酒気帯び運転事件に関する裁判例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案】
酒気帯び状態で運転していた車を道路の防護壁に衝突させ、助手席側の外にあるステップに足を乗せて屋根につかまっていた友人の男性を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)と道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた愛知県豊田市の被告人の裁判員裁判で、名古屋地裁岡崎支部は4日、懲役3年6月(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。
(産経新聞「友人死亡事故、実刑判決 酒気帯び、危険運転で衝突」(2019/12/4)、東海テレビ「友人運転の車の“外”に乗り死亡…22歳男性が車体の外側に掴まり走行の車 壁に衝突し落下」(2019/5/20)を引用・参照)
【酒気帯び運転事件の裁判例】
本事案では酒気帯び状態で車を運転(道路交通法65条1項、117条の2第1項1号)しただけでなく、さらに危険運転致死(自動車運転死傷行為処罰法2条)行為によって被害者を死亡させてしまっており、実刑判決が下されることは常識的な感覚からしても不思議なものではないと思われます。
しかし、このような危険運転致死行為がなければ、酒気帯び運転の罪で実刑判決が下ることはないかと言うとそうではありません。
他の事例をみると、酒気帯び状態でバイクを運転した被告人に対し「懲役5月(求刑懲役6月)の実刑判決が言い渡されたケースも存在します。
このように(酒酔い運転よりも酩酊度の低い)酒気帯び運転でも執行猶予が付くことなく実刑判決となることもあり得るのです。
以下では、どのような事情が量刑判断に影響し得るかについて、弁護活動の重要性に鑑みつつ見ていくこととします。
【酒気帯び運転事件における弁護活動】
一般に酒気帯び運転の場合、初犯であれば罰金刑で済むことも少なくないと言われています。
上記のように酒気帯び運転のみで実刑判決に至ってしまうケースは、刑の終了後(あるいは執行猶予期間満了後)ある程度近接した時期の犯行であることが多く、紹介したケースでも執行猶予期間満了直後の犯行であったことが重い刑事処分に繋がったものと思われます。
もっとも、どのような判決が下るかは同じ罪名であっても事案によって異なることは言うまでもありません。
したがって、上記のようなケース以外でも実刑判決などの重い処分が下る可能性は否定できません。
また交通事件では、現場で逮捕されてしまうことも少なくなく、早い段階から先々の見通しを共有しながら弁護活動を行っていくことが肝要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、酒気帯び運転事件を含む刑事事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
酒気帯び運転事件で逮捕や起訴された方、およびご家族は、24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにご連絡ください。