Archive for the ‘刑事事件’ Category
嘘の予約で偽計業務妨害罪に?
嘘の予約で偽計業務妨害罪に?
~嘘の予約で偽計業務妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します~
~ケース~
大学生のAさんはサークルの幹事をしておりサークルでの飲み会に利用する居酒屋の予約などを担当していた。
ある日,Aさんはサークルの飲み会にV店を予約した。
ところが,前日になりV店よりも安くおいしいと評判のX店を知り合いから教えてもらいX店に電話したところ予約が可能であった。
そのため,Aさんは飲み会をX店で行うことにし,V店にはキャンセルの連絡などを特に入れなかった。
その後,Aさんはインターネットで「嘘予約で偽計業務妨害罪で男性を逮捕」というニュースを目にし,自分も逮捕されてしまうのではないかと不安になり弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の無料法律相談を利用した。
(ニュースを基にしたフィクションです)
~嘘の予約が偽計業務妨害に~
先日,居酒屋に偽名を使って嘘の予約を繰り返していた59歳の男性が逮捕されたというニュースがありました。
被疑罪名は偽計業務妨害罪(刑法233条)となっていました。
第233条 偽計業務妨害罪
虚偽の風説を流布し,又は偽計を用いて,人の信用を毀損し,又はその業務を妨害した者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
偽計とは,人を欺罔し,あるいは人の錯誤または不知を利用することをいい,詐欺罪における欺罔行為よりもゆるやかな概念です。
偽計の範囲は裁判例によって次第に拡張されており,非公然と行われる妨害行為全般も偽計とみなされることが多いようです。
~無断キャンセルは偽計業務妨害になるのか~
今回のケースでAさんが不安に思っている無断キャンセルが偽計業務妨害罪になるのかという疑問ですが,単なる無断キャンセルの場合には偽計業務妨害罪とはなりません。
予約は基本的に民事上の契約関係が発生するにすぎませんので,無断キャンセルをする(=料金を支払わない)ことは単に代金支払い債務の不履行となるにすぎません。
そのため,民事上は店側から代金の支払い請求をされる場合もありますが,原則として偽計業務妨害罪とはなりません。
~偽計業務妨害となる場合~
刑法は故意処罰が原則ですので,最初から偽計により業務を妨害する故意があったと認められれば偽計業務妨害罪は成立します。
上記事例の基となったニュースでは,偽名を用いて予約をしている上,そもそも店舗を利用する予定などもなく,前日の確認に対しても変更がないと答えていることなどから偽計業務妨害罪の故意があったと認められたのでしょう。
すなわち,初めから店を利用するつもりがなく,いたずらや嫌がらせ目的で嘘の予約をした場合に偽計業務妨害罪罪は成立するといえます。
ただし,数件予約をブッキングしており,実際に利用した店舗以外を無断キャンセルしたという場合には偽計業務妨害罪の故意が認められる余地はありますので注意が必要です。
~偽計業務妨害罪における弁護活動~
偽計業務妨害罪は非申告罪ですので被害店舗などからの告訴がなくても検察官は事件を起訴することが可能です。
しかし,事件そのものは被害店舗からの被害届や告訴などで発覚するケースがほとんどでしょう。
キャンセル料などをきちんと支払えば刑事事件化することはありませんので,この段階では弁護士の出番はないでしょう。
問題となるのは,被害届などが出され刑事事件化された場合です。
起訴された場合には、件数にもよりますが罰金もしくは執行猶予付きの懲役判決となるでしょう。
また,被害が1件のみというような場合には刑事裁判を開かず罰金を納める略式手続きとなることもあります。
ただし,罰金や執行猶予であっても前科となりますので可能であれば不起訴処分となるように弁護活動をしていきます。
初犯であれば、被害店舗と示談が成立すれば不起訴となる可能性は非常に高くなります。
しかし,店舗が被害者の場合,経理の関係上,示談を受けてもらえないことも多いです。
そのような場合でも少なくとも被害弁償をすることで検察官が不起訴の考慮事項とすることもあります。
また,刑事事件化してしまった後に自身で被害弁償等を申し出ても受け付けてもらえない可能性も高いです。
弁護士であれば店舗に示談や被害弁償の話を受け付けて貰える可能性が高くなります。
もし偽計業務妨害罪として刑事事件化してしまった場合には早めに弁護士に相談されることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
予約の無断キャンセルで偽計業務妨害になってしまったという場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
無料法律相談,初回接見のご予約を24時間365日受け付けています。
スカウト行為で職業安定法違反に問われたら
スカウト行為で職業安定法違反に問われたら
~スカウト行為で職業安定法違反について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説~
~ケース~
岩倉市在住のAさんは、岩倉市内の駅周辺で道行く女性に「風俗の仕事はどうか」などと声を掛け、ソープランドで働くようスカウトをしていた。
Aさんは仲間らと共に、愛知県内の105の風俗店に過去2年間に渡り計約300人を紹介し、風俗店から毎月総額1000万円の紹介料を得ていた。
ある日、Aさんらがいつも通り岩倉市内の駅でスカウト行為をしていたところ、愛知県警察江南警察署の警察官により職業安定法違反の容疑で逮捕された。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの両親は、少しでも早いAさんの釈放を願い、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士に相談をすることにした。
