Archive for the ‘性犯罪・わいせつ事件’ Category

執行猶予期間経過後の執行猶予獲得は可能?

2020-09-27

執行猶予期間経過後の執行猶予獲得は可能かについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。 

愛知県稲沢市に住むAさんは、令和2年7月27日に、盗撮で現行犯逮捕されました。実は、Aさんは、平成26年7月1日に、名古屋地方裁判所で、盗撮により懲役6月、3年間執行猶予の判決(平成26年7月16日自然確定)を受けています。Aさんは接見に来た弁護士に再び執行猶予を獲得できるのか尋ねました。
(フィクションです。)

~執行猶予の種類~

全部の執行猶予は、執行猶予の期間、刑の執行が猶予され、社会内で更生を目指すものです。
これに対し、一部の執行猶予というものがあります。
これは、言い渡された刑の一部の期間は刑務所内で生活し、残りの期間を社会内で生活して更生を目指すというもので、実刑判決の一部です。

Aさんが平成26年に受けた判決は全部の執行猶予付きの判決で、今回もその全部の執行猶予判決を獲得できないか弁護士に尋ねているようです。
そして、全部の執行猶予は、さらに①単なる執行猶予と②再度の執行猶予の2つに分けられます。

~①単なる執行猶予~ 

①単なる執行猶予を受けるための要件は、刑法25条1項に規定されています。

刑法25条1項
 
 次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる

1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を受けた日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

つまり、①単なる執行猶予を受けるには

1 3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けること
2 上記1号、あるいは2号に該当すること
3 (執行猶予付き判決を言い渡すのが相当と認められる)情状があること

が必要です。

~②再度の執行猶予~

②再度の執行猶予の要件は、〇〇に規定されています。

刑法25条

1 前に禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部の執行の猶予期間中に罪を犯したこと(ただし、猶予期間中に保護観察が付いている場合を除く)
2 1年以下の懲役または禁錮の言い渡しを受けること
3 情状が特に酌量すべきものであること

①の単なる執行猶予と異なる点は、「執行猶予期間中」に罪を犯したことが必要とされる点、「1年以下の懲役または禁錮の言い渡しを受ける」必要がある点、さらに「情状が「特に」酌量すべきもの」である必要がある点、です。
このように、②再度の執行猶予は執行猶予期間中に犯罪を犯したものであることから、執行猶予を受けるための要件のハードルが①単なる執行猶予よりも高くなっていることがわかります。

~執行猶予期間が経過した場合の効果~

では、Aさんは、①単なる執行猶予、②再度の執行猶予のいずれを受けることができるでしょうか?

この点、Aさんは前刑確定日から3年後の平成29年7月15日に執行猶予期間が満了し、その翌日の7月16日から「執行猶予期間が経過した」といえる状態となります。
よって、本件は執行猶予期間経過後の犯行ということになります。

そして、執行猶予期間が経過した場合、刑の言渡しは効力を失い(刑法27条)、経過後に犯罪を犯したとしても、全部の執行猶予の要件につき定めた刑法25条1項1号の「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」に該当します。

よって、Aさんは①単なる執行猶予を受けれる可能性がある、ということになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

ライブ配信と公然わいせつ罪

2020-09-25

ライブ配信と公然わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県設楽町に住む女性Aさん(50歳)、男性Bさん(42歳)、男性Cさん(48歳)は共謀し、ライブ動画配信サイトを利用し、今年の2月と6月の2度にわたり、名古屋市のマンションの一室で、女性が下半身を露出するなどの行為をしている映像をライブ配信し、インターネットを通じてわいせつ行為のライブ映像を不特定多数の視聴者らに閲覧させた公然わいせつの疑いで逮捕されました。Aさんの家族から接見の依頼を受けた弁護士がAさんと接見しました。
(事実を基にしたフィクションです。)

~公然わいせつ罪とはどんな罪?~

公然わいせつ罪といえば、公園や駅などの公共の場で、全裸姿、あるいは、一部の性的部位を露出するなどしてわいせつ行為に及ぶという態様が典型的ですが、最近ではインターネットなどの普及によって、インターネット上でわいせつな行為をし、公然わいせつ罪で逮捕されるという事例が散見されます。

