Archive for the ‘刑事事件’ Category

名古屋市南区の不退去罪なら

2019-06-18

名古屋市南区の不退去罪なら

~ケース~

名古屋市南区在住のAさんは、委託を受けて代金回収を代行する会社に勤めている。
給料には歩合があり,代金回収をした件数によって給料が増加する仕組みであった。
ある日Aさんは,Vさん宅にX社の代金の回収に赴いた。
Aさんは玄関ドアに設置されていた呼出しチャイムを押したところVさんが対応した。
Aさんは玄関ドアから玄関口に上がりそこでAさんにX社の代金を支払うように説明した。
Vさんは自分は払う義務もないし払う意思もないので帰って欲しいとAさんに伝えた。
Aさんはあと1件回収できれば歩合の割合がアップすることからその場に留まり、Vさんに代金を支払うよう要求した。
Aさんがなかなか帰らないため、Vさんは110番通報し,Aさんは駆けつけた愛知県警察南警察署の警察官に不退去罪の疑いで現行犯逮捕された。
現在,交通事故を起こしてしまい執行猶予中のAさんは、なんとかして執行猶予の取消しとならないようにできないかと、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に弁護を依頼した。
(フィクションです)

~侵入罪と不退去罪~

刑法130条は「正当な理由がないのに,人の住居若しくは人の看守する邸宅,建造物若しくは艦船に侵入し,又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は,3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
前段が侵入罪,後段が不退去罪となります。

◇侵入罪◇

「侵入」の意義について,判例は,管理権者の意思に反した建造物等への立ち入りをいうと解しています(最判昭和58・4・8刑集37巻3号215頁)。
この見解からすると,許諾権者の立ち入りについての許諾の有無によって住居侵入罪の成否は決せられます。
許諾権者は住居であれば居住者であり,今回のケースではVさんは許諾権者であるといえるでしょう。
AさんはVさん宅の玄関口に上がっていますがAさんに住居侵入罪は成立するのでしょうか。
Vさんが明確に玄関口に上がらせない意思を示していた場合には住居侵入罪が成立すると考えられますが,今回のようなケースでは玄関口に上がること自体は許諾しているとも考えられます。
したがって,Aさんに住居侵入罪は成立しないといえるでしょう。

◇不退去罪◇

不退去罪は,住居に立ち入った者が,退去の要求を受けたにも関わらず,その場所から退去しなかった場合に成立します。
不退去罪は立ち入り時に住居侵入罪が成立しない場合について認められる補充的な犯罪であると解されています(最決昭和31・8・22刑集10巻8号1237頁)。
不退去罪は構成要件自体が不作為の形式で定められている真正不作為犯(~~しない者を罰するという規定)であり,退去要求がなされた後に,退去に必要な時間が経過した時点で成立します。

今回のケースでAさんはVさんから帰って欲しいと伝えています。
しかしAさんは,退去の要求に応じることなく,その場に留まりVさんに代金を支払うように要求しています。
したがって,Aさんは退去に必要な時間が経過してもなおその場に留まっているので,Aさんには不退去罪が成立します。

~弁護活動~

執行猶予期間中にさらに罪を犯し,執行猶予が付かない禁錮以上の刑に処せられた場合には執行猶予は取り消されます。
一方で,執行猶予期間中であっても罰金刑の場合には裁量により執行猶予が取り消されることになります。

不退去罪の法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金ですので執行猶予のつかない懲役刑となった場合には執行猶予が取り消されてしまうことになります。
また,罰金刑であっても裁量によって執行猶予が取り消されてしまう可能性もあります。
Aさんが執行猶予を取り消されないためには,不起訴処分,罰金刑,再度の執行猶予付き判決のいずれかとなる必要があります。
執行猶予期間中であっても1年以下の懲役または禁錮の場合には情状に特に酌量すべきものがある場合には再度の執行猶予を付けることが出来ます。

不退去罪は住居侵入罪に比べて立ち入り自体は許諾されていますので犯情は軽く,いきなり実刑判決が出ることは少ないでしょう。
しかしAさんは執行猶予中の身ですので,そういった点から実刑判決となり執行猶予が取り消されてしまう可能性もあります。
一方,不退去罪は事件が1件だけであれば示談を成立させることができれば不起訴処分となる可能性も高いでしょう。
執行猶予中であることが考慮されたとしても再度の執行猶予付き判決となる可能性は高く,執行猶予が取り消される可能性は低いでしょう。
まずは弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
執行猶予中に事件を起こしてしまった場合でも0120-631-881までご相談ください。

名古屋市中川区のショバヤ行為(迷惑行為防止条例違反)なら

2019-06-13

名古屋市中川区のショバヤ行為(迷惑行為防止条例違反)なら

~ケース~

名古屋市中川区在住のAさんはインターネットオークションにおいて以下のような内容で販売をした。
「地下鉄東山線の座席を譲ります!指定時刻発車の列車をご指定下さい!」
Aさんは地下鉄東山線高畑駅から乗車するため確実に座席に座ることができ,購入した客が乗車してきたところ,席を譲るという内容であった。

