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2度目の執行猶予はありうる?②

2020-04-14

2度目の執行猶予はありうる?②

執行猶予判決を2回受けることができるかどうかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【ケース】
Aさんは2018年3月に、コンビニでの常習的な万引きに関して、窃盗罪懲役2年執行猶予5年の有罪判決を受けていました。
しかし2020年4月、またもやコンビニで万引きをしてしまい、これを見つけた店員により通報、その後Aさんは逮捕・起訴されてしまいました。
Aさんは、実刑判決を避け、なんとしても執行猶予を付けて欲しいと考えています。
このような2回目の執行猶予は法律上可能なのでしょうか。
また可能とすると、どのような場合において可能なのでしょうか。
なお、現在期間中の執行猶予には保護観察はついていないものとします。
(このケースはフィクションです。)

~2度目の執行猶予~

前回は上記の事例について、刑法25条1項に基づいて執行猶予を得ることができるかについて解説いたしました。
2度目の執行猶予はありうる?①

今回は、25条2項に基づいて再度の執行猶予を得ることができるかについて解説いたします。
この条文は、まさに今回のAさんのような事例について定めてあります。

刑法25条2項
前に禁錮以上の刑に処されたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内にさらに罪を犯した者については、この限りではない。

読みづらい条文ですが、つまり、

①保護観察の付かない執行猶予期間中の者に対し、
②1年以下の懲役または禁錮の言渡しをする場合で、
③情状に特に酌量すべきものがあるときは、

再度の執行猶予判決ができるということになります。

執行猶予中に罪を犯した者はさらなる執行猶予は受けられないことを原則としたうえで、犯した罪が軽く、また情状的にも強い猶予の理由がある場合にのみ限定的に、さらなる執行猶予を与える、という趣旨です。

なお①について、執行猶予の期間を、保護観察所の助言・指導などの監督を受けながら生活するという保護観察が付いている場合には、その期間中の犯罪について再度の執行猶予を付けることはできないことになります。
保護観察は、執行猶予を付けるケースの中では比較的悪質な犯罪のケースです。
このような保護観察のもとでもなお犯罪を犯した者には、もはやさらなる執行猶予は与えない、ということです。

~今回は執行猶予を付けられるか~

では今回のAさんは、執行猶予を受けられるのでしょうか。

Aさんには保護観察は付いていませんから、①保護観察の付かない執行猶予期間中の者という条件は満たします。

しかし、②1年以下の懲役または禁錮の言渡しをする場合という条件はどうでしょうか。
通常、再犯者には前回よりも重い判決が出されます。
Aさんは前回、懲役2年の判決を受けています。
そうすると特殊な事情がない限り、今回は2年以上の懲役判決が下される可能性が高いことになります。

また、②と重なる部分がありますが、③情状に特に酌量すべきものがあるときという条件についても、よほど特殊な事情がないと認めてもらえない可能性が高いでしょう。

以上により、Aさんが再度の執行猶予を得ることは、理論上は可能ですが、実際は厳しいところがあります。

~弁護士にご相談ください~

この状況で執行猶予を得るためには、適切かつ有効な弁護活動によって、まずは刑を1年以下に抑え、加えて特に酌量すべき情状があることを裁判官に認めてもらう必要があります。
ただ、このような弁護活動は、結果的に執行猶予とならなかったとしても、懲役の期間を短くすることにはつながる可能性があります。

ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

私たちの事務所では、刑事弁護を専門とする弁護士を取り揃えております。
執行猶予を得たいという場合かどうかにかかわらず、刑事事件に関して何かお困りのことがあれば、無料法律相談初回接見サービスをぜひご利用ください。

2度目の執行猶予はありうる?①

2020-04-13

2度目の執行猶予はありうる?①

執行猶予判決を2回受けることができるかどうかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【ケース】
Aさんは2018年3月に、コンビニでの常習的な万引きに関して、窃盗罪懲役2年執行猶予5年の有罪判決を受けていました。
しかし2020年4月、またもやコンビニで万引きをしてしまい、これを見つけた店員により通報、その後Aさんは逮捕・起訴されてしまいました。
Aさんは、実刑判決を避け、なんとしても執行猶予を付けて欲しいと考えています。
このような2回目の執行猶予は法律上可能なのでしょうか。
また可能とすると、どのような場合において可能なのでしょうか。
なお、現在期間中の執行猶予には保護観察はついていないものとします。
(このケースはフィクションです。)

~執行猶予とは~

執行猶予とは、有罪判決がなされる場合に、情状を考慮して、刑の執行を猶予するという制度です。
根拠となる条文には刑法25条1項と同条2項があり、今回は1項について解説します。
2項についてはこちら→2度目の執行猶予はありうる?②
(なお、刑の一部の執行猶予という制度もありますが、ここでは刑の全部の執行猶予に焦点を当てて解説していきます。)

まずは条文を見てみましょう。

刑法25条1項
次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することが出来る。
1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者

