【解決事例】覚醒剤取締法違反事件で保釈決定とと執行猶予付き判決獲得

覚醒剤取締法違反事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案の概要】

ご本人様(40代男性)は、愛知県津島市にある自宅で覚醒剤を使用したとして任意同行され、その後愛知県津島警察署に逮捕されました。
奥様は、「夫は20年ほど前に覚醒剤を使用して、執行猶予付きの判決を頂きました。今度こそ私がしっかり夫を見ていきますので、なんとか刑務所に行くのを阻止してくれませんか。」と相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

【弁護活動】

裁判所に対し、①前回の覚醒剤使用は20年前であり、常習としてとはいえないこと。②事件について反省しており、保釈をしても罪証隠滅の可能性はないこと。③ご本人様が経営する会社が事業拡大しており、保釈をしても逃亡する可能性はないこと。④ご本人様に必要なことは勾留ではなく、薬物更生プログラムを受け構成することである。①~④の理由により、裁判官により裁量保釈が認められるべきである旨主張しました。
また、①再犯のおそれがないこと、②更生のための環境が整っていること、そして ①②の具体的な根拠を主張しました。
その結果、ご本人様には保釈が認められ、裁判官が「懲役刑を科すが、長期間の執行猶予を付し、社会内で更生の機会を与えるのが相当」と判断したことにより、執行猶予判決となりました。

【まとめ】

薬物犯罪では限られた場合(シンナーなど)を除き、罰金刑のみで処罰されることがありません。
執行猶予付き判決をとれるかどうかが、大きな分岐点です。
ですが、薬物の使用で裁判になったとしても、初犯であれば執行猶予付き判決となることがほとんどです。
しかし、薬物犯罪は再犯率が非常に高い犯罪で、薬物犯罪事件で執行猶予判決となり、その執行猶予期間中に再度薬物犯罪事件を起こした場合には、ほぼ確実に実刑判決(執行猶予がつかない判決)となります。

今回の事例のように、執行猶予期間満了後の再犯については、執行猶予期間が満了してからどの程度の期間がたっているかによって執行猶予付き判決となるかが変わってきます。
概ね前回の判決から10年以上経過していれば、執行猶予付き判決を目指していくことも可能です。
ですが、裁判所に対し、執行猶予付き判決とすることが相当であると判断されるには、適切かつ効果的な弁護活動を行わなければなりません。

裁判所や検察庁への主張・申立ては、刑事事件、薬物事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

このコラムをご覧の方で、家族やご自身が薬物事件を再び起こしてしまったが、執行猶予付き判決を目指したい、という方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
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