地下鉄伏見駅から東山線に乗車するBさんは毎朝の通勤ラッシュによる満員電車に悩んでいた。
ある日,Aさんのインターネットオークションを発見し,購入した。
Bさんは伏見駅から乗車し,満員電車であったがAさんから座席を譲ってもらうことにより着席することができた。

Aさんの出品を見かけたCさんから,Aさんの行為は「ショバヤ行為」ではないかと愛知県警中川警察署に問い合わせがあり,中川警察署はAさんから事情を聞くために任意で中川警察署に出頭するように命令した。
中川警察署からの出頭命令を受けて逮捕されてしまうのではないかと不安になったAさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用した。
(実際にあったニュースを基にしたフィクションです)

~ショバヤ行為~

ショバヤ行為愛知県迷惑行為防止条例第5条によって以下のように規制されています。

第5条 何人も,公共の場所又は公共の乗物において,不特定の者に対し,次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 座席,座席を占めるための列の順位又は駐車の場所(以下「座席等」という。)を占める便益を対価を得て供与すること。
二 座席等を占め又は人につきまとって,座席等を占める便益を対価を得て供与しようとすること。

罰則は50万円以下の罰金または拘留もしくは科料となっています。
また,常習である場合には6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

今回のケースで地下鉄は公共の乗物に該当します。
Aさんはインターネットオークションで対価を得ていますので席を譲る行為は「座席を占める便益を対価を得て供与し」たといえるでしょう。
そのため,Aさんの行為はショバヤ行為に該当する可能性があります。

~弁護士として~

Aさんの行為が実際にショバヤ行為に該当するかどうかは確実に言い切る事はできません。
というもの,ショバヤ行為は「その場で不特定の乗客に席を500円で譲る」というような行為を想定しています。
条例の制定時,インターネットのようなリアルタイムでの連絡手段は固定電話や公衆電話くらいしか存在しなかったため,購入者をあらかじめ募集しておくという事があまり想定されていなかったと思われます。
また,愛知県迷惑行為防止条例は座席等を「公共の乗物において」,「不特定の者に対し」供与することを禁止しています。
Aさんの行為は地下鉄の車内においては「購入者であるB」という特定の者に対して席を譲っているわけであり,「不特定の者に対して」はインターネットオークションでの販売段階であるといえるでしょう。
したがって,Aさんの行為はショバヤ行為の構成要件に該当しないと主張することが可能です。
しかし,裁判所はインターネットオークションで不特定の者を募集し公共の乗物で席を譲るという一連の行為を全体としてショバヤ行為に該当すると判断する可能性もあります。
この場合にはAさんは愛知県迷惑行為防止条例違反として罰金もしくは科料となる可能性が高いです(拘留が選択されることはまずないでしょう)。
検察官はおそらく略式起訴という正式な裁判を経ずに罰金刑を科す手続きを選択すると思われます。
一方で,上記のようにショバヤ行為に該当しないと主張する場合には正式な裁判で争う必要があります。
どちらが最善であるかは具体的な事情を弁護士と相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
思いもよらず愛知県迷惑行為防止条例違反に問われてしまいお困りの方は0120-631-881までご相談ください。
初回接見・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。

スキミングで逮捕されたら

2019-06-01

スキミングで逮捕されたら

~ケース~

小牧市在住のAさんは、お金に困っていることを高校時代の先輩であるBさんに相談したところ,Bさんから「このクレジットカードを貸してやるからしばらくはこのカードで生活すればいい」と言われクレジットカードを受け取った。
AさんはBさんから受け取ったクレジットカードを使い,日用品や食料品などを購入した。
後日,Bさんはクレジットカードのスキミングをしていた疑いで愛知県警察小牧警察署逮捕された。
AさんがBさんから受け取ったクレジットカードは、スキミングにより作成されたクレジットカードであった。
そのため,Aさんも愛知県警察小牧警察署において事情を聞かれることになった。
(フィクションです)

~支払用カード電磁記録不正作出~

クレジットカードは、磁気情報によりカードを識別しています。
したがって,まったく同じ磁気情報をカードに登録することができれば、クレジットカードを作成できることになります。
そのため,クレジットカードを使用する際には、本人確認として暗証番号やサインなどが求められます。

支払用カード電磁記録の不正作出とはいわゆるスキミングのことを指します。
スキミングに関する条文は刑法163条の2から5までに規定されています。
163条の2は、スキミングをしてカードの不正な作成を禁止しており,これによって作られたカードの譲渡,貸与,輸入も禁止されています。
また,不正に作成されたカードの所持は163条の3によって禁止されています。
スキミング行為そのものは不正作出準備罪として163条の4に規定されており,未遂も罰せられます(163条の5)

今回のケースで、Bさんはクレジットカードを何らかの方法でスキミングしカードを不正に作成しAさんに譲渡していますから、支払用カード電磁記録不正作出罪および同譲渡罪(163条の2第1項および3項)が成立します。

~Aさんの罪状~

今回のケースで、Aさんには何罪が成立するのでしょうか。
Aさんは、Bさんが不正に作成したクレジットカードを受け取っていますので、不正電磁的記録カード所持罪(163条の3)が成立しそうです。

