に対して謝罪の気持ちを表明し反省していること
・被告人Bについては、新生児略取行為の共謀が認められず、身の代金要求行為においても従属的な立場にあったこと、前科前歴がないこと
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