では、この公然わいせつ罪とはどんな罪なのでしょうか?
公然わいせつ罪は刑法174条に規定されていますから規定の内容から確認しましょう。
 
刑法174条
 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

まず、「公然と」とは、不特定又は多数人が認識することができる状態をいいます。「認識することができる状態」であれば公然となるわけですから、必ずしも認識されている必要はありません。インターネットの世界では、世界中の誰もがいつでも、そこでも、好きなときに情報を得ることがでいる世界であることは既に周知の事実であるといっても過言ではありません。そこで、全裸でわいせつな行為をする動画を生配信している際、たまたま誰からも閲覧されていなかったとしても「公然」に当たりますし、閲覧されいたとすればなおさら「公然」に当たるでしょう。
次に、「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の物の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するもの、とされています。全裸となる行為はもちろん、自らの下半身を露出する行為や、性交渉を見せつける行為などもこれに当たります。

ところで、事例の中でも出てきた「共謀」とはどういう意味なのでしょうか?

この「共謀」とは共謀共同正犯のことを意味します。
共謀共同正犯とは、共犯者間(本件では、Aさん、Bさん、Cさんの間)で特定の犯罪(本件では公然わいせつ罪)を犯す意思があり、自己の犯罪を実現する意思で他者の行為を利用した(または他者から利用された)という関係が認められる場合に、特定の犯罪の行為(本件では、公然わいせつ罪の「わいせつな行為」)を行っていない者(本件では、Bさん、Cさん)も正犯とする、というものです。

つまり、事例からすれば、公然わいせつ罪の実行行為を行ったのはAさん(正犯者)です。
しかし、Bさん、Cさんが、例えば、動画を配信するための機材や部屋にかかる費用を負担するなどしていれば、たとえわいせつな行為を行っていなくても、わいせつな行為をしたのと同様(Aさんと同様)の責任を負う、ということになります。

~公然わいせつ罪で逮捕されたら?~

逮捕されたら、早めに弁護士と接見することをお勧めいたします。
なぜなら、刑事事件において、いったん不利な話をしてしまうとその話を覆すことに多大な労力と時間を要するため早めに手を打つ必要があること、早めに弁護活動に移ることができ、身柄拘束により被る不利益を最小限に押さえることが期待できるからです。刑事弁護人には、大きく、「私選弁護人」「国選弁護人」「当番弁護人」の3種類がありますが、逮捕直後に接見に来てくれるのは「私選弁護人」と「当番弁護士」です(「国選弁護人」は逮捕→勾留決定が出た(勾留状が発布された後)後に選任されるものです)。ここで、「私選弁護人」と「当番弁護士」のどちらにすべきか悩まれるかもしれません。

まず、①知り合いの弁護士がいるという方は、その弁護士を「私選弁護人」として選任した方がいいでしょう。知り合いの弁護士がいないという方は、ご家族等に弁護士を探してもらえない限り「当番弁護士」と接見するというのも一つのです。「当番弁護士」と接見して、その弁護士が気に入ったのなら、「私選弁護人」として選任することもできます。ただし、「当番弁護士」は、「1回の接見」しか行わない弁護士です。契約を結ばない限りは、具体的な弁護活動を行ってくれるわけではありません。また、当番弁護士の中には、呼んでもなかなか来ない、刑事事件に慣れていないという弁護士もいるようです。もし、何らかの犯罪を犯し、逮捕されそうか不安だ、などという方は、万が一逮捕された場合に備え、今のうちから無料法律相談を利用するなどして自分に合いそうな私選候補の弁護士を探しておいてもいいかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、公然わいせつ罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

児童買春と示談

2020-09-22

児童買春示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市天白区に住むAさん(30歳)は、SNSで知り合った女子高生Vさん(17歳)が18歳未満の者であると知りながら、Vさんと援助交際の目的で会いました。そして、AさんとVさんはホテルへ入り、AさんはVさんに約束していた現金5万円を渡して、Vさんと性交しました。そうしたところ、Aさんは愛知県天白警察署に児童買春の罪で逮捕されてしまいました。Vさんの行動を不審に思ったVさんの両親が愛知県天白警察署に相談したところ、Aさんとの援助交際したことが発覚したようです。Aさんの母親から接見の依頼を受けた弁護士XはAさんと接見をしました。弁護士Xは、Aさんが罪を認めVさん側と示談したい意向を示したことから、担当検事に示談意向である旨連絡し、Vさんの連絡先等を取得しました。そして、弁護士XはVさんのご両親を示談交渉に臨み示談を成立させ、最終的に不起訴処分を獲得することができました。
(フィクションです)