ただし、刑法は故意責任が原則となっており、刑法38条は「罪を犯す意思がない行為は,罰しない。」と定めています。
Aさんはカードの所持そのものは自分の意思で持っているといえますので故意がなかったということはできないでしょう。
しかしながら,AさんはおそらくBさんがスキミングによって不正に作成したカードであると知らなかったと思われますが,このような場合にも犯罪は成立してしまうのでしょうか。
判例は,違法性の意識は犯罪の成立要件ではないという立場をとっています(最判昭和25年11月28日刑集4巻12号2463頁)。
そのため,仮にAさんが違法でないと思い込んでいたとしても不正電磁的記録カード所持罪は成立してしまいます。
ただし,違法性の認識を欠いたことについて相当の理由が有る場合には故意を欠くので責任が阻却されるという下級審もあります。
今回のケースで、Aさんはクレジットカードを受け取っているわけですから,少なくとも違法性の認識がまったくなかったということは難しいでしょう。

また,Aさんは少なくとも自分の名義ではないクレジットカードを使用しているのですから詐欺罪が成立することも考えられます。
判例は,他人名義のクレジットカードを使用した時点で詐欺罪が成立するとしています(最二判平成16年2月9日刑集58巻2号89頁)。
なお,家族間でのクレジットカードの使用についても最高裁によると厳密には詐欺罪を構成することになりますが,現実的に被害が発生しておらず事件化しない場合が多いと思われます。
また,仮に事件化されたとしても家族間での使用である場合等は検察官は事件を不起訴とすると思われます。

~弁護活動~

今回のケースではAさんはBさんから受け取ったクレジットカードが不正作成されたものであったと知らなかったと思われますので,情状弁護としてその事情を主張していきます。
また,他人名義のクレジットカードによって買い物をした詐欺罪については,店舗もしくはカード会社または真正な名義人に対して被害弁償をすることが重要です。
詐欺事件では被害者への被害弁償の有無が執行猶予付きの判決となるかどうかに大きく影響します。
クレジットカードを借りて事件に巻き込まれてしまった場合には,できるだけ早くお近くの弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
刑事事件に精通した弁護士が多数所属しています。
フリーダイアル0120-631-881で初回接見・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。

身代わり出頭で犯人隠避罪に問われたら

2019-05-30

身代わり出頭で犯人隠避罪に問われたら

~ケース~

東海市在住のAさんは、不良グループに所属している。
ある日,不良グループの先輩であるBさんが、傷害事件を起こした。
Bさんは執行猶予中の身であり,今回の傷害事件が発覚すると刑務所に行かなければならなかった。
そのため,AさんはBさんから代わりに警察署に出頭してくれないかと頼まれた。
AさんはBさんの頼みを断り切れず、愛知県警察愛知警察署に出頭した。
その後,捜査が進んでいく内にAさんは犯人ではないことが発覚した。
それを踏まえてAさんの取調べを続けたところ,AさんがBさんに頼まれて出頭したことを自供した。
(フィクションです)

~Aさんの罪~

Aさんには、犯人隠避罪が成立すると考えられます。
犯人隠避罪は、刑法103条において「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し,又は隠避させた者は,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」と定められています。
Bさんの犯した傷害罪は、法定刑が15年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですので刑法103条の言う罰金以上の刑に当たります。
判例によると、蔵匿とは,官憲の発見・逮捕を免れるような隠れ場を提供することをいい,隠避とは,蔵匿以外の方法により官憲による発見・逮捕を免れさせるべき一切の行為を含むとされています(大判昭和5年9月18日刑集9巻668頁)。
犯人の身代わりとして自首する行為も隠避に当たりますので出頭であっても隠避に当たると言えるでしょう(最決昭和35年7月18日刑集14巻9号1189頁)。

隠避の対象が罰金以上の刑に当たる罪を犯した者であるかどうかについて,法定刑の認識は不要で,軽微でない罪を犯した者であるとの認識があれば足りるとされています(最決昭和29年9月30日刑集8巻9号1575頁)。
罰金刑以上の罪とならない軽微な罪,すなわち拘留または科料となる罪として侮辱罪,軽犯罪法違反が考えられます。
しかしながら,これらの罪で逮捕されることはごく稀ですので「逮捕されそうだから」という状況では基本的に罰金以上の刑にあたる罪であると考えられるでしょう。

~Bさんの罪~

Bさんは傷害事件を起こしていますので傷害罪が成立することは間違いないでしょう。
また,BはAさんに依頼して犯人隠避罪を実行させているのですからBが犯人隠避罪の共犯(教唆)とならないかが問題となります。
犯人自身は発見・逮捕を免れるために自身を蔵匿・隠避することは当然であるため,証拠隠滅罪(刑法104条)も含めて不可罰とされています。
一方,判例は犯人が他人に依頼するなどして自身を蔵匿・隠避させた場合には防御の濫用として教唆罪の成立を認めています(最決昭和40年2月26日刑集19巻1号59頁など)。
これに対して学説では,自己による蔵匿・隠避が不可罰であるならば,共犯の場合も同様に不可罰とすべきという見解が主張されています。
したがって,Bさんには傷害罪と犯人隠避罪の教唆罪が成立することになるでしょう。