つまり、25条1項により執行猶予を得るための要件は次の3つです。

①25条1項1号または2号にあてはまること
②今回、言い渡される判決が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金刑であること
③情状により猶予が相当であること

①についてさらに詳しく解説すると、25条1項1号の「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」とは、禁錮以上の判決を言い渡されたことがないことを言います。

※ 「禁錮」という刑罰は、刑務所内で刑務作業をするかしないかは自由とされている他は懲役と同じです。「禁錮以上の刑」は、死刑・懲役・禁錮を指し、罰金などは含まれません。

純粋に前科がない者や、罰金しか受けたことのない者の他、前の裁判で懲役や禁錮の執行猶予判決を受けてその猶予期間を再犯せずに無事すごした場合も、判決言渡しの効果が消滅するので(刑法27条参照)、「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」に含まれます。

本ケースでのAさんは、2年前の裁判で懲役刑を言い渡されており、執行猶予期間の5年もすぎていないので、該当しません。

また、25条1項2号は、実際に懲役刑禁錮刑を受け、(ア)刑期満了による出所した時、(イ)仮釈放され残りの期間を無事過ごした時のいずれかの時点から5年間、再び禁錮以上の刑の言渡しを受けなかった場合などを指します。
しかし、今回のAさんはそもそも実際に懲役刑や禁錮刑を受けていないので、該当しません。

したがって、Aさんは25条1項を根拠として執行猶予を受けることはできないわけです。

長くなったので、25条2項による再度の執行猶予については次の記事で解説いたします。
→2度目の執行猶予はありうる?②

~お困りの方はご相談ください~

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。

 

違法な捜索・差押えをされたら

2020-04-08

違法な捜索・差押えをされたら

違法な捜索・差押えをされた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【ケース】
Aさんが愛知県名古屋市内の自宅でBさんと遊んでいると突然、愛知県千種警察署の警察官が、捜索差押令状をもって乗り込んできました。
この令状は、被疑事実を「覚せい剤使用」、捜索すべき場所を「○○マンション104号室(A宅)」・差し押さえるべきものを「覚せい剤、注射器、パイプ、覚せい剤の入手・保管に関する情報の記載された文書、同情報の保管された物件、その他本件に関係ありと思料される一切の文書及び物件」と記載されていました。
警察官は同令状に従いA宅を捜索しましたが何も出てきませんでした。
警察官は、A宅に居合わせていたBさんが捜索開始時からかばんを抱きかかえて離そうとしなかったことから不信を抱き、Bさんにカバンの提出を求めました。
Bさんが提出を拒むと警察官は令状の執行としてBさんから無理矢理カバンを奪い、その中を確認しました。
カバンの中からは覚せい剤やその使用に供したと思われる注射器が見つかり、押収され、Bさんは覚せい剤所持の罪で現行犯逮捕されました。
(このケースはフィクションです。)

~第三者の持ち物の捜索・差押え~

今回のケースでは、A宅の捜索・差押えの際に、偶然居合わせたBさんの持ち物の捜索・差押えがなされています。
このような、現場に居合わせた第三者の持ち物の捜索・差押えは適法なのでしょうか。

まず、捜査機関が捜索や差押えをするためには、裁判官に許可状(令状)を発行してもらう必要があります。
その令状には「捜索すべき場所、身体若しくは物」を記載しなければなりません(刑訴法219条1項)。
なぜなら、捜査機関が勝手に関係ないところを捜索して、国民の権利が害されることを防ぐ必要があるからです。
したがって、捜索は令状に記載された場所のみで行うことが出来ます。

今回のケースではA宅内のみを捜索することができるわけです。

ただ、A宅内とはいえ、たまたま居合わせた第三者の持ち物まで捜索してよいのでしょうか。

そもそも捜索は、事件に関係する証拠がある可能性が十分あるからこそ、裁判官が許可するわけです。しかし、偶然居合わせた第三者のカバンは、事件に関係する証拠は入っていないのが普通です。
そうすると裁判官も、居合わせた第三者の所持品まで捜索することは想定しておらず、許可を出していないといえます。

したがって、たとえその場に存在したとしても原則として捜索できないと考えられています。

~例外的に適法なケースも~

しかし、A宅に元々あった物をBさんが捜索時に持っていた場合には話が変わってきます。
例えばAさんとBさんが共犯者であり、BさんにとってもAさんの物が捜索・差押えされるのは不都合なので、警察の突入時にとっさに隠したような場合です。

もし第三者が適法に捜索・差押えできる物をカバンに隠した途端、捜索・差押えができなくなるとしたら、捜索・差押えの実効性が著しく損なわれます。
またこの場合、証拠が見つかる可能性が十分あるわけですから、令状を出した裁判官として捜索がなされることを想定していたといえます。

そこで、適法に捜索・差押えが可能な物をBさんが自分のカバンの中に隠したことが明らかな場合や、A宅にあったAさんのカバンをBさんが持っていたにすぎない場合などには、例外的に捜索・差押えが適法となる場合もあります。