~児童買春の罪とは?~

今回、Aさんが逮捕された児童買春の罪は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)第4条に規定されています。

法律4条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

また、「児童買春」の意義については法律2条2項に規定されています。

法律2条2項
 児童買春とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいう。

「次の各号に掲げる者」とは、児童(18歳未満の者)のほか、児童に対する性交等の周旋をした者、児童の保護者も含まれます。
「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいい、現金のみならず、物品、債務の免除などの財産上の利益も対償に含まれ、金額の多寡は問いません。
「性交等」とは、性交のほか性交築類似行為、児童の性器等を触り、もしくは児童に自己の性器等を触らせる行為(ただし、自己の性的好奇心を満たす目的が必要)も含まれます。

~児童買春における示談の注意点~

児童買春の事実を認める場合の弁護活動としては、専ら示談交渉が中心となります。
しかし、刑事処分を決める検察官の中には、たとえ被害者側と示談を成立させたとしても、それを考慮してくれない方も中にはおられます。
これは、児童買春示談(いうなれば、お金)で解決しようとすると、児童を性のはけ口の対象とする風潮がなかなか収まらず、よって児童を保護することにつながらない、と考えているからです。
児童買春の場合、示談成立=不起訴、とはならない可能性があることはまず抑えておくべき点です。仮に、担当した検察官が上記のような考え方を持っているならば、他の手段も検討して粘り強く交渉していくしかありません。

また、児童買春の場合、被害者は18歳未満の方ですから、示談交渉の相手方は被害者の保護者、あるいは監督者になるかと思います。
しかし、保護者や監督者の中には、児童を性的に搾取されたとして、非常に厳しい処罰感情をお持ちの方もおられます。このような中、示談交渉を持ちかければ「金で搾取しといて、金で解決するのか」などと逆に保護者、監督者の気持ちを逆なでしてしまう可能性があります。児童買春示談交渉は慎重かる丁寧に行う必要があります。

児童買春における示談交渉は上記のような難しさがありますから、示談をお望みの場合は、示談交渉に慣れた弁護士に弁護活動をご依頼ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

監護者わいせつ罪・性交等で逮捕

2020-09-19

監護者わいせつ・性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県常滑市に住むAさんは,内縁の妻であるBさん(35歳)と,その娘であるVさん(16歳)と一緒に暮らしています。Aさんは,Bさん及びVさんに対し経済的支援を行っている傍ら,Bさんが自宅を留守にしている間,Vさんに対しわいせつな行為を繰り返していました。VさんはBさんに相談できず,直接,愛知県常滑警察署に相談しました。そうしたところ,Aさんは,監護者わいせつ罪で逮捕されました。
(フィクションです)

~ 監護者わいせつ罪・性交等罪 ~

監護者わいせつ罪,性交等罪については刑法179条に規定があります。

179条
1項 18歳未満の者に対し,その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は,第176条の例による。
2項 18歳未満の者に対し,その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は,第177条の例による。

1項の「第176条の例による」との「第176条」とは「強制わいせつ罪」を指し,「例による」とは法定刑を強制わいせつ罪と同様「6月以上10年以下の懲役」とするという意味です。2項の方も考え方は同様で,「177条」とは「強制性交等罪」を指し,法定刑を強制性交等罪と同様「5年以上の有期懲役」とするという意味です。

= 18歳未満の者(1項,2項共通) =

わいせつ罪,性交等罪といえば,「被害者=女性」をイメージしがちですが,18歳未満の「者」とされているように男女の区別はありません。したがって,男性が被害者である監護者わいせつ罪・性交等罪も十分にあり得ます。

= その者を現に監護する者(=監護者,1項,2項共通) =

「監護者」は法律上の監護権(民法820条)に基づかなくても,事実上現に18歳未満の者を監督し保護する者であれば「監護者」に当たります。反対に,法律上の監護権を有していても,実際に監護している実態がなければ現に監護する者に当たりません。現に監護している実態があるかどうかは,同居の有無や居住状況,指導や身の回りの世話などの生活状況,生活費の負担などの経済的状況,未成年者に対する諸手続の状況などを考慮して判断されます。

