間もなく拘禁刑が開始 懲役刑と禁固刑が一本化

6月1日より、拘禁刑の運用が開始されます。
特に刑事手続きに大きな変わりがあるわけではありませんが、今後刑事裁判での判決の言い渡しでは、懲役や、禁固という言葉が使われることはなくなり、拘禁刑という言葉に統一されることになります。

刑事罰の種類

まず刑事罰の種類について解説します。
裁判で言い渡される刑事罰は、死刑、懲役刑、禁錮刑、罰金刑、拘留、科料(付加刑として没収)の何れかで、このうち国にお金を納める、いわゆる財産刑と呼ばれているのが罰金刑と科料で、身体拘束を受ける、いわゆる自由刑と呼ばれているのが懲役刑と禁錮刑、そして拘留です。
今後、自由刑では、拘禁刑と拘留のみが運用されるようになります。

懲役刑と禁固刑の違い

「懲役刑」とは、強制的に刑務所等に収容されるという身体の自由を奪う刑ですが、収容されている間は刑務作業が義務付けられています。
「禁錮刑」も、刑務所等の刑事収容施設に収容されて身体の自由を奪われるという点では懲役刑と同じですが、禁錮刑では刑務作業が義務付けられていません。
ちなみに同じ自由刑に拘留がありますが、これは1日以上30日未満、刑事収容施設に収容され、禁錮刑と同じく刑務作業は義務付けられていません。

不起訴にしてほしい

拘禁刑の創設について弁護士に聞いてみよう

Q.なぜ拘禁刑が創設されるのですか?

A.大きな理由の一つとして、懲役刑が確定して刑務所等に収監されている受刑者の中には、高齢等様々な理由で刑務作業が困難な受刑者が増えてきていることでしょう。
また刑務作業の時間を確保するが故に、本当に必要とされる再犯防止に向けた教育プログラムや指導を受ける時間が限られてしまっていることも理由の一つではないでしょうか。
逆に禁錮刑で収監されている受刑者のほとんどが刑務作業を希望しているという事実も、拘禁刑を創設しようとする理由の一つだと思います。

Q.先生は拘禁刑の創設に賛成ですか。

A.はい。
時代の変化とともに人々の生活環境も大きく変わり、犯罪も多様化しています。
それなのに100年以上前に制定された法律が維持されていることに疑問を持ちます。
当然犯罪を起こしてしまった人は罰を受けるために刑務所に収容されているのですが、本当に大切なのは、刑務所の中でしっかりと更生して、出所してから再犯しないことです。
そういった意味で、懲役刑と禁錮刑を区別しないことで、それぞれの受刑者に合った更生プログラムを取り入れることができ、その処遇についても柔軟に対応できるようになる期待が持てます。
もちろんそれを実現するにはまだまだ課題も多いかと思います。
特に、全ての受刑者が限られた時間内に、公平に更生プログラムを受けれるような具体的なシステムを構築することは必要不可欠でしょう。

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