(事実を基にしたフィクションです)
~職業安定法違反と愛知県迷惑行為防止条例違反~
愛知県では、愛知県迷惑行為防止条例違反と職業安定法違反において風俗店等へのスカウト行為を規制しています。
・愛知県迷惑行為防止条例違反
第7条 何人も、公共の場所において、不特定の者に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
六 人の性的好奇心をそそる見せ物に出演する役務、人の性的好奇心をそそる写真若しくは映像の被写体となる役務又は人の性的好奇心に応じて人に接触する役務に従事する者となるように、勧誘し、又は人に呼び掛けて、若しくはビラ等を配布して、若しくは提示して誘引すること。
七 歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす役務(卑わい行為を伴うものを含む。以下同じ。)に従事する者となるように、勧誘し、又は当該役務(卑わい行為を伴うものに限る。)に従事する者となるように、人に呼び掛けて、若しくはビラ等を配布して、若しくは提示して誘引すること。
愛知県迷惑行為防止条例では、駅や路上といった公共の場所でスカウト行為をすることを禁止しています。
そして、スカウト行為が禁止されている「役務」の内容も明示されています。
したがって、この役務に当たらない業務のスカウト行為あるいは公共の場所以外でのスカウト行為は愛知県迷惑行為防止条例違反には当たりません。
・職業安定法
第63条 次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。
2号 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者
職業安定法では「有害な業務」へのスカウト行為が禁止されています。
この有害業務の判断は個々の事件によって検討が必要となりますが、過去の判例ではAV撮影や風俗営業などが有害業務に当たるとされています。
Aさんらは女性をスカウトし、ソープランドに紹介していますが、ソープランドは、風営法2条6項1号が規定する店舗型性風俗特殊営業です。
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第2条6項 この法律において「店舗型性風俗特殊営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
1号 浴場業(公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第1条第1項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業
また、風俗営業には該当しなかったとしても、「社会一般の通常の倫理観念の保持にも多大な悪影響を与えた」といえる場合などには有害業務に当たると判断されたものもあります(神戸地方裁判所平成14年7月16日判決)。
~弁護活動~
上記のケースにおいて、Aさんの家族は一刻も早くAさんを釈放してあげたいと考えています。
早期身柄解放を目指すためには、弁護士のサポートがとても重要となります。
弁護士による身柄解放活動としては、勾留される前であれば、検察官に対して勾留請求をしないように働きかけることが出来ます。
そして、検察官が勾留請求をしてしまった場合には、弁護士は裁判官に勾留を認めさせないように意見書を提出するなどの弁護活動を行います。
さらに、裁判官が勾留決定を出して場合には、準抗告と言う異議申し立てを裁判所に対して行い、勾留決定を取り消すよう求めていくことが可能です。
早期に釈放することができれば、被疑者は自宅に戻ることができるようになるため、取調べなどの捜査や起訴されてしまった場合の裁判に向けて十分な準備をすることができるようになりますし、被害者がいる事件では時間的に余裕を持って示談交渉を進めることが可能となります。
その為、早期釈放を目指す方は、刑事事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士は刑事事件の弁護活動に強く、これまで多くの事件で早期身柄解放に向けた弁護活動を行ってきましたので、安心してご相談ください。
職業安定法違反で逮捕されてお困りの方、早期釈放を目指す方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士にご相談ください。
恩赦について弁護士に相談
恩赦について弁護士に相談
~恩赦について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説~
去る10月22日,即位正殿の儀が執り行われました。
台風19号による被害の為,祝賀パレードは11月10日に延期となりました。
今回の即位正殿の儀に伴い「恩赦はあるのか」というニュースを耳にした方も多いと思います。
恩赦という言葉を聞いたことがある方でも具体的にどういった制度なのかご存知でない方も多いでしょう。
今回は恩赦制度について説明していきたいと思います。
~恩赦とは~
まず言葉の字面から意味を考えますと,恩+赦という2文字の組み合わせとなります。
この「恩」は「御恩と奉公」の恩と同じ意味であり「社会的地位が上の者から与えられる物」というような意味になります。
「赦」は訓読みをすると赦(ゆる)すとなり,許すと原則的に同じ意味ですが特に罪などの過ちの場合に使用されます。
つまり恩赦とは上の者から与えられる赦しという事になります。
法務省は恩赦の定義として行政権によって「国の刑罰権を消滅,裁判の内容を変更,裁判の効力を変更若しくは消滅させること」の4つとしています。