(例)
・同居して子供の寝食の世話をして指導・監督している親
・単身赴任して平日は子供との関わりは少ないが,配偶者を介したり電話やメールで指導等をしたり,休日に帰宅して指導等をしている親
・親の再婚相手で,養子縁組している者
・養子縁組していない者であっても,同居し子供の寝食の世話し指導・監督している者

= 影響力があることに乗じて(1項,2項共通) =

「影響力」とは,監護者が被監護者の生活全般にわたり,衣食住などの経済的な観点や生活上の指導・監督などの精神的な観点から,現に被監督者を監督し,保護することによる生じる影響力とされています。「あることに乗じて」とは,当該影響力が一般的に存在し,当該行為時においてもその影響力を及ぼしている状態でわいせつ行為・性交等をすることをいいます。
わいせつ行為・性交等をする場面で,特定の影響力が生じるための具体的な行為を行う必要はありません。影響力を及ぼしている状態でわいせつ行為・性交等を行ったことで「影響力があることに乗じて」に当たります。

* 「影響力があることに乗じて」といえない場合 *

13歳未満の者に対するわいせつ行為は「強制わいせつ罪」,性交等は「強制性交等罪」に当たります。13歳以上の者に対するわいせつ行為,性交等は,行為時に暴行・脅迫行為が存在することが必要です。

= わいせつな行為(1項) =

判例によれば,「わいせつな行為」とは,行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって,普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいうとされています。

(例)
・乳房を触る,揉む,舐める
・性器を触る,舐める
・自己の陰茎を性器に押し当てる

= 性交等(2項) =

性交等とは,刑法177条で性交,肛門性交,口腔性交をいうとされています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は,監護者わいせつ罪・性交等罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。お困りの方は,フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律そうだん,初回接見サービスを24時間受け付けております。

準強制性交等罪の起訴と不起訴 

2020-09-16

準強制性交等罪の起訴不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

名古屋市港区に住むAさんは、女性Vさんにに酒を飲ませた上でVさん性交した準強制性交等罪の疑いで愛知県港警察署に逮捕されてしまいました。そして、Aさんは名古屋地方検察庁の検察官により準強制性交等罪で起訴されてしまいました。起訴後に刑事事件専門の弁護士がAさんと接見しました。
(フィクションです)

~ 起訴とは ~

起訴とは,検察官が特定の刑事事件について裁判所の審判(刑事裁判)を求める意思表示を言います。この起訴の権限は,一部の場合を除いて検察官のみにしか与えられていません(起訴独占主義)。
この検察官の意思表示は「起訴状」という書類に現れています。起訴状は、起訴状謄本などとともにに裁判所に提出されます。起訴状謄本は、裁判所を通じてあなたの元へ送達されます。こうしてあなたは起訴された事実を知ることになり、その事実について裁判で争うか、争わないか、どういう主張をし、どういう証拠を提出するか決める準備をするのです。

刑事訴訟法247条(国家訴追主義)
 公訴は,検察官がこれを行う。

~ 不起訴とは ~

他方、不起訴とは文字通り,起訴しないという意味です。起訴権限が検察官に認められているわけですから,起訴するかしないかの判断も検察官に委ねられています(起訴便宜主義)。不起訴となれば、刑事裁判を受ける必要はありませんし,もちろん刑罰を科されることもありません。また,前科もつきません(前歴は残ります)。

刑事訴訟法248条(起訴裁量(便宜)主義)
 犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは,公訴をしないことができる。

ところで、検察官が不起訴と判断するに至った理由の「題名」のことを「裁定主文」といいます。裁定主文でよく目にするのが,「嫌疑不十分」と「起訴猶予」ではないでしょうか?
「嫌疑不十分」とは,検察官が起訴するに足りる証拠が集まっていないと判断したときに裁定するものです。
「起訴猶予」とは,検察官が,証拠から犯罪であることは明らかであるが,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況から起訴する必要がないと判断したときに裁定するものです。