~Aさんに対する弁護活動~

犯人隠避罪の法定刑は上述のとおり3年以下の懲役又は30万円以下の罰金となっています。
実刑や執行猶予付きの判決となるか罰金になるかは隠避した犯人が犯した事件の重大性や隠避の態様などによって判断されることになるでしょう。
今回のケースでは隠避したBさんの犯した罪は傷害罪であり軽微な犯罪とはいえませんが重大な犯罪とまでは言えないでしょう。
今回のようなケースでは執行猶予付きの判決もしくは罰金刑となる可能性が高いでしょう。
ただし,自動的に確実に実刑判決とならないというわけではありませんので,弁護士はAさんが犯人隠避に協力してしまった事情などを主張して情状弁護をしていきます。

~Bさんに対する弁護活動~

今回のケースでは、Bさんは執行猶予中ですが,一般的な執行猶予中でない場合の弁護活動を考えていきます。
傷害罪の場合,傷害の程度や暴行行為の態様にもよりますが,初犯であれば執行猶予付きの判決や罰金となる場合が多くなっています。
しかし,犯人隠避を依頼したような場合には犯行後の情状が悪いことや犯人隠匿罪の教唆犯との併合罪となりますので,初犯であっても実刑判決となってしまう可能性もあります。
弁護士は実刑判決とならないために,社会内での更生可能性や隠避を依頼するに至った事情などの情状弁護を行っていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
依頼されて犯人隠避をしてしまった方や犯人隠避を依頼してしまった場合などはまずは0120-631-881までご相談ください。
警察署での初回接見・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
愛知県警察東海警察署の初回接見費用 37,800円)

刑事事件の流れ(不起訴処分)

2019-05-20

刑事事件の流れ(不起訴処分)

~逮捕・勾留されなかった場合~

刑事事件を起こしてしまっても必ず逮捕されてしまうわけではありません。
逮捕とはあくまでも捜査の手続きの一つであり,逮捕の必要がない場合には逮捕されることはありません。
また,逮捕されてしまっても勾留されずに釈放される場合もあります。
特に現行犯逮捕の場合,逮捕後に身柄拘束の必要がないと判断されれば勾留されずに釈放されることになります。

通常逮捕の場合には,身柄拘束をされていない被疑者に対して逮捕状を請求し身柄拘束をすることになります。
逮捕と勾留の要件は共通する部分も多いことから,裁判所が逮捕状を発付した場合,勾留も認められることが多いようです。

刑事事件で検挙され,逮捕されなかった場合もしくは逮捕後に勾留されずに釈放された場合には在宅のまま捜査が進むことになります。
捜査機関から会社や学校などに事件を連絡するということは原則としてありませんので勾留された場合に比べ,会社や学校に事件が発覚する可能性は低くなります。
ただし,請求の日から最長でも20日という時間的制約が発生する勾留とは異なり在宅事件の場合には手続きの時間的制約がありません(ただし,事件自体の公訴時効はあります)。
そのため,捜査の開始から起訴するかどうかを最終的に決めるまでに1か月以上かかる場合が多くなっています。
また,在宅事件の場合,起訴前に国選弁護人を選任する制度はありません。
したがって,起訴前に弁護活動をするためには私選弁護人を選任する必要があります。

~不起訴処分~

不起訴処分は全部で20種類ありますが,ほとんどの場合が起訴猶予,嫌疑なし,嫌疑不十分のいずれかになります。
嫌疑なしは,被疑事実について,被疑者がその行為者でないことが明白なとき,または犯罪の成否を認定すべき証拠のないことが明白なときに適用されます。
すなわち,真犯人が見つかった場合など,被疑者が犯人ではなかった,無実であったことが認められた場合に嫌疑なしの不起訴処分となります。
嫌疑不十分は,被疑事実について,犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なときに適用されます。

◇嫌疑なし,嫌疑不十分◇

嫌疑なしや,嫌疑不十分とは文字通り,被疑者に対する嫌疑が不十分もしくはなかった場合をいいます。
日本の裁判では検察官が被告人が罪を犯したことを証明する責任を負いますので,嫌疑が不十分である場合やそもそも嫌疑がなかった場合には犯罪の証明ができませんので起訴しない(=不起訴処分)ことになります。
日本では検察官が起訴するかどうかの権限を有する起訴便宜主義が採用されています。
検察官は捜査の段階で被疑者が有罪となるかどうかを判断し,有罪とならないと判断した場合には原則として起訴することはありません。
日本における有罪率99.9%というのは有罪とならない事件は最初から起訴されないためです。

◇起訴猶予◇

不起訴処分の中で,最も多く運用されているのは起訴猶予によるものです。
起訴猶予とは犯人の性格や年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況などを考慮し,不起訴とするものです。
起訴すれば有罪は確実だが,罪が軽い場合や,深く反省している,特に被害者との示談が成立している場合などに検察官の裁量で下されます。
被害者がいないような軽微な事件でなければ,基本的には被害者の方と示談が成立した場合に起訴猶予となることが多いでしょう。