~違法だった場合は?~

仮に原則通り、今回のBさんのカバンへの捜索・差押えが違法だった場合、押収された覚せい剤や注射器などの証拠は違法に収集された証拠であり、その証拠に基づいてなされた現行犯逮捕も違法ということになります。

この場合、見つかった証拠は裁判有罪とするために使うことが出来なくなったり、ただちに釈放しなければならなくなる可能性もあります。

ただ、違法であれば当然にそうなるというものではなく、その違法の内容や程度によってその結論は異なります。
その判断は難しいところですので、違法な捜査をされたのではと心配な方は、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
捜査の過程に違法な点がないかを検討し、早期釈放判決を軽くすることに向けて、弁護活動をしてまいります。

逮捕
されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。

免許証を偽造して詐欺

2020-04-03

免許証を偽造して詐欺

免許証を偽造して詐欺をした場合ついて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【ケース】

Aさんが在籍している株式会社Xでは,ある社員の退職に伴い,大型車両の運転免許を取得する意思のある者を募っていました。
社内で回覧されていた文書によると,大型車両の運転免許を取得することで給与が上がるだけでなく,教習に掛かる代金の負担という名目で30万円が交付されるようでした。
そのことを知ったAさんは,運転免許証を偽造し,会社から30万円を騙し取ろうと考えました。
そこで,大型免許を持っていないのに,取得済みであるかのような偽の免許証を作成したうえで,コピーを会社に提出して30万円の交付を受けました。
しかし,のちにAさんが免許を取得していないことが発覚し、会社から追及されたAさんは、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

【免許証の偽造は何罪に当たるか】

一般的に,免許証の偽造とは,免許証に似たものを作成したり,既に所持している免許証を加工するなどして内容に変更を加えたりすることを指すかと思います。
このような行為に及んだ場合,以下の犯罪が成立する可能性があります。

①公文書偽造罪
刑法(一部抜粋)
第百五十五条 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

公文書偽造罪は,公的機関が作成すべき文書を「偽造」した場合に成立する可能性のある罪です。
ここでの「偽造」とは,権限のない者が文書等を作成することを意味します。

運転免許証を作成する権限があるのは公安委員会であり,当然ながら一般人に運転免許証を作成する権限はありません。
したがって,偽の運転免許証を作成した場合には公文書偽造罪が成立すると考えられます。

罰則は1年以上10年以下の懲役となっており,罰金刑がないことから,もし起訴されれば簡易な手続で罰金刑にする略式裁判は利用できません。
したがって公開の法廷で通常の裁判を受け、無罪にならない限り、懲役刑の実刑判決執行猶予判決が下されることになるでしょう。

②偽造公文書行使罪
第百五十八条 第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。

Aさんは偽造した免許証(155条に該当する文書)を会社に提出しているので、「第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し」た者として、虚偽公文書作成罪も成立してしまいます。

③詐欺罪
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

Aさんは、大型免許を取得しているかのように「人を欺いて」、30万円という「財物を交付させた者」にあたりますので、詐欺罪も成立してしまいます。

このように、Aさんには多くの犯罪が成立してしまいます。
なお、これらの罪で有罪判決を受ける場合、罰則は単純に各条文の罰則を足すのではなく、詐欺罪よりも重い公文書偽造・同行使罪を基準に、1年以上10年以下の懲役の範囲で処罰されることになります(牽連犯・刑法54条1項参照。なお執行猶予となる可能性はあります)。

【弁護士にご相談ください】

今回のような事件では、今後警察に被害届が出されてしまうおそれもあるため、すみやかに謝罪してお金を返すなどの対応が必要となってきます。
それで丸く収まればよいのですが、警察沙汰になってしまう場合もあるでしょうし、今後どのような展開になってしまうのか不安が強いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
刑事事件に強い弁護士が,事件の軽重を問わず最善の結果を目指して弁護活動を行います。

逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

車上荒らしで不起訴を目指す

2020-01-11

車上荒らしで不起訴を目指す

車上荒らしの弁護活動について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

~ケース~

愛知県犬山市に住む大学生Aさんは駐車してある車の窓を破りロックを外し中の物品を盗むいわゆる車上荒らしをしていた。
Aさんが愛知県犬山市内の道路に駐車してある車の窓ガラスを破ったところ,車に設置してあった警報装置が鳴り響いた。
その音を偶然聞きつけたパトロール中の愛知県犬山警察署の警察官であるXにAさんは窃盗未遂罪および器物損壊罪の疑い現行犯逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親はなんとかして前科が付かないようにできないかと弁護法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部に弁護を依頼した。
(フィクションです)

~車上荒らし~

車上荒らしはケースのAさんの犯行のように,窓ガラスなどを破り,ロックを外して車内の物品を盗む行為をいいます。
窓ガラスを割っていることから器物損壊罪(刑法261条)が,車内の金品を盗むことから窃盗罪(刑法235条)が成立します。

第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第261条
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