恩赦の具体的な手続きなどは恩赦法で決まっており,恩赦は端的に以下の5つに分類されます。
1.特定の罪に問われている人全員が無罪となる「大赦」
2.特定の人が無罪になる「特赦」
3.死刑を無期懲役にするといった「減刑」
4.執行猶予中を除く刑の執行の免除
5.有罪により失った資格を回復させる「復権」
~恩赦の実施~
恩赦は国の慶事にの際に実施されることが多いです。
戦後では,第二次世界大戦終局,日本国憲法公布,サンフランシスコ講和条約発効,皇太子(現:上皇殿下)立太子礼,国連加盟,皇太子(現:上皇殿下)成婚,明治百年,沖縄返還,昭和天皇の崩御,上皇様天皇ご即位の際に恩赦が行われました。
戦時中の治安維持法等で有罪になった方が戦後の恩赦における大赦によって救済されました。
また,昭和天皇崩御の際に実施された恩赦では,減刑に期待し上訴を行わなかった結果,減刑がされずに死刑判決が確定したという事件もあります。
恩赦には不特定多数のを一律に対象とする「政令恩赦」と個別に判断された者に対する「個別恩赦」に分けられます。
また,国家の慶事などに一定期間に限って実施される「特別基準恩赦」と日常的に行われる「常時恩赦」があります。
恩赦は必要ないという意見もありますが,社会や時代の変化によって犯罪とされていた行為が処罰の必要がないと考えられるようになった場合や,冤罪の疑いがある場合などの救済として恩赦制度は必要でしょう。
先述の治安維持法などは事後的な救済が必要な事例でしょう。
近年では,外国人が登録の際に指紋押捺を拒否した場合に刑事罰が科せられていましたが後に刑事罰の規定は削除され,その後行われた恩赦で,指紋押捺拒否による罪は恩赦の対象となり救済されました。
~令和の恩赦~
今回の恩赦は罰金の納付から3年が経過した人を対象に免許の取得制限された人などが免許を取得できるように救済する復権が大半です。
「免許」と聞くと自動車運転免許を思い浮かべる方が多いと思いわれますが,医師免許などの国家資格が対象となっています。
運転免許の取消しや欠格期間は「刑事罰」ではなく「行政罰」ですのでそもそも恩赦の対象外となります。
そのため,飲酒運転,交通時等で免許が取り消され欠格期間となっている人が運転免許を取得できるということはありませんので注意が必要です。
今回の恩赦は対象者が約55万人といわれています。
対象者に対して個別に通知などはされないので個人で恩赦の対象となっているかを確認する必要があります。
また,受刑者らから出願を受けて行われる「個別恩赦」のうち,重い病気などで回復の見込みが低く,刑の執行が難しい受刑者や刑の執行が長期間停止されている高齢の受刑者らを対象に「特別基準恩赦」も実施されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件を起こしてしまい不安な方や不明な事がある方は0120-631-881までご連絡ください。
事務所での無料法律相談のご予約や警察署などでの初回接見のご予約を365日24時間受け付けています。
正当防衛で無罪主張なら
正当防衛で無罪主張なら
~正当防衛で無罪主張について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説~
~ケース~
北名古屋市内の会社に勤めるAさんと同僚のVさんは、北名古屋市内の居酒屋で飲んでいた際、ちょっとしたことから口論になった。
そして、Aさんは「早くかかって来い」とVさんを挑発した。
腹を立てたVさんがAさんに殴りかかったが、AさんはこれをかわしてVさんの顔面を殴ったため、Vさんは顔に全治1週間の怪我を負った。
後日、Vさんから被害の申告を受けた愛知県警察西枇杷島警察署は、Aさんに後日警察署に来るよう出頭要請をした。
Aさんは、最初に殴りかかってきたのはVさんなのに自分が捜査を受けるのはおかしいと思い、何とか無罪を主張出来ないかと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士に無料相談をしに行った。
(フィクションです)
~正当防衛~
正当防衛については、刑法第36条1項において、「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」と規定されています。
上記のケースでは、AさんはVさんから殴られそうになったため反撃をしています。
その為、例え反撃をした結果としてVさんに傷害を負わせていたとしても、正当防衛が成立し傷害罪に問われ処分を受けることは無いように思われます。
ただし、上記のケースでは、AさんはVさんを挑発しており、その結果VさんがAさんに殴りかかっています。
Aさんが挑発することによって誘発された急迫不正の侵害に対しての反撃行為にも正当防衛が認められるかどうかが問題になります。
ちなみに、防衛者が自ら不正の侵害を招いて正当防衛の状況を作り出す場合は「自招侵害」と呼ばれます。
この点、判例では挑発の態様から「反撃行為に出るのが相当ではない」として正当防衛の成立を否定したものもあります。
したがって、上記のようなケースで正当防衛を主張するためには、挑発がどの程度のものだったのか、反撃した状況はどうだったのか等、事件当時の状況が重要になります。
~正当防衛成立に向けた弁護活動~
傷害罪などの刑事事件で正当防衛の成立を主張するうえで、まず重要となるのが、捜査機関からの取調べにおける供述内容です。
というのも、取調べにおいて話す内容によっては被疑者に積極的加害意思があったという内容の調書にされてしまったりすることもあります。
そうなってしまうと、その後正当防衛を主張していくうえで、取調べで話した内容が大きな足かせになってしまうことも有ります。
また、捜査機関からの圧力に負けてしまい、嘘の自白をしてしまうと、それをもとに起訴されたり、公判で有罪認定の有力な証拠となることがあります。