したがって,在宅事件の場合,示談の成立の有無が起訴されるかどうかの大きな判断材料となります。
被害者の方と示談をしなかった,示談に応じてもらえなかった場合には起訴されてしまう可能性が高くなります。
しかし,加害者が示談をしようとしても被害者の方と知り合いという場合でもない限り,連絡先等がわからない場合が多いでしょう。
弁護士であれば被害者の方の同意の下,検察官などから連絡先を取り次いで頂き示談交渉をすることができる場合もあります。
在宅事件で不起訴処分を獲得したい場合には一度弁護士にご相談されることをお勧めします。

◇その他の不起訴処分

その他の不起訴処分としては,被疑者が死亡した場合や法人等が消滅した場合,裁判権を有しない場合,すでに同一事実について起訴されている場合など手続的に起訴ができない場合です。
心神喪失や14歳未満である刑事未成年の場合も起訴することができず不起訴処分となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件の弁護経験豊富な弁護士が多数所属しています。
刑事事件を起こしてしまいお困り・お悩みの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
警察署等での初回接見・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。

愛知県警察愛知警察署の初回接見費用 38,500円)

清須市の礼拝所不敬罪なら

2019-05-14

清須市の礼拝所不敬罪なら

~ケース~

清須市在住の塗装会社に勤めるAさんは,ある日仕事でミスをしてしまい上司に叱責された。
深夜の帰宅途中,Aさんは仕事のミスを責められたことに怒りが込み上げてきた。
Aさんは八つ当たりとして,道の脇に祀られていた地蔵に,持っていた仕事道具の塗料で落書きをした。
後日,通行車のドライブレコーダーに落書きしているAさんの姿が写っていたため、Aさんは愛知県警察西枇杷島警察署において、礼拝所不敬罪の容疑で取り調べを受けることになった。
(フィクションです)

~Aさんに成立する罪~で

◇器物損壊罪◇

Aさんは地蔵に落書きをしていますので少なくとも器物損壊罪(刑法261条)が成立しそうです。
器物損壊罪の法定刑は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料となっています。
なお器物損壊罪は親告罪となっていますので所有者による告訴が必要となります。

◇礼拝所不敬罪◇

また,Aさんは地蔵に落書きをしているため、礼拝所不敬罪(刑法188条)に問われる可能性もあります。
礼拝所不敬罪の条文は以下のとおりです

第188条
1項 神祠,仏堂,墓所その他の礼拝所に対し,公然と不敬な行為をした者は、6月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。
2項 説教,礼拝又は葬式を妨害した者は,1年以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。

神祠とは,神道において神を祀った施設のことです。
仏堂とは,仏教における寺院などの礼拝の施設のことです。
墓所とは,人の遺体・遺骨を埋葬・安置して,死者を祭祀・記念する場所とされており墓地などが代表的です。
その他の礼拝所とは,神道や仏教以外の宗教の礼拝所であり,キリスト教の教会やイスラム教のモスクなどが代表的です。
また,保護法益は宗教的敬虔感情とされていますので,宗教とは関係のない施設であっても,宗教的感情から崇拝の対象となっている場所は礼拝所に該当するという見解もあります。
この見解によると,例えば,沖縄のひめゆりの塔や広島の原爆死没者慰霊碑などは国民の宗教的感情から崇拝されていますので礼拝所に該当します。
なお,礼拝所に対する不敬行為を罰する趣旨から,礼拝の対象となっていない,社務所や寺院の宿舎などは対象となっていません。

さて,今回Aさんは地蔵に対して落書きをしていますが礼拝所不敬罪となるのでしょうか。
地蔵は正確には地蔵菩薩という仏教の信仰対象の菩薩の一尊です。
また,日本では仏教的観点のみならず民間信仰で道祖神として広く親しまれています。
また地蔵と共に祠なども一緒に建てられていることも多く,礼拝所であるとみなされる可能性が高いでしょう。

不敬な行為とは例えば,お寺の本堂で本尊である仏像や教会でキリスト像,マリア像等に対して中指を立てるといった行為などをいいます。
また,礼拝所を破壊する行為も当然,礼拝所に対する不敬な行為といえるでしょう。
Aさんは深夜に落書きをしており,人目もなかったので「公然と」不敬な行為をしていないと思われるかもしれません。
しかし,地蔵に対する落書きは朝になっても残りますのでそれを見た人たちの宗教的感情が害されることになります。
したがって,Aさんの落書き行為は礼拝所不敬罪に当たるといえるでしょう。

~礼拝所不敬罪における弁護活動~

礼拝所不敬罪は6月以下の懲役または10万円以下の罰金と比較的刑罰が軽く,前科等がなければ起訴された場合でも罰金刑となることが多いでしょう。
ただし,今回のAさんのように破壊を伴う礼拝所不敬罪の場合には器物損壊罪も成立してしまいます。
器物損壊罪は被害弁償など示談を成立させることによって告訴の取下げや告訴をしないことを約束してもらえる場合も多くあります。
今回のようなケースでも,地蔵の設置者(所有者)と思われる町内会や市区町村などと示談ができれば器物損壊罪については問われない可能性もあります。
しかし,礼拝所などの器物損壊の場合,宗教的感情から示談に応じてもらえない場合や被害弁償などは受け取るが刑事告訴は取り下げないという場合もあります。
その場合でも,示談が成立していれば示談書などを検察官や裁判所に提出することで量刑などに有利な情状となります。
その為、まずは弁護士にご相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
さまざまな刑事事件での示談経験の豊富な弁護士が多数所属しております。
礼拝所不敬罪やそれに伴う器物損壊罪などに問われお困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談のご予約を24時間受付けています。
愛知県警察西枇杷島警察署の初回接見費用 35,700円)

