住居侵入罪と泥棒 

住居侵入罪と泥棒について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

【刑事事件例】

Aさんは深夜、貴重品を盗む目的で、名古屋市千種区のVさん宅の施錠されていない裏口から中に忍び込みました。
懐中電灯で周りを照らして廊下を歩いていたところ、Vさんに見つかり何も盗らずにそのまま逃走しました。
その後、Aさんは愛知県千種警察署に住居侵入罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです)

【何も盗んでいなくても泥棒のために侵入したのですよね?】

確かに泥棒のために他人の家屋に侵入したのだから、窃盗未遂罪が成立する可能性があります。
しかし、状況によっては窃盗未遂が成立せず住居侵入罪にとどまる場合もあります。
窃盗罪と窃盗未遂罪と住居侵入罪について見ていきましょう。

【窃盗罪】

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。(刑法第235条)

【窃盗未遂罪(など)】

(刑法)第235条から第236条まで、第238条から第240条までおよび第241条第3項のの罪の未遂は、罰する。(刑法第243条)

【住居侵入罪】

正当な理由が無いのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に侵入し、または要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する。(刑法第130条)

【窃盗未遂罪が成立する状況とは】

実際に財物を窃取されていなくても、他人の財物の占有を侵害する具体的危険が発生する行為を行なった時点で実行の着手が認められ、窃盗未遂罪が成立します。
ですので、他人の財物の占有を侵害する具体的危険が発生する行為を行なわなければ、窃盗未遂罪も成立しません。
具体的危険が発生する行為か否かは、対象となる財物の大きさなどの形、犯行日時(昼か夜か)、犯行場所の状況、犯行の具体的態様などの状況を総合して判断します。

例えば
・一般住宅の場合は、物色行為があった段階で実行の着手があるとされています
・土蔵や金庫室の場合は、侵入行為に着手した段階で実行の着手があるとされています

【刑事事件例について】

Aさんは深夜、Vさん宅に忍び込んでいるものの、Vさんの住居内は様々な部屋があり、様々な物品が混在している場所です。
Aさんは懐中電灯で廊下を歩き、盗む品を探していた途中で発見されています。
つまり、財物の占有を侵害する具体的危険性が発生したといえる物色行為には至っていないと判断され、窃盗の実行の着手は認められず、よってAさんには窃盗未遂罪は成立せず、住居侵入罪のみが成立する可能性が高いと思われます。

【Aさんに対する弁護活動について】

Aさんは現在逮捕されている状態です。
逮捕後、警察は48時間以内に容疑者を検察庁の検察官に送致する手続をします。
その後、警察から容疑者の送致を受けた検察官は、24時間以内に勾留(引き続き留置場に身柄を置くこと)の必要性を判断し、必要であれば裁判所の裁判官に容疑者を勾留するよう勾留請求します。
その後、検察官から勾留請求を受けた裁判所の裁判官は、勾留質問といわれる容疑者との面談を行って容疑者を勾留するかどうかを判断します。
裁判官が勾留を決定すると、容疑者はまず10日間は留置場や少年鑑別所等の施設に勾留されることになります。

刑事事件に強い弁護士は、Aさんが今どの段階にあるのかを適切に判断し、各状況に応じた身柄解放活動を行っていきます。

また、窃盗罪、窃盗未遂罪が成立しないとはいえ、住居侵入罪は被害者の方がいらっしゃる犯罪です。
ですので、早急に刑事事件に強い弁護士を通して、被害者の方との示談交渉や被害弁償を行い、示談を成立させ処分が重くならないようにしていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
窃盗罪や窃盗未遂罪、住居侵入罪に詳しい弁護士も在籍しております。
ご家族やご自身が窃盗罪や窃盗未遂罪、住居侵入罪で話を聞かれることになった、逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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