非現住建造物等放火事件で逮捕されたら

非現住建造物等放火事件で逮捕されたら

非現住建造物等放火事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは、愛知県刈谷市にあるVさんが所有する木造2階建ての家屋に火をつけて全焼させました。
Vさんはこの家に1年以上前に住居として使用することを放棄しており、事件当時は上記家屋にVさんを含め誰も住んでいませんでした。
捜査の結果、Aさんは愛知県刈谷警察署の警察官により、非現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されました。
(2020年7月28日に産経新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【非現住建造物等放火罪とは】

刑法109条1項
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。

非現住建造物等放火罪は、「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船または鉱坑」に「放火して」「焼損」した場合に成立します。

非現住建造物等放火罪の「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない」とは、現に人が起臥寝食の場所として日常的に使用しておらず、かつ、現に人が建造物内にいないことをいいます。
非現住建造物等放火罪の「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物」の具体例としては、物置小屋や倉庫、納屋などが挙げられます。

また、居住者が住居として使用する意思を放棄した場合には、非現住建造物等放火罪の「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物」に該当すると考えられています。

刑事事件例の建造物は、Vさんが所有しているものですが、Vさんはこの家に1年以上前に住居として使用することを放棄しており、事件当時は上記家屋に誰も住んでいませんでした。
このため、刑事事件例の家屋は、非現住建造物等放火罪の「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物」に該当すると考えられます。

非現住建造物等放火罪の「放火して」とは、目的物または媒介物に点火することをいいます。

非現住建造物等放火罪の「焼損」とは、火が媒介物を離れて、目的物が独立して燃焼を継続する状態に達することをいいます。

刑事事件例では、Aさんの放火によりVさん所有の建物は全焼しており、非現住建造物等放火罪の「放火して」「焼損」したという要件は満たすと考えられます。

よって、Aさんには非現住建造物等放火罪が成立すると考えられます。

【非現住建造物等放火事件の刑事弁護活動】

非現住建造物等放火事件で起訴され有罪となってしまった場合、Aさんは「2年以上の有期懲役」に科せられることになります。

ですから、刑事弁護士としては、Aさんに実刑が科され刑務所に服役することを避けるための刑事弁護活動を行うことが考えられます。
例えば、もし非現住建造物等放火事件の被害者の方との示談をしていないのであれば、被害者の方との示談交渉を開始します。
この非現住建造物等放火事件の被害者の方との示談交渉の結果、裁判所に示談書や嘆願書などを提出することができれば、執行猶予を得られる可能性は高まります。

執行猶予が得られない場合でも、書面によって情状酌量を求めたり、情状証人を呼んで証言してもらったりすることで刑罰の減軽を求めていくことが考えられます。
刑の減軽を求める刑事弁護活動においても、非現住建造物等放火事件の被害者の方との示談をすることは重要であるため、上述のようにすみやかに示談交渉を開始することが効果的でしょう。
だからこそ、まずは刑事事件に強い弁護士への相談・依頼がおすすめされます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
非現住建造物等放火事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。

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