証人等威迫罪で不起訴処分なら

2019-05-12

証人等威迫罪で不起訴処分なら

~ケース~

Aさんは,家族であるBさんが被告人である刑事裁判の傍聴に行ったところ,Vさんが証人尋問でBさんにとって不利な証言をしているところを見た。
それを聞いたAさんは、Bさんが有罪になってしまうのではないかと心配になり、偶然裁判所内で見かけたVさんに声を掛け,強い口調でBさんにとって不利な証言を止めるよう申し向けた。
後日,Vさんが愛知県警察小牧警察署に被害届を提出したため,Aさんは証人等威迫罪の容疑で愛知県警察小牧警察署で取調べを受けることになった。
今度は自分が罪に問われてしまうことになるのかと不安になったAさんは,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に相談することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~証人等威迫罪とは~

証人等威迫罪は,「自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し,当該事件に関して,正当な理由がないのに面会を強請し,又は強談威迫の行為をした場合」に成立する犯罪です。
これは,いわゆる「お礼参り」を防止するために,刑事事件の証人や参考人等に対する面会強請,強談威迫の行為を処罰して,刑事司法の適正な運用を確保しようとするとともに,証人等の私生活の平穏ないし自由という個人的法益の保護をも図ることを目的として創設された犯罪です。
証人等威迫罪の法定刑は,1年以下の懲役又は20万円以下の罰金と定められています。

証人等威迫罪の対象は、自己または他人の刑事事件の捜査・審判に必要な知識を有すると認められる者とその親族です。
まず、証人等威迫罪では、証拠隠滅等罪では自己の刑事事件に関する証拠は対象にならないのとは異なり、自己の刑事事件に関しても対象となります。
また、証人等威迫罪において、民事事件については対象外で、刑事事件が対象になることについては、証拠隠滅等罪と同様です。
そして、捜査開始前であっても、「刑事事件」に含まれます。
次に、「捜査・審判に必要な知識を有する」とは、犯罪の成否・量刑事情・証拠発見に役立つ知識・鑑定に必要な知識を有することをいいます。
そして、証人等威迫罪は抽象的危険犯とされておいます。
従って、実際に証人等威迫罪に当たるような為が行われれば、相手方が面会に応じたり、証言を翻したりせずとも、犯罪として成立します。
 
上記のケースでは、証人として出廷しているVさんに対して、Bさんにとって不利な証言をしないよう迫っているため、実際にVさんが証言を翻していなくとも証人等威迫罪が成立する可能雄性が高いです。

~不起訴処分獲得に向けた弁護活動~

上記のケースのように、証人等威迫罪の成立に争いのない場合,刑事事件化阻止や不起訴処分を目指すためには、弁護士を通じて被害者への被害弁償及び示談交渉を行うことが急務となります。
仮に、被害届が捜査機関に提出される前に被害者に対して被害を弁償して示談を成立させることができれば,捜査機関未介入のまま前科をつけずに事件を解決できる可能性があります。

また,警察等の捜査機関が介入した場合でも,証人等威迫事件については被害総額が大きくなく,また同種前科がなければ被害者との示談成立により起訴猶予といった不起訴処分を目指すことも可能です。
もし,裁判になってしまった場合でも,被害者との間で被害弁償及び示談を成立させていたり,犯行態様が悪質でないこと,組織性や計画性な弱いといったような事実があれば,これを適切に主張することによって,大幅な減刑や執行猶予付き判決を目指すこともできます。
本件でも,証人等威迫罪が起訴される前に,刑事弁護に優れた能力を持つ弁護士に対して示談交渉などの弁護活動をお任せするべきでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に強い弁護士が多数在籍しております,
不起訴処分獲得や刑事事件化阻止へ向けた刑事弁護活動も多数承っております。
証人等威迫罪に問われてお困りの方、不起訴処分を目指される方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
(愛知県警察小牧警察署への初回接見費用 39,600円)

捜査の流れ(検挙、逮捕)

2019-05-04

捜査の流れ(検挙、逮捕)

~捜査の端緒~

刑事警察の主要な任務は捜査にあります。
捜査とは基本的には裁判の準備作業と言えるでしょう。
そして,この捜査という作業を始めるきっかけのことを捜査の端緒といいます。
捜査の端緒としては,被害者の届出,第三者の届出,告訴・告発,職務質問,取調べ,現認・被害発見,自首などがあります。
この中でも被害者の届出が圧倒的に多く,9割程度が被害者の届出となっています。
また,警備会社などの第三者による届出も増加傾向にあります。
一方で,告訴・告発は1%もなく,取調べの際に余罪が判明するという場合も数%程度,職務質問によるものが5%程度であり,自首は非常に少なく0.01%程度です。