第264条

第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

なお,器物損壊罪のいう前3条に規定する物とは,公用文書,私用文書,建造物のことをいいます。

~車上荒らしの弁護活動~

車上荒らしに限らず,窃盗罪器物損壊罪の場合,身柄拘束の回避,被害者の方との示談交渉が主な弁護活動となります。
窃盗罪器物損壊罪に限らず刑事事件を起こし逮捕され,勾留されてしまうと最長で23日間身柄を警察署などの留置施設に拘束されてしまうことになります。
また,勾留されてしまった場合には留満期とともに起訴されてしまう可能性が高く,被害者の方と示談交渉などをする時間的余裕も短くなってしまいます
一方,逮捕勾留されない在宅での捜査の場合には,勾留されてしまった場合に比べ起訴しなければならない期間が定められていませんので勾留されてしまった場合に比べ,示談交渉などをする時間的余裕が生まれます。

勾留回避のためには逮捕段階で刑事事件の弁護経験の豊富な弁護士に弁護を依頼することが重要です。
また,起訴される前の被疑者段階では勾留されなければ国選弁護人は選任されません
そのため,勾留そのものを回避するためには逮捕段階で弁護士に弁護を依頼する必要があります。
逮捕段階で依頼していただければ勾留決定の前に,裁判官に意見書の提出,弁護士が裁判官と直接面談などをして勾留決定をしないように働きかけます。

もし勾留されてしまった場合にも勾留決定に対する準抗告を申立て,準抗告が認められれば身柄解放されることになります。
しかし,勾留決定に対する準抗告が認容されるケースは勾留が却下されるケースに比べて少ないため,勾留前からの勾留回避活動が重要となります。

車上荒らしのような窃盗罪器物損壊罪に限らず,刑事事件を起こしてしまい示談をしようとしても被害者が赤の他人でり連絡先なども分からないことも多いでしょう。
その点,刑事事件の弁護の依頼を受けた弁護士であれば警察や検察官から被害者の方の連絡先を弁護士限りで取り次いで貰える場合もあります
被害者の方の連絡先を取り次いで貰えたら実際に被害者の方に連絡を取り示談交渉をすすめていきます。
示談交渉の際に加害者を許すという宥恕条項を示談書に盛り込んでもらうことで不起訴処分となる可能性が高くなります。

また,器物損壊罪は親告罪となっていますので,示談が成立し告訴をしない旨約束してもらえれば検察官は起訴することができず不起訴となります

車上荒らしのような窃盗器物損壊事件に限らず,刑事事件で不起訴処分となるためには示談交渉が非常に重要となります。
刑事事件を起こしてしまい前科を回避したいとお考えの方はできるだけ早く弁護士に相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
示談が成立し,不起訴処分となった刑事事件も多数取り扱ってまいりました。
車上荒らしなどの刑事事件を起こしてしまい前科を避けたいとお考えの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談,警察署などでの初回接見のご予約を24時間年中無休で受け付けております。

万引きをしてしまったら

2019-12-07

万引きをしてしまったら

万引きをしてしまった場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋が解説します

~万引きの事例~

愛知県犬山市在住の主婦のAさんは日常生活のストレスをスーパーなどで商品を万引きすることで発散していた。
ある日,Aさんが育児のストレスからV店で商品の万引きを行ったところ警備員に見つかり,事務所に連れていかれた。
その後,Aさんは通報によりかけつけた愛知県犬山警察署の警察官に窃盗罪の疑いで事情を聞かれることになった。
(フィクションです)

~万引きと刑事手続き~

万引きは原則として刑法235条の窃盗罪に該当します。

第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

万引きをしてしまい発覚した場合でも,その場から逃げようとしたりしなければ逮捕されないことも多いです。
逆に,逃げようとしてしまった場合には逃亡のおそれがあると認められることになり逮捕されてしまう可能性が高くなってしまいます。
逮捕されてしまった場合には,勾留され,窃盗罪起訴された場合には初犯であれば罰金刑となることが多いです。
ただし,万引きの金額,余罪や前科などの事情によっては執行猶予付きの判決や実刑判決が出てしまう場合もあります。
なお,勾留された場合には,勾留請求から10日以内に起訴しなければならないと定められています(刑事訴訟法208条)ので,準抗告による釈放やむをえない事由により勾留延長がない限りは10日以内に起訴されることになります。

万引きをしてしまっても逮捕されなかった場合には釈放され,在宅で刑事手続きが進むことになります。
万引きに限らず在宅事件の場合,逮捕・勾留といった身柄拘束を受ける場合と異なり検察官に起訴するまでの期限が定められていません。
そのため,在宅事件であれば検察官が窃盗罪起訴するまでに勾留されてしまった場合に比べて時間的余裕があります。
検察官はその間に万引きの被害弁償などを行ったかどうかなどの情状によって最終的に窃盗罪で起訴するか起訴猶予の不起訴処分とするかを判断します。

~万引きの弁護活動~

万引きなどの窃盗事件で起訴された場合,被害金額が大きくなく,かつ初犯であれば刑事裁判が開かれない略式手続きによって罰金刑となることが多いです。
しかし,罰金刑であっても前科となってしまいますので可能な限り前科のつかない起訴猶予の不起訴処分を目指すことになるでしょう。

