無免許運転の人身事故

無免許運転の人身事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

Aさんは、飲酒運転が発覚し、90日間の免許停止処分(いわゆる免停)を受けました。
ある日、Aさんは寝坊をしてしまい、車を使わなければ仕事に間に合わないという状況下になりました。そこで、「どうせ15分程度だしばれなきゃいいや」と思い、免停の期間中であるにもかかわらず車に使いました。そうしたところ、名古屋市内の交差点において、左折の際に巻き込み確認を怠りバイクに乗ったVさんと接触してしまいました。その後、通報により警察が駆けつけ、Aさんは無免許過失運転致傷罪の疑いで警察署へ連行されることになりました。
(フィクションです。)

~ 無免許運転 ~

無免許運転については道路交通法64条1項に規定されています。

道路交通法64条1項
 何人も、84条1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(略)、自動車又は原動機付自転車(以下、自動車等)を運転してはならない。

なお、無免許運転を分類すると以下のように区分することができます。

純 無 免:いかなる運転免許も受けないで自動車等を運転
取消無免:運転免許が取り消された後に自動車等を運転
停止中無免:運転免許の効力が停止されている間に自動車等を運転
免許外無免:特定の種類の自動車等を運転することができる運転免許を受けているが、その運転免許で運転することができる種類の自動車以外の種類の自動車等を運転すること
失効無免:免許を受けた者が、その運転免許証の有効期間の更新をしないため失効しているのに自動車等を運転

以上はいずれも無免許運転です。
無免許運転となった以上、それまでの経緯に関係なく、自動車等を運転してはいけません。

無免許運転の罰則は

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

です(法117条の2の2第1号)。

また、無免許運転中に交通事故(人身事故)を起こした場合は、道路交通法とは別の自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律といいます)が適用されるおそれがあります。
法律6条では、無免許運転による刑の加重規定が設けられています。

無免許運転+危険運転(人を負傷させた場合に限る)→6月以上の懲役
無免許運転+準危険運転→人を負傷させた場合、15年以下の懲役 人を死亡させた場合、6月以上の懲役
無免許運転+アルコール発覚免脱→15年以下の懲役
無免許運転+過失運転致死傷→10年以下の懲役
 
罰則は単なる無免許運転より格段に重たくなっていることがわかります。

~無免許過失運転致死傷罪の弁護活動~

先ほど見たように、無免許過失運転致死傷罪の法定刑は重いものです。
それだけに、弁護士に事件を依頼してきちんと対応すれば、目に見えて刑罰の見込みが変わる可能性があります。
いくら弁護士とはいえ、事故の存在をなかったことにしたり、事実関係を被疑者・被告人に有利に捻じ曲げたりすることは当然できません。
弁護士の強みは、刑事事件に不慣れな被疑者・被告人が対応を誤るのを防いだり、事故後に示談をするなどして被疑者・被告人に有利な事情を作り出したりする点にあるのです。

上記事例を例にすると、弁護士の活動としては、①取調べ対応の伝授、①被害者との示談交渉、②裁判に向けた情状弁護の準備、などが考えられます。
たとえ無免許過失運転致死傷罪で起訴されても、これらの活動により刑の減軽や執行猶予に至る可能性は十分あるでしょう。

以上のような弁護士の活動は、相談を受けたタイミングが早ければ早いほど充実したものになります。
たとえば、事故後すぐに相談を受けた場合と、事件の捜査が終わって起訴されてから相談を受けた場合とでは、時間の余裕が全く異なります。
ですので、事件・事故が起きたら一日でも早く弁護士に相談するこということを心掛けておいてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

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