さらに、後から自白を覆すことは困難なことが多く、また自白を覆すことが出来たとしても何度も供述が変わっているとして、被疑者・被告人の供述の信憑性に疑いを持たれることになりかねません。
したがって、刑事事件で正当防衛を主張したいとお考えの場合は、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
取り調べでの供述内容や、受け答えの仕方についてアドバイスを受けるだけでも、嘘の自白をしてしまった、本意ではない内容の供述調書を取られてしまうリスクを軽減することが出来ます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士は、日頃刑事事件のみを受任しております。
そのため、正当防衛の主張など、刑事事件に関することであれば安心してご相談下さい。
北名古屋市で傷害罪に問われてお困りの方、正当防衛を主張したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士にご相談ください。
初回無料法律相談のご予約や、初回接見サービスのお申し込みは、24時間いつでも可能です(0120‐631‐881)。
初回接見サービスや初回無料相談に関してご不明点がありましたら、相談予約担当の者がお答えさせて頂きますので、まずはお気軽にお電話下さい。
春日井市の偽計業務妨害事件なら
春日井市の偽計業務妨害事件なら
~春日井市の偽計業務妨害事件ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します~
~ケース~
春日井市在住のAさんは、以前深夜に友人と公園でたむろしていたところを愛知県警察春日井警察署の警察官に注意されたことを逆恨みし、何か仕返しをしたいと考えていた。
ある日、春日井市内の路上においてパトロール中の愛知県警察春日井警察署の警察官を見かけた際、困らせてやろうと思ったAさんは、小麦粉の入った小さなビニール袋を落として、走って逃げた。
警察官に捕まったAさんは、白い粉はただの小麦粉だと説明すればすぐ解放してもらえると思っていたが、そのまま愛知県警察春日井警察署まで連れていかれ、取調べを受けた。
取調べの後、Aさんは警察官から今後偽計業務妨害罪で捜査を進めると言われた。
不安になったAさんは、両親と一緒に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士に相談をしに行った。
(フィクションです)
~偽計業務妨害罪の要件~
偽計業務妨害罪については、刑法第233条において、「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
偽計業務妨害罪における偽計とは、人を誘惑・欺罔すること、又は他人の無知・錯誤を利用することをいうとされています。
では、上記のケースのAさんの行為が、偽計にあたるのかどうかが問題となります。
通常、警察官の前で白い粉の入った小さなビニール袋を落とし逃走すれば、警察官としては違法な薬物ではないかと考えることが予想されます。
つまり、Aさんの行為は警察官を欺いていることになりますので、欺罔行為にあたる可能性が高いです。
また、警察官が追いかけたり、他の警察官が応援に駆け付けた場合には、「業務を妨害」したことになります。
たとえ、現実に業務を妨害されなくても、妨害の結果を発生させるおそれのある行為があれば偽計業務妨害罪が成立する可能性があります。
したがって上記のケースでは、Aさんとしては軽いいたずらのつもりだったとしても、偽計業務妨害罪が成立する可能性が高いです。
~公的機関が被害者の場合~
通常、被害者が存在する事件で犯罪の成立に争いがない場合、有効な弁護活動として被害者への被害弁償及び示談交渉を行うことが考えられます。
しかし、警察などの公的機関が被害者の場合、基本的に示談には応じてくれない場合が殆どです。
というのも、上記のケースのような場合、警察官つまり公務員の業務を妨害していますので、公務員の公務を侵害された「国」が被害者だと考えられるためです。
したがって、示談交渉による不起訴処分の獲得はほぼ見込めません。
しかし、示談が出来ない場合であっても、罰金刑を求めたり、公判になったとしても執行猶予付き判決を求める弁護活動は可能です。
たとえば、示談の申入れをしていた経緯を書面で残すことにより誠意をもって被害回復に努めたことや、直接被害弁償が出来なかった代わりに贖罪寄付をすることも考えられます。
また、情状証人による嘆願などの情状弁護により減刑を求めることが考えられます。
そして、被疑事実に争いがないような場合、きちんと反省をしている態度を示すことも大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士は、偽計業務妨害罪といった刑事事件のみを日頃受任しておりますので、刑事事件に関することであれば安心してご相談いただけます。
偽計業務妨害罪に問われてお困りの方、被害者が公務員でどう対応すべきかお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、初回接見サービス、初回無料法律相談のご予約を、0120-631-881にて24時間365日承っております。
初回接見サービスや初回無料法律相談に関してご不明な点がございましたら、相談予約担当のスタッフがいつでもお答えさせて頂きます。
まずは、お気軽にお電話下さい。
ストーカー行為と迷惑行為防止条例違反の違いについて
ストーカー行為と迷惑行為防止条例違反の違いについて
~ストーカー行為と迷惑行為防止条例違反の違いについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します~
~ケース①~