万引きに限らず窃盗罪起訴猶予の不起訴処分となるには被害者の方への被害弁償,示談の成立が重要です。
万引きに限らず窃盗罪では,被害者の方と示談が成立していれば起訴猶予の不起訴処分となる場合が多くなっています。
在宅事件であれば被害者の方と示談交渉をする時間的余裕がありますが,勾留されてしまっている場合には示談交渉をするための時間的余裕があまりありません。
そのため,不起訴処分を目指すには窃盗罪逮捕されてしまった段階で弁護士を依頼し身柄拘束の回避や迅速な被害者対応をすることが重要になります。
勾留されてしまった場合には準抗告を申立て,認められれば釈放され在宅事件となることもあります。

万引きなどの窃盗罪に限らず刑事事件では加害者が被害者の方と示談交渉などをするのは困難です。
被害者の方は加害者に対し不信感や警戒心など持っていますので直接示談をしたいと連絡したとしても応じてくれないことがほとんどでしょう。
弁護士が相手であれば窃盗の被害者の方も話を聞いていただける場合も多いでしょう。
また,万引きの場合,被害者である店舗は示談交渉などを受け入れてくれないことも多いですが,弁護士を間に入れることによって被害の弁償金だけでも受け取って頂ける場合もあります。
示談成立とまでいかなくとも万引きによる被害を弁償をすることは有利な情状となり,検察官が事件を不起訴処分とする可能性もあります。
万引きをしてしまった場合,まずは弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
万引きによる窃盗事件示談をしたことで起訴猶予の不起訴処分となった事例も多数あります。
まずはフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談,警察署などでの初回接見サービスのご予約を24時間年中無休で受け付けています。

盗撮事件で前科を回避したい

2019-12-06

盗撮事件で前科を回避するためには

盗撮事件前科を回避したい場合を弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

~ケース~

名古屋市の大学に通うAさん(4回生)は名古屋駅にあるショッピングモールのエスカレーターで前に立っていたVさんのスカートの中をスマートフォンで盗撮した。
しかし,VさんはAさんが盗撮していることに気付き,Aさんは警備員に取り押さえられた。
その後,通報により駆け付けた愛知県中村警察署の警察官によってAさんは盗撮(愛知県迷惑行為防止条例違反)の疑いで事情を聞かれることになった。
Aさんはスマートフォンは没収されたものの逮捕勾留されることなく釈放され,連絡を受けたAさんの家族は,Aさんの将来のためにも前科が付かない方法がないか弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部に相談した。
(フィクションです)

盗撮が見つかってしまったら~

盗撮をして見つかってしまった場合,その場で警察に通報され,警察署で事情を聞かれることが多いでしょう。
このような場合に,その場から逃げようとせずに警察の指示に素直にしたがえば,逮捕されずにその日の内に釈放されるということもあります。
しかし,逃げようとしてしまうと,逃亡・証拠隠滅のおそれが高いと判断され,逮捕・勾留といった身柄拘束に繋がってしまう可能性が高くなります。
その為,盗撮が見つかってしまった場合には逃げようとせずに素直に警察の指示にしたがう事が身柄拘束をされないためには重要となります。

盗撮の場合の刑事手続き~

今回のAさんのように逮捕されなかった場合や,逮捕されてしまっても勾留されずに釈放された場合には在宅で事件の手続きが進むことになります。
警察が捜査を進め,検察官に事件の関係書類や証拠を送致します(この手続きを書類送検といいます)。
書類送検を受けた検察官は関係書類や証拠,事件後の情状などを考慮し,被疑者を起訴するかどうかを判断します。
起訴された場合には刑事裁判を受けることになりますが,100万円以下罰金刑の場合には刑事裁判が開かれずその場で罰金を納付する略式手続きが採られる場合もあります。
なお,在宅事件の場合には検察官は「何日以内に起訴しなければならない」という期限が定められていませんので比較的ゆっくりと手続きが進むことになります。

一方,逮捕・勾留されてしまった場合,検察官は被疑者の勾留を請求した日から10日以内(勾留延長があった場合には20日以内)に起訴しなければならないと定められています(刑事訴訟法208条)ので勾留されてしまった場合被害者の方と示談をする時間的余裕があまりありません
その為,検察官に勾留請求をしないように意見書を提出したり,勾留に対する準抗告申立などを依頼された弁護士は行うことになります。
検察官が勾留請求をしなかった場合や,準抗告申立が認められた場合には釈放され,在宅で事件の手続きが進むことになります。

なお,盗撮に限らず在宅事件の場合には起訴されるまでは国選弁護人を付けることは出来ませんので弁護士を付ける場合には私選の弁護士に依頼することになります。
私選の弁護士に依頼するメリットとして,起訴前に示談交渉などの弁護活動が行える点があります。
盗撮事件の場合,余罪のない1件のみで前科がないという場合には被害者の方と示談を成立させることができれば検察官は事件を起訴猶予の不起訴処分とすることが多いです。
一方で示談を成立させられなかった場合には起訴され略式手続きで罰金刑となることが多いようです。
罰金刑であっても前科となってしまいますので前科を回避するためには示談を成立させることが重要です。