本件でいうと、AさんがVさんに対して性交したことを裏付ける証拠がない、あるいは証拠の証明力が弱いなどという場合は「嫌疑不十分」となる可能性が高いでしょう。他方、AさんがVさんに対して性交したことは明らかであるが、Vさんと示談するなどしてVさんがAさんに対して処罰を求めていないなどという場合は「起訴猶予」となる可能性が高いでしょう。

上記のとおり,起訴するか,不起訴にするかの判断は検察官に委ねられていますから,その判断の時期も検察官の判断(裁量)に委ねられます。検察官は,捜査の過程で収集した証拠に基づいて終局処分を決めますし,証拠の収集には一定程度時間を要しますから,終局処分の判断までにも一定の時間を要します。ただし,身柄事件の場合は時間的制約がありますから,在宅事件に比べて証拠収集のスピードがあがり,その分,終局処分を下す時期も早くなります。

検察官は検察官が収集した証拠に基づき起訴不起訴か判断します。そして,検察官は,起訴するだけの証拠が集まったか否かを見極めます。本件のような性犯罪では、Vさんの供述(証拠)が直接証拠ですから、Vさんの供述の信用性が最も重要となるでしょう。

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準強制わいせつ罪で不起訴獲獲得

2020-09-14

準強制わいせつ罪不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県豊川市に住む大学生のAさん(22歳)は、サークルの活動の飲み会に参加しました。そして、Aさんは飲み会がお開きになった後、トイレに行こうとしたところ、別室で泥酔状態でぐったりとしているVさん(21歳)を見つけました。AさんはVさんとは日頃から良く話す仲で、お互い少しずつ好意を寄せていることを感じていました。そこで、Aさんは「この隙に」と思い、Vさんの胸を数回揉みながらVさんの口にキスをしました。すると、Vさんが意識を取り戻し、Vさんから「触ったでしょ?」と言われました。そして、Aさんは、後日、愛知県豊川警察署に準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Vさんが豊川警察署に被害届を提出したようです。

~準強制わいせつ罪~

準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。

刑法178条1項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

刑法176条
13 歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。責任能力における心神喪失(刑法39条1項)とは若干意味が異なります(責任能力における心神喪失とは、精神病や薬物中毒などによる精神障害のために、自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり、その能力に従って行動する能力のないことをいいます)。

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。また、わいせつな行為をされること自体認識していても、加害者の言動によりこれを拒むことを期待することが著しく困難な状態なども含まれます。

「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。

~不起訴獲得に向けて~

準強制わいせつ罪は懲役刑しか規定されていません。
ですから、起訴されれば必ず正式裁判を受けなければなりません。
起訴後は保釈されなければ裁判が終わるまで身柄を拘束され続けます。

このような事態を避けるには、起訴を回避する、つまり不起訴を獲得することが必要です。
不起訴を獲得するには、事実を認め、被害者に真摯に謝罪し、示談を成立させる必要があります。
また、起訴か不起訴かを判断するのは検察官ですから、示談は検察官が刑事処分の決める前に成立させ、その結果を検察官にアピールしなければなりません。
時間との勝負でもありますから、事件に対してどのような態度で臨むのか迷われている方ははやめに弁護士に相談する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。お気軽にご相談ください。

お酒と強制わいせつ罪

2020-09-06

お酒と強制わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市熱海区に住む大学4年生のAさん(21歳)は、同じ学部に所属するVさんと仲が良く、他の同級生2名と一緒に名古屋市内にあるVさん宅に遊びに行くことになりました。AさんはVさん宅でVさんらとお酒を飲んだあと、Vさんの許可を得てVさん宅に泊まることになりました。AさんとVさんは別々の部屋で寝ていましたが、Aさんは酒が入っていたこともあり気持ちが大きくなって、Vさんが寝ている隙にVさんの体を触りたいと思うようになりました。そこで、AさんはVさんが寝ていた部屋へ入り、Vさんが寝ている隙にVさんの胸や下半身を触りました。翌朝、Aさんは、Vさんから「昨日したことを覚えているよね?」「示談金払わなければ警察に被害届を出すから」などと言われてしまいました。Aさんは自分のしたことに全く記憶がありませんでしたが、就職先の内定も決まっていたこともあり警察沙汰にだけはなりたくないと思い、事を穏便に解決したいと考えています。そこで、Aさんは刑事事件専門の弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

