愛知県小牧市の不正電磁的記録カード所持事件で逮捕 無料法律相談対応の弁護士
愛知県小牧市在住の20代男性のAさんは、公衆トイレで財布を拾いました。
財布の中を見ると、8万円ほどの現金と何枚かのカードが入っていましたが、持ち主が分るものは何も入っていませんでした。
そのためAさんは、拾った財布を警察へ届けることなく、自分の物にすることとし、背負っていたリュックの中へ入れてしまいました。
数日後、Aさんが警察官から職務質問、所持品検査を求められた際に、拾って自分の物としていた財布が発見され、その中のカードも調べられました。
Aさんは、拾った物を警察へ届けなかったことを隠すため、自分のカードだと嘘をついてしまいました。
(フィクションです)
~不正電磁的記録カード所持とは~
不正電磁的記録カード所持罪(刑法163条の3)は、人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、不正に作られた電磁的記録を構成部分とするクレジットカードその他の代金・料金支払用のカードまたは預貯金の引出用カードを所持した者に成立する犯罪です。
本罪の対象は、支払用カード電磁的記録不正作出罪により不正に作られた電磁的記録を構成部分とするカードです。
例えば、不正な電磁的記録の施されたクレジットカードやキャッシュカードです。
なお、そのカードを所持するに至った経緯が、譲渡しや貸渡しであった場合だけではなく、窃取や横領した場合であっても、不正電磁的記録カードを所持していれば、不正電磁的記録カード所持罪に該当する犯罪行為です。
しかし、本罪は、所持する者が、人の財産上の事務処理を誤らせる目的を有していることが必要です。
また、今回のAさんのように道路や公衆トイレなどで見つけた、いわゆる「落とし物」を警察などへ届けず、勝手に自分の物としてしまう行為は、遺失物横領罪(刑法254条)に該当しうる行為です。
遺失物横領罪の法定刑は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料」となっています。
他方、不正電磁的記録カード所持罪の法定刑は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
日本の刑法には「罪を犯す意思がない行為は、罰しない」(刑法38条1項本文)と定められています。
罪となる事実、つまり、不正電磁的記録カードを所持している事実の認識がなければ、不正電磁的記録カード所持罪で処罰されることはないですし、本罪は、所持する者が、人の財産上の事務処理を誤らせる目的を有していなければ成立しません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所で、不正電磁気的記録カード所持事件についての弁護活動も承っております。
不正電磁的記録カード所持罪にあたるかについて疑問のある方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
(愛知県警察小牧警察署への初見接見費用:39,600円)