愛知県迷惑行為防止条例⑧(迷惑ビラ)

愛知県迷惑行為防止条例⑧(迷惑ビラ)

~迷惑行為防止条例~

迷惑行為防止条例とは各都道府県が定めている条例です。
都道府県によっては「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」という場合もありますが,近年,迷惑行為防止条例に名称が変更されている都道府県も多いです。
愛知県は改正条例が平成31年1月1日に施行され,名称も愛知県迷惑行為防止条例となりました。
愛知県迷惑行為防止条例は全21条から構成され,その内,第2条から第9条までが規制される行為を定めています。
今回は第8条およびその他の規則を解説していきます。
(以上は前回と同様)

~迷惑ビラ等の配布行為等の禁止~

第8条 何人も,公共の場所において,不特定の者に対し,次の各号のいずれかに該当する写真,絵又は文言を掲載し,かつ,電話番号その他の連絡先を記載したビラ等(以下「迷惑ビラ等」という。)を配布してはならない。
一 人の性的好奇心をそそる,衣服を脱いだ人の姿態の写真又は絵
二 人の性的好奇心をそそる,水着,制服等を着用した人の姿態の写真又は絵であつて,人の性的好奇心に応じて人に接触する役務又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなして飲食をさせる役務(卑わい行為を伴うものに限る。次号において同じ。)の提供を表すもの
三 人の性的好奇心に応じて人に接触する役務又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなして飲食をさせる役務を提供することを表す文言
四 前条第一項第六号に規定する役務又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす役務(卑わい行為を伴うものに限る。)に従事する者の募集を表す文言
2 何人も,公衆電話ボックス内,公衆便所内その他公衆が出入りすることができる建築物内又は公衆の見やすい屋外の場所に,迷惑ビラ等をはり付けその他の方法により掲示し,又は配置してはならない。
3 何人も,正当な理由なく,人の住居,店舗,事務所その他の建築物に迷惑ビラ等を配り,又は差し入れてはならない。
4 何人も,前三項のいずれかに該当する行為をする目的で,迷惑ビラ等を所持してはならない。

この条文はいわゆるピンクチラシ,ピンクビラの配布等を規制しています。
ピンクビラは昔,公衆電話ボックスや駅構内の便所などに多く貼られていました(もちろん愛知県迷惑行為防止条例違反です)。
現在では携帯電話の発達により公衆電話を使う機会が少なくなり,また公衆電話ボックス自体が少なくなったこと,駅構内の便所などの見回り等の強化により,街中でピンクビラをみかけることは少なくなりました。

また,風俗店やキャバクラなどがチラシを配布する行為もこの規定により禁止されています。
ただ,この規定の規制対象は「ビラ等」のため,店舗前に看板などを立てる行為は規制されていません。
ただし,愛知県迷惑行為防止条例で規制されていないといっても,看板の内容によっては刑法のわいせつ物陳列罪に問われる可能性もあります。

~再発防止命令~

第10条と第11条は7条2項および3項(客引き行為,4月2日のコラムを参照)についての再発防止命令を規定しています。
第10条では第7条2項および3項に違反する行為をしてはならない旨命令を出すことができると規定されており,効力は最初の午前6時までとなります。
第11条では反復して7条2項および3項の違反する行為をするおそれがあると認める場合には6か月を超えない範囲で違反してはならないと命ずることができると規定されています。
第12条では第7条1項違反および第8条違反の場合に,事業者に再発防止のために必要な措置を指示することが出来ます。
第13条は事業者が第12条の規定に違反した場合,従業員などが第7条,第8条に違反した場合に6か月を超えない範囲で事業停止の命令を出すことができると定めています。
また,第11条および第13条による命令を出す場合には,聴聞を行わなければならないと第14条で定められています。

今回で愛知県迷惑行為防止条例の解説は終了となります。
愛知県迷惑行為防止条例違反となる行為は痴漢や盗撮が多いですが,それ以外にも愛知県迷惑行為防止条例違反となってしまう場合もあります。
愛知県迷惑行為防止条例違反に問われてしまった場合,お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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