幣所にご相談に来られるお客様の中には、強制わいせつをはじめとする性犯罪で訴えられている、あるいは訴えられそうという状況であるにもかかわらず、お酒の影響でその行為を全く覚えていない、一部分しか覚えていないと言われる方も多くおられます。しかし、被害者が嘘をついておらず、かつ、その話に信用性が認められる限りはやはり罪に問われる可能性も出てきます。日頃から、お酒の飲み方などには注意する必要があります。

~ 強制わいせつ罪 ~

強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。

刑法176条
 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。 

「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、

・殴る、蹴る、叩く
・首を絞める、馬乗りになる
・「殺すぞ」「家を焼くぞ」「裸の写真ネットにばらまくぞ」などと言う

などが挙げられます。
また、暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいとされています。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
具体的には、

・膣を触る
・陰部に手を入れる
・乳房を弄ぶ
・相手方の感情を無視した接吻

などがこれに当たるでしょう。

なお、わいせつ行為ではなく、「性交等」を行った場合は強制性交等罪というさらに重たい罪に問われる可能性があることから注意が必要です(法定刑は5年以上の有期懲役)。また、同罪を犯す目的で性行等をするに至らなかったときは強制性交等未遂罪に問われる可能性があります。

~ 警察沙汰を回避するには ~ 

被害者から警察に被害届が提出されてしまうと、逮捕されたり、あるいは警察からの呼び出しなどに応じなければならなくなります。それを回避するためには、やはり、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくしかありません。そして、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくためには、被害者との間で示談を成立させる必要があるでしょう。

示談はもちろん、当事者間で成立させることも可能ですが、特に性犯罪の場合は被害者の処罰感情が強く、また罪を犯した側は立場的に弱いですから、どうしても被害者側の要求を鵜呑みにせざるをえなくなり、当事者間で示談を成立させることは難しいでしょう。そこで、加害者側の弁護士が必要となってきます。

お困りの際は弁護士へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

準強制わいせつ罪と不起訴

2020-09-02

準強制わいせつ罪不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県東海市に住む大学生のAさん(22歳)は、サークルの活動の飲み会に参加しました。そして、Aさんは飲み会がお開きになった後、トイレに行こうとしたところ、別室で泥酔状態でぐったりとしているVさん(21歳)を見つけました。AさんはVさんとは日頃から良く話す仲で、お互い少しずつ好意を寄せていることを感じていました。そこで、Aさんは「この隙に」と思い、Vさんの胸を数回揉みながらVさんの口にキスをしました。すると、Vさんが意識を取り戻し、Vさんから「触ったでしょ?」と言われました。そして、Aさんは、後日、愛知県東海警察署に準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Vさんが同警察署に被害届を提出したようです。

~準強制わいせつ罪~

準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。

刑法178条1項
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。責任能力における心神喪失(刑法39条1項)とは若干意味が異なります(責任能力における心神喪失とは、精神病や薬物中毒などによる精神障害のために、自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり、その能力に従って行動する能力のないことをいいます)。

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。また、わいせつな行為をされること自体認識していても、加害者の言動によりこれを拒むことを期待することが著しく困難な状態なども含まれます。

「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。

~不起訴~

不起訴とは文字通り、起訴されない刑事処分のことです。不起訴処分には不起訴に至る理由があります。
不起訴理由には、主として、起訴猶予と嫌疑不十分の2種類があります。

起訴猶予は、犯人が罪を犯したことは明白ではあるが、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により不起訴(公訴を提起しない)とする場合の理由とされます。他方、嫌疑不十分とは、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分で不起訴とする場合の理由とされます。

不起訴(起訴猶予)の獲得を目指す場合は、まずはご自身の罪を認め、被害者に対して謝罪する(物理的に不可能な場合は謝罪文を郵送する)ことから始まります。同時に、再犯防止に向けてどういう行動を取ってきくのか検討することも必要でしょう。
それと併行して、被害者側との示談交渉、示談も大切です。
犯人の反省の程度、示談締結の事実、被害者の処罰感情の緩和といった事情が「犯罪後の情況」として考慮されうるからです。