盗撮の場合の示談交渉~

盗撮事件では示談を成立させることが出来れば検察官が事件を不起訴処分にすることが多いと書きましたが,事件を起こした本人が被害者の方と直接示談をするのはほぼ不可能でしょう。
というのも,盗撮に限らず刑事事件の被害者の情報を加害者は教えてもらう事は当然できません。
また,仮に何らかの方法で連絡が取れたとしても,盗撮などの被害者は不信感や恐怖心などにより会ってくれないことが多いでしょう。
逆に加害者が直接連絡を取ることで,却って被害者の方を怒らせてしまう可能性もあります。

刑事事件の弁護の依頼を受けた弁護士であれば,検察官から被害者の方の連絡先を取り次いでいただき連絡を取れる場合が多いです。
被害者の方も弁護士が相手であれば話を聞いてみようと考えて頂けることが多いようです。
被害者の方に話を聞いていただき示談を成立させることができれば今回のAさんのケースのような盗撮事件では不起訴処分となる可能性が高いでしょう。
また,示談を断られてしまった場合でも示談を試みたということは若干ではありますが有利な情状として扱ってもらえる場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
盗撮事件で示談を成立させ不起訴処分となった事件も数多く手掛けて参りました。
盗撮をしてしまい前科をつけたくない,不起訴処分を目指したいとお考えの方は0120-63-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談・警察署などでの初回接見サービスのご予約を24時間年中無休で受け付けています。

振り込め詐欺の「受け子」をしてしまったら

2019-12-05

振り込め詐欺の「受け子」をしてしまったら

振り込め詐欺の受け子をしてしまった場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

~「受け子」になってしまったケース~

愛知県名古屋市瑞穂区在住の大学4年生のAさんは友人から荷物運びのアルバイトを紹介された。
アルバイトの内容は地下鉄の駅のコインロッカーで荷物を受け取り,その荷物を事務所まで運ぶというものであった。
簡単な作業な割に給料のいい仕事だったのでAさんは3ヵ月にわたり7回アルバイトを行った。
ある日,Aさんが地下鉄新瑞橋駅のコインロッカーから荷物を取り出そうとしたところ,張り込んでいた愛知県瑞穂警察署の警察官によってAさんは詐欺罪の疑いで現行犯逮捕されてしまった。
実は,荷物の中身は特殊詐欺の被害者からの現金などであった。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の初回接見サービスを依頼した。
(フィクションです)

~特殊詐欺の受け子~

オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」といった近年増加傾向にある詐欺の手口はまとめて「特殊詐欺」と呼ばれています。
特殊詐欺はその名の通り詐欺罪(刑法246条)に該当します。

刑法246条

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

人を騙すことを一般に詐欺と呼びますが,刑法上の詐欺罪の成立には以下のような要件が要求されています。

1.社会通念上,相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益を処分させるような行為をすること(欺罔行為)
2.相手方が錯誤に陥ること(錯誤)
3.錯誤に陥った相手方が,自己の意思で財物などを処分すること(処分行為)
4.財物などの占有が行為者ないし第三者に移転すること(占有移転)
5.上記1~4の間に因果関係が認められ,行為者に故意および不法領得の意思が認められること

すなわち,相手を騙し,騙された相手が自分の意思で現金の振り込みなどをした場合に詐欺罪が成立します。
振り込め詐欺などの特殊詐欺場合,組織的に息子などを装って電話をかける「かけ子」,騙された相手から現金などを受け取る「受け子」などにわかれています。
「受け子」は単純に現金などを受け取るだけですので,何も知らない大学生などが簡単なアルバイトだと思い詐欺の一員として利用されてしまうケースも多いようです。

~特殊詐欺における接見禁止~

振り込め詐欺などの特殊詐欺事件では,逮捕された後,多くの場合で勾留されてしまいます。
振り込め詐欺などの特殊詐欺事件では,共犯者がいることも多く,口裏合わせなどを防ぐために接見禁止が付されることも多いです。
勾留の際に接見禁止がつけられてしまうと弁護士以外の者との接見が不可能となりますので,たとえ家族であっても接見に行くことはできません。
勾留の際に接見禁止が付されてしまった場合,依頼を受けた弁護士はまずはご家族の方が接見できるように接見禁止の一部解除を目指して活動していくことになるでしょう。