~捜査の実行~

捜査の主な目的は狭義の証拠収集・確保と被疑者の特定となっています。
証拠収集の具体例としては,交通事故があった場合にブレーキ痕の写真を撮る,自動車の塗料の破片を探す,付近の聞き込みによって目撃者を探すなどが考えられます。
また,被疑者は裁判の当事者になりますので,捜査が裁判の準備作業である以上,裁判の当事者である被疑者を特定することは裁判を開始する上で必須となります。

~検挙と逮捕~

警察による捜査において,検挙逮捕という言葉は明確に区別されています。
検挙とは捜査機関である警察が犯罪事実を認識し,行為者を特定し,被疑者とすることをいいます。
検挙逮捕というイメージを持たれるかもしれませんが,検挙された後も逮捕されずに在宅での捜査となる場合の方が多くなっています。

~逮捕の種類~

日本国憲法33条は「何人も,現行犯として逮捕される場合を除いては,権限を有する司法官憲が発し,且つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ,逮捕されない。」と規定されています。
緊急逮捕という例外はありますが,裁判所の発付する逮捕状がなければ現行犯でなければ逮捕されません。
現行犯とは「現に罪を行い,または現に罪を行い終わった者」(刑事訴訟法第212条1項)をいいます。
現行犯逮捕の場合,誤認逮捕のおそれが少ないこと,及び逮捕の必要性・緊急性から逮捕状は不要とされています。
なお,「現に罪を行い・・・」という規定ですので犯罪が特定されている必要があります。
警察官の職務質問のように何らかの犯罪に関係していると疑われるからといって現行犯逮捕することはできません。

また,刑事訴訟法第212条2項では一定の条件に当てはまる場合は罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる場合には現行犯人とみなすとしており,準現行犯と呼ばれます。
具体的には,犯人として追呼されている場合,犯罪に使用された凶器などを所持している場合,身体や衣服などに血痕など犯罪の顕著な証拠がある場合,誰何されて逃走しようとする場合になります。
ただし,現行犯の場合と同じく犯罪が特定されている必要があります。
現行犯および準現行犯は何人でも,すなわち一般私人にも逮捕権があります(刑事訴訟法第213条)。

なお,「30万円以下の罰金,拘留又は科料に当たる罪」は軽微な事件であるとして、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り現行犯逮捕が可能となっています(刑事訴訟法第217条)。
軽微な事件の現行犯逮捕が問題となるケースはあまりありませんが,軽犯罪法違反の場合に問題となることもあります。
特に,「覗き」行為については軽犯罪法や都道府県の定める迷惑防止条例に規定がありますが,行為様態や場所によっては軽犯罪法違反に留まる場合もあります。
その場合,軽犯罪法違反は軽微な事件ですので現行犯逮捕できないことになります。

次回は通常逮捕と緊急逮捕逮捕後の手続きの流れを説明していきたいと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
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捜査の流れ(逮捕、勾留)

2019-05-03

捜査の流れ(逮捕、勾留)

~通常逮捕と緊急逮捕~

逮捕状による逮捕は通常逮捕と呼ばれています。
逮捕状は検察官や司法警察員が裁判所に請求することによって発付されます。
裁判官は逮捕の理由があれば,明らかに逮捕の必要がない場合を除き,逮捕状を発付しなければなりません。
実体的な要件は,逮捕の理由と必要性の存在です。
逮捕の理由とは,罪を犯したと疑うに足りる相当な理由(相当の嫌疑)が存在していることです。
逮捕の必要性とは,逃亡または罪証隠滅のおそれがあることをいい,被疑者の年齢・境遇,犯罪の軽重などから判断されます。
なお,軽微な事件については被疑者が定まった住居を有しない場合,または正当な理由なく出頭の求めに応じない場合に限って逮捕することができます。

緊急逮捕は「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由」があり,「急速を要し,裁判官の逮捕状を求めることができない」場合に逮捕状の発付を待たずに被疑者に理由を告げて逮捕するものです。
具体的には,指名手配犯などを発見した場合には,その場で逮捕しなければ逃げられてしまう可能性が高く,裁判所に逮捕状を請求している時間はありませんので,緊急逮捕をすることになります。
緊急逮捕の場合,直ちに裁判官に逮捕状を求める手続きをしなければならず,逮捕状が発付されない場合にはただちに釈放しなければなりません。

~逮捕後の手続き~

警察が被疑者を逮捕した場合には48時間以内に釈放もしくは書類及び証拠物とともに検察官に送致する必要があります。
送致を受けた検察官は送致を受けてから原則,24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求するか釈放する必要があります。

そして、勾留を決定する前に被疑者に弁解を与える手続きがあり,これを勾留質問といいます。
裁判官は,被疑者に対して被疑事実を告げ,これに関する陳述を聞いて,勾留の可否を判断します。

裁判官は,勾留の要件が満たされているかどうかを判断し,要件が満たされていると判断した場合には,勾留状を発付し,検察官がこれを執行します。
一方,勾留の要件が満たされていないと判断した場合には,勾留状を発付せず,ただちに被疑者の釈放を命じなければいけません。
勾留の要件とは勾留の理由と勾留の必要性をいいます。
勾留の理由とは,被疑者に相当の嫌疑があり,刑事訴訟法第60条1項各号に掲げる,①被疑者が住居不定である,②被疑者に罪証隠滅のおそれがある,③被疑者に逃亡のおそれがある,のいずれかに該当することです。
勾留の必要性とは,起訴の可能性,捜査の進展状況,被疑者の年齢や健康状態等から判断した勾留の相当性をいいます。