不起訴(嫌疑不十分)の獲得を目指す場合は、あなたが罪を否認している場合です。
その場合は、まず、捜査官(警察官、検察官)に対する取調べの対応が大切になってきます。
しかし、相手は取調べのプロですから、どう対応すべきかは痴漢事件、刑事事件のプロである弁護士のアドアイスを受けた方が賢明です。
しかも、特に、事実を否認している場合、取調べが一回(一日)で終わるとうことまずないでしょう。
ですから、各取調べごとに綿密に弁護士と打合せを行い、取調べに対応する必要があります。
また、性犯罪においては、被害者や目撃者の供述が「犯罪の成立を認定すべき証拠」として重要となってきます。
ですから、事実を否認する場合は、被害者や目撃者の供述の信用性を争っていかなくてはなりません。
仮に、被害者や目撃者の供述の信用性がない、あるいは低いと認定されれば「犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分」であるとして不起訴(嫌疑不十分)を獲得できるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

路上痴漢で不起訴を目指すなら

2020-08-31

路上痴漢での弁護活動について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

~ケース~

愛知県北名古屋市在住のAさんは会社の帰り,人通りの少ない道で会社員であるVさん(女性)を見かけた。
Vさんは後ろ姿がAさんの好みであり,人通りも少ない好みともあり,Vさんに痴漢をしてしまおうと考えた。
AさんはVさんの後ろから近寄り,Vさんのお尻や胸を触って走り去った。
Vさんが悲鳴を上げたところ,たまたま通りかかったXにAさんは取り押さえられ,通報により駆け付けた愛知県西枇杷島警察署の警察官に引き渡された。
Aさんは愛知県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の疑いで取り調べを受け後日,また呼び出しをすると告げられ釈放された。
Aさんは前科が付かない方法がないか弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の無料法律相談を利用した。
(フィクションです)

~痴漢~

痴漢は刑法ではなく,各都道府県の定めるいわゆる迷惑行為防止条例によって規制されています。

愛知県迷惑行為防止条例
第二条の二
何人も、公共の場所又は公共の乗物(第三項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。

なお第二条で道路,公園,駅,飲食店などが公共の場所として列挙されています。
道路は公共の場所にあたりますので,道路で身体に触れる行為は痴漢となりうる行為であるといえます。
なお,痴漢となるには「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法」で触れた場合になります。
その為,相手の同意がある場合などには痴漢とはなりません。

今回のケースでは知り合いでもないVさんの背後から近付き突然,お尻や胸などを触ったという事案ですので「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法」であったといえるでしょう。
したがってAさんには愛知県迷惑行為防止条例違反(痴漢)成立するといえるでしょう。
なお,愛知県迷惑行為防止条例における痴漢の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています(15条)。

~前科を付けないために~

痴漢として起訴されると,事実を争わない場合,刑事裁判が開かれずに罰金刑となる略式手続きとなることが多いです。
ただし,罰金刑であっても前科となりますので前科を付けないためには検察官が起訴しない起訴猶予の不起訴処分を獲得する必要があります。

痴漢に限らず,刑事事件では,証拠が不十分であったり,犯行態様が軽微であるなどといった事情がなければ原則的に起訴されてしまいます。
しかし,被害者の方と示談を成立させ宥恕(加害者を赦す,処罰を求めないという意見)を得ることが出来れば不起訴処分となる可能性が高くなります。
これは被害者への弁償が済んでおり,被害者が処罰を求めていない場合にまであえて国家が制裁を加える必要はないという考えに基づくと考えられます。

示談交渉をする場合,被害者の方と連絡を取る必要がありますが,被害者が知り合いというケースでなければ被害者の方の連絡先もわかりません。
刑事事件では場合によっては被害者の方が連絡先を教えてくれることもありますが,痴漢の場合には教えてもらえることはほとんどないでしょう。
その点,弁護士であれば,被害者の方の承諾のもと,検察官や警察に被害者の方の連絡先を取り次いで貰えることもあります。
また,痴漢の被害者の方も弁護士が相手であれば直接加害者と話しをするよりも安心感があり,示談まとまりやすいという事も考えられます。
痴漢をしてしまい,前科をつけないためには刑事事件の経験豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
痴漢事件で被害者の方と示談を成立させ不起訴となった事案も数多く手掛けて参りました。
痴漢事件を起こしてしまいお悩みの方・ご家族の方は0120-631-881まで今すぐお電話ください。
事務所での無料法律相談・警察署などでの初回接見サービスのご予約を24時間365日受け付けております。