「受け子」の場合の弁護活動~

刑事事件における共犯関係には共同正犯と幇助犯に大別されます。
共同正犯と幇助犯の区別は,一般に,特定の犯罪を自己の犯罪として実現する意思があったか,それとも他人の犯罪を手助けする意思に過ぎなかったのかによって判断されます。
特殊詐欺「受け子」の場合,自分の行為が特殊詐欺の一環であると認識があったかどうかがポイントとなります。
特殊詐欺「受け子」は実際に現金などを受け取るという重要な役割ですが,「受け子」による持ち逃げを防ぐために実際の内容を知らせていない場合も多いようです。
そのような場合にはそもそも詐欺であるという認識がなく,詐欺罪の故意がないと主張することが考えられます。
刑法は故意処罰が原則となっていますので(刑法38条),故意が欠ける場合には過失の場合にも処罰するという特別な規定がない場合には罰せられません。
詐欺罪には過失処罰が規定されていませんので故意が無かったと認められれば詐欺罪は成立しないことになります。

しかし,実際には,何となく「詐欺じゃないかな」程度の認識を持っていたということも多く,そのような場合には詐欺罪の故意があったと認定されてしまう可能性が高いでしょう。
そういった場合には,詐欺罪の共同正犯ではなく幇助に過ぎないと主張することが考えられます。
共同正犯であるか幇助犯にとどまるかは,受け子」となった動機,利益の大きさ,主犯格や他の実行犯との関係性などによって判断されるようです。
特殊詐欺「受け子」の場合,事情を正しく主張できるかどうかによって幇助犯にとどまるか,共同正犯と判断されてしまうか,故意がなかったとして詐欺罪が成立しないか,といったように結果が大きく変わってしまう可能性があります。
幇助犯にとどまるのであれば刑の減軽が規定されていますので(刑法63条)執行猶予判決付きの判決や,もしも実刑となってしまったとしても短い刑期となることが考えられます。

特殊詐欺「受け子」をしてしまった場合,弁護活動の内容次第では大きく結果が変わってしまう可能性もあります。
ご家族が特殊詐欺「受け子」をしてしまったという場合には刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にお気軽にご相談ください。
フリーダイヤル0120-631-881にて事務所での無料法律相談や警察署などでの初回接見サービスのご予約を24時間365日承っております。

強要罪で示談するなら

2019-12-04

強要罪で示談するなら

強要罪示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【ケース】

Aさんは、愛知県名古屋市中川区に住むVさんに200万円を貸し付けていましたが、期日になってもその返済が行われませんでした。
AさんはVさんに再三催促したものの、Vさんは「近々お金の工面ができるからそのとき返す」というばかりでした。
しびれを切らしたAさんは、知人2名と共にVさん宅を訪ね、「私は、令和元年8月2日にAから200万円を借りました。」という内容の借用書を書かせました。
借用書を書かせる際、AさんはVさんの胸倉を掴んで怒鳴ったり、抵抗するVさんを羽交い絞めにしたりしました。
それから数週間が経って、中川警察署から「Vさんの借用書の件で話を聞きたい」との連絡がありました。
以上の経緯をAさんから聞いた弁護士は、強要罪が成立する可能性があることを指摘し、弁護活動として示談を挙げました。
(フィクションです。)

【強要罪について】

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。

強要罪は、暴行または脅迫を用いて、他人に何らかの行為をさせ、あるいはさせなかった場合に成立する可能性のある罪です。
脅迫を手段とする強要罪の場合、脅迫の内容が①被害者自身に害を加える旨の告知(223条1項)でも②被害者の親族に害を加える告知(223条2項)でも構いません。

上記事例では、Aさんが知人と共にVさんを脅迫し、Vさんに借用書を作成させています。
VさんはもともとAさんにお金を借りていたことから、無理やりとはいえ内容の正しい借用書を書かせる行為が犯罪に当たるのは理解しがたいかもしれません。
たしかに、借金の取り立てなどにつき、正当な権利行使の範囲内として適法とされることはあります。
ですが、そうした評価ができるかどうかの判断に当たっては、社会一般の常識に照らして手段が相当なものであったかが厳しく見られることになります。
そうした観点から見たとき、Aさんの手法は社会的に相当とは言えないと考えられます。
そのため、やはりAさんに強要罪が成立する可能性はあるでしょう。

【示談に期待できる効果】

強要罪は個人の意思決定の自由を侵害する罪であることから、被害者となるのは特定の個人です。
その場合、その個人との示談が重要な意味を持つと考えられます。
そもそも示談とは、被害者との間で交わす合意であって、謝罪をしたことや被害弁償の約束などを内容とするものです。
具体的な内容は事件によって異なるものであり、被害者が加害者に対する処罰を望まない旨や、今後被害者が加害者に接触してはならない旨などが合意されることもあります。

ある事件が警察などの介入で刑事事件として扱われた場合、示談の効力の発揮が期待できる場面は主に以下の2つが挙げられます。

1つ目の場面は、検察官が事件を起訴するか不起訴にするか決めるときです。
刑事事件においては、必要な捜査がひととおり行われたあと、検察官が事件を裁判にかけるかどうか決定することになります。
その際、示談の成否は重大な考慮要素の一つとされるのが通例であり、もし示談が成立していれば不起訴となる可能性は変わってきます。