Aさんは自分が通っているキャバクラにおいて,女の子と歓談中,Vさんからからかうような言動をされ恥をかいた。
AさんはVさんに恨みを持つようになり,ある日AさんはVさんに復讐することを考えた。
Vさんが勤務を終了し帰宅する際に,Vさんに気づかれないように後をつけVさんの自宅までついていった。
その後,自宅の場所から住所・電話番号を調べ,無言電話をかけるなどの嫌がらせ行為をした。
~ケース②~
Aさんは自分が通っているキャバクラのVさんに恋愛感情を持つようになった。
AさんはVさんに交際を申し込んだがVさんに断られてしまった。
諦めきれないAさんは,Vさんが勤務を終了し帰宅する際に,Vさんに気づかれないように後をつけVさんの自宅までついていった。
その後,自宅の場所から住所・電話番号を調べ,Vさんの気を引くために無言電話をかけるなどをした。
(上記ケースはいずれもフィクションです)
~ストーカーと条例~
Aさんの行為は世間一般ではどちらも「ストーカー」と呼ばれるでしょう。
なお,法律的にはいわゆる「ストーカー」はストーカー行為等の規制に関する法律(ストーカー規制法)によって規制されています。
ストーカー規制法では「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で,当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し」つきまとい等をすることを禁止しています。
ストーカー規制法のいう「つきまとい行為」は以下のものを指します(2条1項各号)
1.住居,勤務先,学校その他通常所在場所でのつきまとい,待ち伏せ,進路立ちふさがり,見張り,押しかけ,付近をみだりにうろつく
2.監視している旨の告知等
3.面会・交際・その他義務のないことを行うことの要求
4.著しく粗野な言動,著しく乱暴な言動
5.無言電話,拒絶 後の連続した架電,またはファックス・電子メール・インスタントメッセージ・SNS等の送信,やブログ等への返信等
6.汚物・動物の死体ほかの送付等
7.名誉を害する事項の告知等
8.性的羞恥心を害する事項の告知等,性的羞恥心を害する電磁気的記録ほかの送信
ストーカー規制法は「恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」が要件となっています。
そのため,ケース①のような場合にはそもそも恋愛感情に起因するものではないのでストーカー規制法の対象外となります。
そこで,愛知県迷惑行為防止条例は,ストーカー行為等の規制等に関する法律で規定する目的を除くほか,正当な理由なく,専ら,特定の者に対する妬み,恨みその他の悪意の感情を充足する目的で上記行為をすることを禁止しています。
すなわち,ケース①の場合にはストーカー規制法ではなく愛知県迷惑行為防止条例違反となります。
~法定刑や弁護方針~
ストーカー規制法の罰則は原則として1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
また,愛知県迷惑行為防止条例違反の場合も同様に1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
なお,つきまとい等の禁止命令に反してストーカー行為を行った場合や,愛知県迷惑防止条例の定める嫌がらせ行為を常習として行た場合には2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。
検察官に起訴された場合には罰金となることが多いですが事案によっては執行猶予付きの判決や実刑となる場合も考えられます。
逆に,被害者の方が許している(=示談が成立している)場合には起訴猶予となることも考えられます。
また,事案によっては怨恨などの感情はなく,ストーカー規制法および愛知県迷惑行為防止条例のどちらにも該当しないと主張することも考えられます。
特に,ケース②の場合には怨恨の感情を充足する目的があったとはいえないとも考えられます。
示談を進めるべきかストーカーなどに該当しないと主張するべきかは具体的な事案によって判断する必要があります。
まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談されることをお勧めいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部には刑事事件の弁護経験豊富な弁護士が多数所属しています。
ストーカー事件で示談を成立させ起訴猶予となった事例もございます。
まずは0120-631-881までお気軽にご相談ください。
無料法律相談・初回接見のご予約を24時間受付けています。
犬山市のリベンジポルノ防止法違反なら
犬山市のリベンジポルノ防止法違反なら
~犬山市のリベンジポルノ防止法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します~
~ケース~
犬山市在住のAさんは、交際していたVさんから突然別れ話を切り出された。
腹を立てたAさんは、何とかしてVさんに恥をかかせてやりたいと思い、Vさんと交際していた際に同意のもとで撮影したVさんの全裸の写真を、インターネット上にアップした。
インターネット上にVさんの写真がアップされていることを友人から聞かされたvさんは、確認後すぐさま愛知県警察犬山警察署に通報し、被害届を提出した。
その後、Aさん宅は愛知県警察犬山警察署の警察官によって家宅捜索をされ、そのままAさんはいわゆるリベンジポルノ防止法違反の容疑で逮捕された。
少しでもAさんの力になりたいと思ったAさんの家族は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士に初回謁見を依頼した。
(フィクションです)
~リベンジポルノ防止法違反とは~