自撮り要求行為で条例違反に

2020-08-27

自撮り要求行為について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

~ケース~

愛知県犬山市在住のAさんはSNSを通じて知り合った横浜市戸塚区在住のVさん(16歳)とLINEを交換した。
しばらくやり取りを続ける中でAさんとVさんは仲良くなり,AさんはVさんから下着姿の写真を送ってもらった。
その後,AさんはVさんの通っている学校などの個人情報を聞き出し,Vさんに裸の写真などを送るように要求した。
Vさんはこれを拒否したが,Aさんは「学校にばらすぞ」などとVさんを脅し,裸の写真を送るよう再度要求した。
Vさんは怖くなり神奈川県警戸塚警察署に相談した。
後日,Aさんの自宅に神奈川県警戸塚警察署の警察官が来て,Aさんは神奈川県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~自撮りの要求行為~

今回のケースでAさんの行為で罪に問われうるのは,「Vさんに裸の写真を送るように要求したこと」および「『学校にばらすぞ』などと脅し裸の写真を送るよう要求した」ことになるでしょう。
まず刑法上の問題を説明しますと,VさんにはAさんに写真を送る義務はありませんので,Vさんに写真を送るように要求することは強要罪(刑法223条)に該当する可能性があります。

また,18歳未満の男女(児童,青少年)に対し自身の裸の写真など(いわゆる自撮り写真)を要求することは都道府県の定める条例によって禁止されている場合があります。
今回のケースではVさんは神奈川県在住であり,神奈川県青少年保護育成条例にはまさしく自撮り写真の要求行為を禁止する規定があります。

第31条の2(児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止) 

何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めてはならない。

第53条 

4 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する

(13) 第31条の2の規定に違反した者であつて、次のいずれかに該当するもの
ア 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めた者
イ 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めた者

AさんはVさんから裸の写真を来ることを拒否されたにも関わらず「学校にばらすぞ」と脅して写真を送るように要求しています。
したがって,Aさんの自撮りを要求する行為神奈川県青少年保護育成条例違反となると考えられます。

ところで,Aさんは愛知県に住んでいますがAさんに神奈川県青少年保護育成条例は適用されるのでしょうか。
高松高等裁判所昭和61年12月2日判決は
「県条例が禁止する内容の電話を他県から県内に通話した者は、電話を受けた場所である結果発生地が当該県内である以上、当該県民および滞在者でなくても、当該条例の適用を受ける。」
と判示しており,同様に自撮り要求行為を禁止する条例のある都道府県在住の者に自撮りを要求することは当該都道府県条例違反となると考えられます。

~弁護活動~

今回のケースのような青少年保護育成条例違反の場合には,主な弁護活動として身柄解放活動および被害者の方との示談交渉が考えられます。
刑事事件の被疑者として逮捕されてしまいますと,逮捕及び勾留によって最長で23日間身柄拘束をされてしまいますので身柄解放に向けて検察官や裁判所に書面を提出したり,勾留に対する準抗告を裁判所にするといった活動が考えられます。
勾留請求されなかった場合,勾留請求が却下された場合,勾留に対する準抗告が認められ場合には身柄拘束がなくなり在宅で捜査が進むことになります。

また,今回のケースのような被害者のいる青少年保護育成条例違反の場合は被害者の方との示談交渉が非常に重要となります。
今回のケースでは被害者(未成年のため親権者)と示談を成立させることができれば検察官は事件を起訴猶予とする可能性が高くなります。
ただし,加害者が被害者と接触するという行為は望ましくなく,また,被害者の方も加害者からの直接の示談交渉には応じて頂けない場合がほとんどです。
しかし,弁護士が相手であれば被害者の方も安心して話を聞いてくれることが多いです。
まずは刑事事件に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
全国13都市に支部があり幅広い地域での刑事弁護活動が可能です。
今回のケースのような愛知県と神奈川県といった離れた地域間であっても弁護活動が可能です。
他県で刑事事件を起こしてしまったという場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
無料法律相談・警察署等での初回接見サービスのご予約を24時間365日年中無休で受け付けています。

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