愛知県名古屋市昭和区の未成年者誘拐事件で逮捕
愛知県名古屋市昭和区の未成年者誘拐事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、SNSで知り合った愛知県名古屋市昭和区内の女子中学生であるVさんに「ご飯でも食べましょうか」などとメッセージを送り、Aさんの自宅に寝泊まりさせるなどしたとして愛知県昭和警察署の警察官により未成年者誘拐罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは「間違いありません」と未成年者誘拐罪の容疑を認めています。
(フィクションです。)
【未成年者誘拐罪とは】
「未成年者を誘拐した者」には、未成年者誘拐罪が成立します(刑法224条)。
未成年者誘拐罪の法律に定められた刑(法定刑)は、3月以上7年以下の懲役です。
未成年者誘拐罪における「未成年者」とは、20歳未満の者をいいます(民法4条)。
刑事事件例におけるVさんは女子中学生であり、20歳未満の者であることは明らかです。
よって、Vさんは未成年者誘拐罪における「未成年者」に該当することになります。
また、未成年者誘拐罪における「誘拐」とは、偽計・誘惑を手段とするなど人に誤った判断をさせることで人をその生活環境から離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に置く行為をいいます。
そして未成年者誘拐罪における「誘拐」とは、虚偽の事実をもって相手方を錯誤に陥れる場合のほか、その程度に至らないが、甘言をもって相手方の判断を誤らせる場合を含むと解されています(大審院判決大昭12年12月3日)。
さらに未成年者誘拐罪の「誘拐」における「事実的支配下に置く」とは、必ずしも被誘拐者の自由を完全に拘束する必要はなく、物理的な作用や心理的な影響などを加えて未成年者誘拐罪の被疑者又は第三者の管理下から離脱することが困難な状態にすることをいうとされています。
刑事事件例においてAさんはVさんに対して「ご飯でも食べましょうか」という甘言を弄して、知識浅薄といえる女子中学生であるVさんの判断を誤らせています。
ここに未成年者誘拐罪の「誘拐」における「偽計・誘惑を手段とするなど人に誤った判断をさせる」行為があったと考えられます。
また、AさんはVさんを自宅に寝泊まりさせ、Vさんが生活環境へ戻ることを困難にさせています。
ここに未成年者誘拐罪の「誘拐」における「他人をその生活環境から離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に置く」行為があったと考えられます。
よって、Aさんの行為は未成年者誘拐罪における「誘拐」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんには未成年者誘拐罪が成立すると考えられます。
【未成年者誘拐罪と逮捕・勾留】
Aさんは現在愛知県昭和警察署の警察官により未成年者誘拐罪の容疑で逮捕されているところ、未成年者誘拐罪の容疑での逮捕に引き続く身体拘束として勾留がなされる可能性があります。
未成年者誘拐罪の容疑での勾留は最大で20日に及ぶ可能性があり、未成年者誘拐罪の容疑で勾留されるAさんにとっては肉体的にも心理的にも負担が大きいものとなることが考えられます。
さらに、本件未成年者誘拐事件において逮捕・監禁罪(刑法220条)が成立する逮捕・監禁行為がなかったかと未成年者誘拐事件の捜査をする検察官や警察官による厳しい追及がなされる可能性もあります。
そのため、弁護士の弁護活動としては、未成年者誘拐罪での勾留を阻止できるよう検察官や裁判官に働きかけたり、Aさんへ未成年者誘拐事件の捜査をする検察官・警察官による取調べの対応を助言したりすることができると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
愛知県名古屋市昭和区の未成年者誘拐事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。