いわゆるリベンジポルノ防止法とは、平成26年11月27日に施行された法律であり、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律の略称です。
交際中に撮影した元交際相手や元配偶者の裸などの性的画像を撮影された人の同意なく、インターネット上に公表する(いわゆるリベンジポルノ)などの嫌がらせ行為により、被害者が長期にわたり多大な精神的苦痛を受ける事件が増えています。
このような事件を防止する目的で制定されたのがリベンジポルノ防止法です。
リベンジポルノ防止法における「私事性的画像」とは、
撮影された人が第三者に見られることを認識せずに撮影された
①性交・性交類似行為
②他人が撮影対象者の性器等を触る行為又は撮影対象者が他人の性器等を触る行為で、性欲を興奮、刺激するもの
③衣服の全部又は一部を着けない姿態で、殊更に性的な部位が露出され又は強調されているもので、かつ、性欲を興奮、刺激するもの
を指します。
そして、撮影対象者が特定することが出来る方法で私事性的画像を特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した場合(1)は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
また、(1)の行為をさせる目的で私事性的画像を他人に提供した場合も処罰の対象となり、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に問われることになります。
AさんはVさんの許可なく不特定多数の人の目に触れる可能性が高いインターネット上にアップしているため、上記の(1)の該当し、いわゆるリベンジポルノ防止法違反が成立する可能性が高いです。
~リベンジポルノ防止法違反で示談をするなら~
いわゆるリベンジポルノ防止法違反は親告罪です。
そのため、示談を成立させ、被害届の取下げをしてもらうことが出来れば、被疑者は捜査を受けることが無くなりますし、仮に検察官送致をされたあとであっても告訴を思いとどまってもらうことが出来れば、検察官は起訴することが出来ません。
したがって、リベンジポルノ防止法違反事件を起こしてしまった場合、少しでも早く弁護士に相談し、示談交渉を始めてもらうことをお勧めします。
もちろん、加害者自ら示談交渉を行うことも可能ですが、加害者本人が示談交渉をしようとしても被害者の方は取り合ってくれないことが多いですし、逆に被害感情を逆なでしてしまい、示談の成立が困難になってしまう可能性もあります。
その為、第三者である弁護士を介して行った方が、示談交渉がスムーズに進むことが多いです。
刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士であれば、いわゆるリベンジポルノ防止法違反事件に関するご相談も安心してお任せいただけます。
リベンジポルノ防止法違反に問われてお困りの方、示談交渉をご希望の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士にご相談下さい。
初回無料法律相談のご予約や、初回接見サービスのお申し込みは、24時間いつでも可能です(0120‐631‐881)。
初回接見サービスや初回無料相談に関してご不明点がありましたら、相談予約担当の者がお答えさせて頂きますので、まずはお気軽にお電話下さい。
再度の執行猶予を目指す弁護士
再度の執行猶予を目指す弁護士
~再度の執行猶予について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説~
~ケース~
名古屋市千種区在住のAさんは、名古屋市千種区にある駅構内のエスカレーターVさんを盗撮して現行犯逮捕された。
Aさんは、以前にも盗撮の前科・前歴が複数件あり、直近の事件では懲役6月執行猶予1年の判決を受け、判決からまだ6カ月しか経過していない。
Aさんは、何とか再度の執行猶予を受けることは出来ないかと考えている。
面会時にAさんから相談をされたAさんの両親は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士に初回接見を依頼した。
(フィクションです)
~執行猶予とは~
そもそも執行猶予とは、罪を犯して有罪判決を言い渡された者が、執行猶予期間中に別の事件を起こさなければ、その刑の言渡しの効力が消滅する制度をいいます。
執行猶予の趣旨は、被告人を収監するのではなく、社会復帰させながら更生させるという点にあります。
したがって、執行猶予が認められると、すぐさま刑務所に行かなくてもよいということになります。
ただし、執行猶予は無制限に認められるわけではなく、執行猶予が認められるためには以下の要件を満たしている必要があります。
①次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しであること
②前に禁錮以上の刑に処せられたことがないこと
③前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがないこと
そして、上記①~③はあくまでも執行猶予ができるための条件ですので、これらの条件を満たしていても、執行猶予を付けるかどうかを決めるのは裁判官になります。
したがって、裁判官に対して「本人が反省をしている・犯罪が悪質でない・執行猶予を付けても再犯の恐れがない」などの情状を説得的に主張していくことが、執行猶予獲得のためには重要です。
~再度の執行猶予とは~
執行猶予期間中は、比較的軽微な罪を犯した場合でも有罪判決が下れば執行猶予が取り消されることになります。
ただし、再度の執行猶予が認められれば、執行猶予中に犯罪を行っても執行猶予が取取り消され、直ちに刑務所に入らずに済みます。