2つ目の場面は、裁判官が刑罰の重さをどの程度にするか決めるときです。
検察官が事件を起訴すると、その事件については裁判が行われることになります。
裁判では、犯罪の内容のみならず犯罪後の対応や更生の可能性なども考慮され、示談についても当然のように考慮要素の一つとされています。
示談の成立が考慮されれば、刑の減軽が見込まれ、執行猶予となる可能性も高まるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、示談の締結をはじめとする的確な弁護活動を行います。
強要罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(無料法律相談のご予約はこちら

強盗事件を起こして逮捕されてしまったら

2019-12-02

強盗事件を起こして逮捕されてしまったら

~強盗事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します~

~ケース~

名古屋市千種区で一人暮らしをしている大学3年生のAさんは自分の娯楽の為,両親に内緒で消費者金融から借り入れをしていた。
しかし,Aさんは返済日に返済用の現金を用意できず,近所の店で強盗をし現金を奪おうと考えた。
Aさんは犯行当日,包丁を持参しV店に押し入り従業員Xさんに包丁を突きつけ現金を出すように要求した。
しかしXはこれに応じず,緊急通報システムによって駆けつけた愛知県千種警察署の警察官によってAさんは強盗罪の疑いで逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~強盗罪~

強盗罪は刑法236条に規定されています。

刑法236条
1.暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は,強盗の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。

強盗罪のいう暴行又は脅迫は相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の強さが必要です。
強盗の際の暴行・脅迫が反抗を抑圧するに足りる程度であったかどうかは客観的な基準によって判断されます。
今回のAさんのように包丁を突きつけるという行為は反抗を抑圧するに足りる暴行・脅迫となりますのでAさんの行為は強盗罪に該当するといえるでしょう。

しかし,Aさんは強盗を試みたものの,Xさんが要求に応じずお金を奪う事はできませんでした。
強盗罪お金などの財物を奪った時点で既遂となりますので,お金などを奪えなかった場合には強盗未遂罪にとどまります(刑法243条)。
そのため,Aさんには強盗未遂罪が成立することになります。
なお未遂の場合は,「その刑を減軽することができる」と定められています(刑法43条)。

~刑事手続き~

今回のAさんの場合,一人暮らしであるという事情から逮捕後に検察官の請求により勾留されてしまう可能性が高いでしょう。
一人暮らしであるという事情から逃亡のおそれが高い,また近所の店に押し入っての強盗ですから被害者等への接触といった証拠隠滅のおそれも高いと判断されてしまうおそれがあります。
勾留の期間は勾留請求の日から10日間で,勾留満期の時点で検察官は被疑者を起訴するかどうかを決めなければなりません。
事件が複雑である場合など,10日間では起訴または不起訴の決定が困難な場合には検察官の請求により,裁判官は10日間を限度に勾留期間を延長することができます。

刑事訴訟法では,逮捕後,被疑者を検察官に48時間以内に送致し,送致を受けた検察官は24時間以内に被疑者の勾留を請求するか釈放するかを決定しなければならないとされています。
そのため,単純計算で起訴されるまでに最長で23日間身柄拘束されてしまうことになります。
その間が警察署の留置場などで生活することになりますので,当然大学へ通ったりアルバイトなどに行くこともできません。
そうなってしまうと出席日数が不足してしまったりアルバイトを解雇されてしまう可能性も高いでしょう。
したがって,勾留はできるだけ回避する必要があります。

~弁護活動~

今回のケースではまずAさんが勾留されないように活動していくことになるでしょう。
未遂罪とはいえ,強盗罪は重大事件ですので勾留されてしまう可能性は高いでしょう。
しかし,両親が身元引受人になり同居などによって監督を約束,警察などの出頭要請には必ず従うといったことを約束すれば裁判官が検察官による勾留請求を棄却する可能性はあります。
勾留請求が認められてしまった場合には勾留に対する準抗告をすることによって,それが認められれば釈放となる場合もあります。

強盗罪は5年以上の有期懲役というかなり重い刑罰が規定されています。
強盗罪には罰金刑が定められていないので起訴されてしまった場合には刑事裁判を受けることになります。
今回,Aさんの起こした強盗未遂事件は事件の内容がそこまで重いものではないとも思われます。
しかし,未遂であり刑の減軽がされたとしても刑事裁判の結果は執行猶予付きの懲役という判決になるでしょう。
今回のような事案では,被害店舗や被害者の方と示談交渉をし,加害者を許すという宥恕条項を盛り込んだ示談を成立させることができれば検察官は事件を不起訴とする可能性が高くなります。
しかし,示談を使用と思っても被害者の方は恐怖心や不信感などから加害者本人との示談に応じることは少ないと思われます。
弁護士が代理人として示談をするという場合であれば被害者の方も安心して示談に応じて頂ける可能性が高くなります。
強盗未遂罪であっても示談によって不起訴となった事例は多くあります。

ご家族の方が強盗事件を起こしてしまいお困りの方は,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士にご相談下さい。
事務所での無料法律相談のご予約,初回接見サービスのお申し込みを0120-631-881にて24時間年中無休で受け付けております。

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