愛知県迷惑行為防止条例⑥(ショバヤ行為等)

愛知県迷惑行為防止条例⑥(ショバヤ行為等)

~迷惑行為防止条例~

迷惑行為防止条例とは各都道府県が定めている条例です。
都道府県によっては「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」という場合もありますが,近年,迷惑行為防止条例に名称が変更されている都道府県も多いです。
愛知県は改正条例が平成31年1月1日に施行され,名称も愛知県迷惑行為防止条例となりました。
愛知県迷惑行為防止条例は全21条から構成され,その内,第2条から第9条までが規制される行為を定めています。

今回は第5条,第6条,第9条を解説していきます。

~第5条(ショバヤ行為等の禁止)~

第5条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、不特定の者に対し、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 座席、座席を占めるための列の順位又は駐車の場所(以下「座席等」という。)を占める便益を対価を得て供与すること。
二 座席等を占め又は人につきまとつて、座席等を占める便益を対価を得て供与しようとすること。

愛知県迷惑行為防止条例第5条はショバヤ行為の禁止を規定しています。
ショバヤ行為とは対価を得て場所取りをすることをいい,現在ではほとんど使われていない言葉です。
ただし,現在でも,花見の場所取りサービスのような事を有料で行うとショバヤ行為として迷惑行為防止条例違反となる可能性があります。

~第6条(景品買行為の禁止)~

第6条 何人も、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二十三条第一項に規定する営業(以下「ぱちんこ屋等」という。)に係る営業所又はその付近において、ぱちんこ屋等の営業者が遊技客に賞品として交付した物品を転売するため又は転売する目的を有する者に交付するため、うろつき又は遊技客につきまとつて、これらの物品を買い、又は買おうとしてはならない。

第6条はぱちんこ屋における景品の買取行為を禁止しています。
現在,ぱちんこ屋の近くにはほぼ確実に特殊景品を買い取ってくれる古物商がいますので,景品を古物商以外に買い取ってもらおうとする遊技客はいないと思われます。
特殊景品は金などの貴金属が使われており,それら貴金属の不当流通を防ぐ目的であると思われます。
また,以前は象牙の印鑑が買取対象の景品として使用されていたこともあったため,それらの不当流通を防ぐ目的もあったと思われます。
現在では,適用されることがあまりないと思われる規定になっています。

~第9条(モーターボート等による危険行為の禁止)~

第9条 何人も、通常、人が遊泳し、又は手こぎのボートその他の小舟が回遊する水面において、モーターボートその他の原動機を用いて推進する舟、水上スキー又はヨットをみだりに疾走させ、急転回させ、縫航させる等により、人に対し、危険を覚えさせるような行為をしてはならない。

この規定は,文言のとおり,エンジンのついたボートなどで泳いでる人や手漕ぎのボートに対して威嚇的な行為をすることを禁止しています。
この規定は湖などで水上スキーで遊んでいるような場合につい,勢いでボート遊びをしている人などに対して行ってしまう場合が多いようです。

今回解説いたしました,愛知県迷惑行為防止条例第5条,第6条,第9条に違反した場合50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となります。
第6条違反となるケースはあまりないと思われますが,花見の場所取りで第5条違反となる場合や,湖畔でのキャンプやバーベキューの際に水上スキーを楽しむといった場合に第9条違反となる行為をしてしまう可能性はあります。
次回は第7条(不当な客引行為等の禁止),第8条(迷惑ビラ等の配布行為等の禁止)について解説していきたいと思います。

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