再度の執行猶予とは、文字通り、再び執行猶予判決を獲得するということです。
この再度の執行猶予は、最初に獲得する執行猶予よりも認められる条件が厳しくなっています。
刑法第25条2項にその要件が規定されており、
①前に禁錮以上の刑に処せられて執行猶予中の者であること
②1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けること
③情状に特に酌量すべきものがあること
④最初の執行猶予判決に保護観察がつけられていないこと
となっています。
再度の執行猶予が認められずらい要因として、まず1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受ける犯罪が多くないことが挙げられます。
また、仮に1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けたとしても、情状事情が特に斟酌されるものでならず、その判断は相当厳格に行われることになります。
したがって、、再度の執行猶予を獲得したいとお考えの方は、出来るだけ早く刑事事件に強い弁護士に弁護活動を始めてもらうことをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件・少年事件に強い法律事務所ですので、安心してご相談下さい。
執行猶予期間中に犯罪を犯してしまいお困りの方、再度の執行猶予を目指していらっしゃっる方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士にご相談下さい。
初回無料法律相談のご予約や、初回接見サービスのお申し込みは、24時間いつでも可能です(0120‐631‐881)。
初回接見サービスや初回無料相談に関してご不明点がありましたら、相談予約担当の者がお答えさせて頂きますので、まずはお気軽にお電話下さい。
名古屋市西区の刑事事件なら
名古屋市西区の刑事事件なら
~名古屋市西区の刑事事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説~
~ケース~
名古屋市西区の大学生であるAさんは友人ら数人と旅行に出かけた。
その際,ホテル内においてVさんが入浴中にVさんのスマートフォンのロックを外し,Bとともに保存されていた画像や動画などを勝手に見ていた。
その際,Vさんの彼女との性交を撮影した画像および動画を見つけた。
Aさんはいたずら心でVさんのスマートフォンに保存されていた動画を「AirDrop」で共有し,自分のスマートフォンに保存した。
Aさんは自分のスマートフォンだけに保存するつもりであったが,「AirDrop」の仕様上,ホテルの利用客および周辺の人のスマートフォンにも当該動画データが拡散された。
それを知り激怒したVさんが愛知県警察西警察署に被害届を出しAさんとBさんは愛知県警察西警察署で事情を聞かれることになった。
(週刊文春9月19日のニュース記事を基にしたフィクションです)
~成立しうる犯罪~
今回のケースで成立しうる犯罪について考えてみましょう。
まずVさんの彼女が18歳未満すなわち児童であった場合,彼女との性交風景は児童ポルノとなります。
そのため,交際相手であっても撮影・保存することは児童ポルノ製造罪および児童ポルノ単純所持罪となってしまいます。
ではAさんおよびBさんにはどのような犯罪が成立するのでしょうか。
まず,罪となるべき事実は,Vさんのスマートフォン内の動画を拡散させた行為がメインとなります。
Vさんの彼女が児童であった場合,児童ポルノを拡散させたことになってしまいます。
その為,Aさんらは児童ポルノ公然陳列罪・提供罪,また自身も保存した場合には児童ポルノ単純所持罪が成立しえます。
児童でない場合には児童ポルノではなくわいせつ電磁的記録となり,わいせつ電磁的記録記録媒体公然陳列罪・頒布罪となりえます。
また,Vさんと彼女の性交動画はプライベートなもの,すなわち私事性的画像記録といえますのでこれらを不特定または多数の者に拡散させたことになりますので私事性的画像記録物の公表罪(いわゆるリベンジポルノ公表罪)となりえます。
なお,リベンジポルノという通称ですが復讐目的に限定されず,第三者が撮影対象者を特定できる方法で私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供(拡散)した場合に罰せられます。
また,一般に,プライベートにおける性交画像などは公表さえると人の社会的評価を下げうるものと考えられます。
そのため,名誉毀損罪のいう「事実」に該当し,それらを公表することは名誉を傷つけたこととなり,名誉毀損罪が成立することも考えられます。
なお,名誉毀損罪とリベンジポルノ公表罪は親告罪となっていますので被害者の告訴がない場合には公訴を提起されません。
この場合にはVさんの彼女が名誉毀損罪等の被害者となります。
~弁護活動~
弁護士として弁護活動を依頼された場合,まずは事件の正確な事情を把握することが重要です。
上記のように拡散された画像に写っているのが児童であるかどうかによって成立する犯罪が異なります。
ただしどちらの場合であっても少なくとも実質的な被害者を受けたVさんの彼女に対する被害弁償といった示談をすることが重要です。
刑事事件を起こしてしまった場合にはよほど軽微な事件であるか,被害者が不明といった特殊な事情がない限り検察官は事件を起訴するのが前提となっています。
しかし,被害者と示談が成立している場合に,あえて国家が刑罰を科す必要がないと判断されれば起訴猶予の不起訴処分となる場合も多いです。
また,親告罪であれば示談の際に告訴の取下げもしくは告訴をしないことを約束してもらうことでそもそも検察官が起訴できないことになります。
示談が成立した場合に問題となるのは,児童ポルノもしくはわいせつ電磁記録記録媒体の公然陳列・提供(頒布)となります。