そして、勾留決定がなされた場合、被疑者の勾留期間は,原則として勾留の請求をした日から10日間となっています。
被疑者の利益を考え,初日を算入し,末日が休日であっても期間に算入されます。
この期間内に公訴を提起(起訴)しない場合には,検察官はただちに被疑者を釈放しなければいけません。
ただし,やむを得ない事情がある場合に裁判官は,検察官の請求により,10日を超えない限度で勾留期間を延長することができます。

仮に、勾留決定が出てしまったとしても、勾留の決定に対しては準抗告を申し立てることができます(刑事訴訟法第429条)。
勾留決定に対する準抗告が認容されると勾留が取り消されますので被疑者は釈放されます。

次回は逮捕および勾留されなかった場合の手続,不起訴処分,起訴後の手続きについて解説していきます。

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名古屋市千種区で詐欺罪なら

2019-05-02

名古屋市千種区で詐欺罪なら

~ケース~

名古屋市千種区在住のAさんは、銀行員を名乗り,「新しい元号になったので現在使用しているキャッシュカードが使えなくなる。切替えの手続が必要だ。身体の不自由な高齢者の方の代わりに手続きをする」と一人暮らしの高齢者を対象に電話をかけていた。
一人暮らしで脚の悪いVさんはAさんの言葉を信じ,Aさんにキャッシュカード,通帳,印鑑を渡した。
Aさんは受け取った通帳および印鑑を使い、Vさんの口座から預金を引き出した。
数日経っても,キャッシュカード等が返って来ないので不審に思ったVさんは、詐欺だったのではなかと思い愛知県警察千種警察署に相談した。
後日、銀行の防犯カメラの映像などから、Aさんは詐欺罪の疑いで愛知県警察千種警察署に逮捕された。
警察からAさんが逮捕されたと連絡を受けたAさんの両親は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~詐欺罪の要件~

詐欺罪は刑法246条に「人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。」と定められています。
詐欺罪の詳しい構成要件としては,行為者の欺罔行為・錯誤行為によって,相手方が錯誤に陥り,錯誤に陥った相手方がその意思に基づいて処分行為をし,財物や財産上の利益が行為者ないし第三者に移転することです。
これらの間に因果関係が認められ,行為者に行為時において故意および不法領得の意思があったと認められることが、詐欺罪の成立には必要です。

平成から令和に元号が変わり,それに目を付けた詐欺事件が発生する可能性があります。
銀行のキャッシュカードなどは特に有効期限等は定められていませんので元号が変わるからといって使えなくなることはありませんので騙されないように注意してください。
また,クレジットカードには有効期限が設定されていますが,こちらも元号が変わるからといって原則,新しいクレジットカード等へ切り替えが必要ということはありません。

~詐欺罪における身柄解放活動~

今回のケースにおいて、Aさんに詐欺罪が成立することには争いはないでしょう。
現行犯でない通常逮捕の場合,逮捕状が発付されますが,逮捕状が発布されるためには、逃亡・罪証隠滅のおそれがあるという逮捕の必要性が要求されます。
逮捕段階において逃亡・罪証隠滅のおそれがあると判断された場合、その後事情の変化がない限り、引き続き勾留の必要性もあると判断される場合が多いでしょう。
逮捕後,勾留されてしまった場合には勾留延長を含めると最長で23日間身柄拘束をされることになります。
長期に渡る身柄拘束は、被疑者にとって過酷なものとなりますので、依頼を受けた弁護士はまず身柄解放に向けて活動をするケースが多いです。
逮捕直後であれば検察官に勾留請求しないように意見書を提出したり,勾留されてしまった場合には勾留に対する準抗告を申し立てます。
これらが認められれば依頼者の身柄は解放されることになります。

また,詐欺罪の法定刑10年以下の懲役のみですので起訴された場合には刑事裁判が開かれることになります。
詐欺罪の場合,被害金額や被害者の人数にもよりますが,前科がなく被害者の方と示談が成立しているれば起訴猶予の不起訴処分となることもあります。
そのため,被害者の方と示談交渉をすることは非常に重要となってきます。

勾留後,起訴されて被告人として引き続き勾留されてしまった場合には保釈請求をすることによって身柄解放を目指します。
保釈請求は勾留に対する準抗告に比べて認められる場合が多くなっています。

また,示談が成立していれば刑事裁判においても有利な情状証拠として提出することができ,詐欺罪の場合でも執行猶予付きの判決となる可能性が高くなります。
ただし、示談交渉をご自身で行うことは困難なことが多く,場合によっては話をする機会すらもらえない場合があります。
その点,弁護士であれば検察官などから被害者の方の同意のもと,連絡先を取り次いでもらい示談交渉ができる場合が多くあります。
また,被害者の方も,弁護士が相手であれば安心して示談交渉に応じていただける場合が多いようです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
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