名古屋の覚せい剤事件 保釈が認められるための弁護活動
名古屋市中区在住の音楽家Aさんが覚せい剤とMDMAを所持していたとして覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕され、東京地方裁判所に起訴されました。
Aさんは保釈を希望しています(フィクションです)。
保釈請求は弁護士から行うのが一般的です。もちろん、被告人(犯人)本人が行っても問題はありません。ただ、法律の専門家である弁護士に任せるのが得策でしょう。
そして、保釈は、すべての人が認められるわけではありませ。
保釈が認められるためには
・被告人が証拠隠滅をする危険がないこと
・被告人が被害者や事件関係者及びその親族などに接触する危険がないこと
・被告人が逃亡する危険がないこと
の3点を説得的に主張することが特に重要です。
また、保釈を勝ち取るために、被告人の身元を引受ける身元引受人の存在も重要です。
保釈には、権利保釈、裁量保釈、職権保釈の3種類があります。
権利保釈
刑事訴訟法89条により、被告人が以下の6つの事由(権利保釈除外事由)のいずれにも該当しない場合に、裁判所は保釈を認めなければなりません。
①死刑、無期、短期1年以上の懲役刑や禁固刑に当たる罪を犯したものであるとき
②以前に死刑、無期、長期10年を超える懲役刑や禁固刑に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき
③常習として長期3年以上の懲役刑や禁固刑に当たる罪を犯したものであるとき
④罪証隠滅のおそれがあるとき
⑤被害者やその事件の関係者や親族の身体もしくは財産に害を加えまたはこれらの者を畏怖させる行為をするおそれがあるとき
⑥被告人の氏名または住所がわからないとき
裁量保釈
上記の6つの権利保釈除外事由のいずれかに当たる場合でも、犯罪の性質や情状、被告人の経歴、前科や健康状態、家族関係などから保釈を相当とする事情がある場合には、裁判所が職権で保釈を認めることができます。
職権保釈
被告人の勾留が不当に長くなった時に、裁判所が請求または職権で保釈を認めることができます。