これらの罪の保護法益は被害者のみでなく善良な風俗,児童一般となりますので示談が成立している場合でも起訴猶予とならない場合もあります。
ただ,今回のようなケースであれば被害者の方と示談が成立している場合には起訴猶予となる可能性も高いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件の示談経験の豊富な弁護士も多数所属しております。
刑事事件を起こしてしまいお悩みの方は0120-631-881までご相談ください。
スキミング行為で示談なら
スキミング行為で示談なら
~スキミング行為で示談について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説~
~ケース~
名古屋市北区のAさんは,コンビニのATMにカードの磁気情報を読み取り複製するいわゆるスキミング装置(スキマー)を取り付け,利用者のカードを複製することを計画した。
Aさんは名古屋市北区のコンビニの銀行ATMのカード挿入口にスキミング装置を取り付けた。
その後,銀行ATMを利用しようとしたVさんがカード挿入口が普段と異なっていることに気が付き,店員に報告した。
何か取り付けられていると感じた店員が警察に通報し,愛知県警察北警察署の警察官が確認したところスキミング装置であることが判明した。
その後,店内の防犯カメラの映像からAさんの犯行である事が判明し,Aさんは愛知県警察北警察署に逮捕された。
(フィクションです)
~スキミング~
スキミングとはキャッシュカードなどの磁気情報を複製し,元のカードと同一の磁気情報を持つカードを複製することを言います。
当然ですが,複製したカードを不正に利用し預金を引き出す事などが目的となります。
現在では偽造が比較的困難であるとされているICカードを導入する銀行やカード会社が増え,スキミング被害は減少しつつありますが,従来の磁気カードの利用者も依然としており,被害は無くなっていません。
スキミング行為は刑法163条の2から163条の5によって規制されており,主な条文は以下の通りです。
第163条の2(支払用カード電磁的記録不正作出等)
1.人の財産上の事務処理を誤らせる目的で,その事務処理の用に供する電磁的記録であって,クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するものを不正に作った者は,10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者も,同様とする。
第163条の4(支払用カード電磁的記録不正作出準備)
1.第163条の2第1項の犯罪行為の用に供する目的で、同項の電磁的記録の情報を取得した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。
自身が作った場合でなくとも,不正に作成されたクレジットカード等を使用や譲渡した場合,所持した場合等も罰せられます(163条の2第2項,第3項,163条の3)。
今回のケースではAさんはカードを偽造するに至ってはいませんので第163条の2第1項は成立しません。
また,実際にスキミングする前に利用者によりスキマーが取り付けられていることが発覚しましたので電磁的記録の情報も取得できていません。
しかし,163条の2および163条の4第1項については未遂罪が規定されています(163条の5)。
Aさんはスキマーを取りつけるという実行の着手はあったものの,すぐに発覚したため情報を取得できなかっため,163条の4第1項の未遂罪となるといえるでしょう。
また,今回のケースのように何らかの犯罪を行う為に店舗などに入った場合,管理者の意図に反する侵入となり建造物侵入罪(刑法130条)も成立します。
なお,スキマーを取りつけるという行為が建造物侵入罪となりますので刑法54条1項後段により牽連犯となり,重い罪である支払用カード電磁記録不正作出準備罪によって処断されることになります。
~弁護活動~
刑事事件では裁判官による量刑判断や検察官による起訴・不起訴の判断に被害者との示談が成立しているかが大きく影響します。
今回のケースでは,犯行場所となった店舗および未遂に終わったとはいえVさんが被害者といえるでしょう。
ただし支払用カード電磁的記録に関する犯罪は起訴率が高いため(例年約80%前後),示談をしたとしても不起訴とならない可能性があります。
しかし,今回のケースでは犯罪行為自体は未遂で終わっており,実際の被害がないため,示談をすることで不起訴となる可能性はあります。
示談をしなかった場合は起訴され,前科がなければおそらく罰金刑となる可能性が高いです。
示談をする場合には,基本的には私選の弁護士を選任する必要があります。
というのも,通常は被害者の連絡先などは加害者の方はわかりませんので,弁護士が守秘義務のもと,被害者の方の同意を得て検察官(場合によっては警察)から連絡先を教えてもらう必要があります。
連絡先を教えてもらえたら,示談交渉をし,示談が成立した場合には検察官などに示談書などの書類を提出します。
示談が成立していることで,あえて国家が刑罰を科す必要はないと判断されれば起訴猶予の不起訴処分となります。
なお,自宅事件の場合,国選の弁護人が付くのは起訴された後ですので,それから示談を成立させても無罪などにはならず,量刑が軽くなるということになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件の弁護経験豊富な弁護士が多数所属しています。
刑事事件を起こしてしまいお困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
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